中カツ!通信 第258回 奶茶界のサイゼリヤ、雪だるま式に増えて上場か?
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こんにちは。中カツ!通信の野村です!
すいません、このタイトル、2週間前に戻ったかのようですね…
++最初に告知++++
今週行われた
【会員限定】9/13(火)19時~ぶっちゃけ勉強交流会 「BtoB営業の温故知新。関係構築理論と実践できるDX」
では、参加者同士でも、ぶっちゃけすぎて、録画を公開する前にやむを得ず一部、編集・カットすることになりました…
後からサロンにご入会頂いた方にも、過去の勉強会の録画は共有いたしますので、ご興味があるかたは、下記を読んで頂き、是非お申込み(お問合せ)ください。
++告知、終わり、以下から本文++++
日本でもブームになったタピオカミルクティー、中国では今でも店舗が増え続けています。
近くのショッピングセンターの地下街を歩いてみると、
こんなにも多くの奶茶店(ドリンクスタンド)があります。
よく潰れないなぁと思っていたら、ちゃんと淘汰の痕跡もありました…
一番上の写真、喜茶(HeyTea)については以前にも中カツ!通信で取り上げたことがありますね。
中カツ!通信 第168号 チーズのバブルで20代が億万長者に
2020年12月7日時点、全国で684店舗だったのが、 どれだけ増えたのか調べてみると、 852店舗(2022年6月末)と、それほど増えていません。むしろ、この半年間だけでみると減少。
また、昨年2021年6月30日に奶茶企業として世界初の上場をした“奈雪の茶”の株価もイマイチで、上場当日の18.86香港ドルが2022年9月16日には6.04香港ドルと約68%も下落しています。
資本市場からも注目を浴びていた奶茶業界、投資機関からは
・投資先が無事にIPOまでいけるのか?
・望むような株価がつくのか?
を心配する声もでてきているのが現状です。
そんな中、蜜雪氷城が上場手続きの5段階のうち3段階目まで来ていることがニュースになりました。
この蜜雪氷城、実は中国で圧倒的な店舗数を誇る奶茶チェーンです。
最近のニュースでは店舗数が22,000店を超え、二位の3倍近い店舗数です。
2022年1月から6月で開店数は2645!(純増は2315店舗)
喜茶(HeyTea)に限らず、開店より、閉店が多いチェーンがある中で、まさに雪だるま式に増えているのです!
その秘密の1つがFC加盟店方式であること。
FC(フランチャイズ)加盟するオーナーが資金、人、場所を用意することによって本部としては迅速に店舗展開をすることができます。
ただ、多くの人を
「蜜雪氷城に加盟すれば儲かりそう!」
と、ひきつけられなければ店舗は増えていきません。
蜜雪氷城の最大の武器とは
「圧倒的な安さ!」
サイゼリヤのコスパを思い出させる
「タピオカミルクティーがこんなに安くていいの?」
「このソフトクリームが3元?」
と最初は安すぎて不安になるくらい(笑)
次女を連れて、とりあえずトップ3の商品を買いに行きます。
Top1のソフトクリームは大きいし、コーンの部分もサクサクで予想以上に美味しかったです。
Top2のレモン水は4元。レモンティーじゃなくて、レモン水です。
「レモン水ってドリンクスタンドで買うものなのか?」
「レストランの順番待ちの時に無料で配っているようなものじゃないの?」(下の写真のようなイメージ)
ただ、この大容量で4元ですから、コンビニでペットボトルのレモン水を買うよりも安いし、飲んでみると甘酸っぱくて、普通に飲めます。ノドが渇いている時には、また飲みたいかも。
Top3のタピオカミルクは6元。普段、あまり飲まないので比較ができないものの、味は普通だと思います。
Top3まで3つ買っても13元(約260円)って、驚きの安さです!
地方都市に行くとソフトクリームは2元、タピオカミルクティーは5元と更に安いため、所得が高くない地域でも集客が非常に強く、全国から加盟申し込みが来るんですね。
実際、上海のように多くのブランドが競争しあい、物価も消費力も高い場所では蜜雪氷城の店舗は多くありません。
今回、私が行った店も、ショッピングセンターから200mくらい離れた場所で他の奶茶ブランドが出店する立地に比べたら家賃も安く、この値段でも利益が確保できるのでしょう。
そのように少し辺鄙な場所でも、圧倒的な価格力で次から次へとお客さんやデリバリー受取のライダーが来ます。
上海では学生を始めとして、蜜雪氷城は、お金がない時の味方という、少し自慢しにくいイメージもありますが
地方都市では、
「ネットで流行りの店にわざわざ来ました!」というように、捉えられかたも変わるわけです。期待が上がり過ぎたのか、満足はしなかったみたいですが…
私が
「エスカルゴ初体験は、サイゼリヤでした」
というように
「噂のタピオカミルクティーを初めて飲んだのは蜜雪氷城でした」
「我らが街にも蜜雪氷城がやってきたぞ!」
という人もいると思います(笑)
中国大陸でKFCが約8,800店舗、マクドナルドが約5,400店舗なので、22,000店舗の蜜雪氷城が初めての全国チェーン体験になる可能性だって、大いにあります。
このように安値で大量出店と聞くと思い出されるのがLuckinCoffeeをはじめとする新興コーヒーチェーン
中カツ!通信 第232号 3日で200開店!スタバに勝つのは運(Luck)でなくマナー(Manner)?
創業間もなく数店舗が好調で、資本の力を借りて一気に店舗を拡大なんていう話はいくつもあります。
ただ蜜雪氷城は、実は1999年から続く20年以上のブランドです。
創業者の張紅超さんは蜜雪氷城の開業前も、いろいろなビジネスを開業しては失敗を繰り返し、飲食業に辿り着きます。
レストランを経営するかたわらで、当時人気だったソフトクリームが20元と高かったのを、試行錯誤を加えながら2元で売りソフトクリーム屋として大人気となりました。
この逸話も、
「サイゼリヤの当初のパスタの値段を7割下げたら大行列になった」
と近しいものを感じます。
そして蜜雪氷城もサイゼリヤと同様に安く売っても利益を出す仕組みを作るために力を入れ続けています。
原材料は自社の加工工場があるのはもちろん、レモンを始め農産物も生産者から直接買い付けることにより一定品質以上なのに低価格を実現させています。
他のミルクティーブランド同様に蜜雪氷城も偽物がでてくるのですが、看板やメニューは真似られても、価格までは真似られない。
だって価格まで真似してしまうと、売れば売るだけ赤字になってしまうので(笑)
なんで成功しているか分かっていても、簡単に真似できない。
一歩一歩、オペレーションやサプライチェーンを改善し続けてきた結果の集客力であり利益構造。こういう業態は強いですよね。
また足腰がしっかりしていれば応用力もあります。
蜜雪氷城は、幸运咖(Lucky Cup)というコーヒーブランドも展開しており、こちらはカフェラテが6元と、これまた低価格。
”世界中の人に、高品質で大衆価格の良いコーヒーを飲んでもらう”
こちらも既に1,000店舗を突破しているそうですが、二級都市以下が中心で残念ながら上海にはありません。
幸运咖(Lucky Cup)以外にも上海でも低価格のコーヒーチェーンが増えてきていますので、消費者としては一定品質のコーヒーが安く飲めるようになるのは、喜ばしいことですね。
このように順調そうにみえる蜜雪氷城ですが問題がないわけではありません。
度々、飲料の中に虫が入っていたなどの問題が発覚しており、罰金をくらっています。
ほとんどが加盟店ということもあり、直営店と比べて品質管理が行き届きにくいものの、ここを踏ん張らないと、数店舗のいい加減な店のせいで、チェーン全体が
「安かろう、悪かろう」
と、消費者からそっぽを向かれてしまいます。
無事に上場できた後は、より社会からの期待や監督も強くなりますので、今のうちに管理体制を更に強化していく必要があります。
社会全体としての景気が冷え込んでいくのを感じる中で、
そういった景気の冬には強い低価格業態である蜜雪氷城
上場に向けて、まだまだ、雪だるま式に、どんどん成長していけるのか?
奈雪の茶みたいに上場を機に雪解けが始まってしまうのか?
これからもミルクティー界のサイゼリヤに注目していきたいと思います。
今回も、最後まで、お読みいただきありがとうございます!
※冒頭の「すいません、このタイトル、2週間前に戻ったかのようです…」というので、お察しになられた方はスゴイ!実は258回を飛ばしてしまっていることに、今更、気づきまして、先週260回だったのに、今回は258回に戻りました。来週は261回になります。
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