第133回 武漢開放と心の開放
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第133回 武漢開放と心の開放
みなさん、こんにちは。
1月23日から77日間、封鎖されていた武漢が4月8日0時に開放されました。
日本のように「緊急事態宣言でる?でない?」という心の準備期間がほとんどない中で、どれくらい封鎖されるのかも分からない中での封鎖措置でしたので出張で行っていただけの人、親戚に正月休みで帰っていた人等、武漢に拠点がない人も相当数閉じ込められていました。
開放初日は飛行機、鉄道で約7万人強が武漢を離れたそうです。長距離バスや自家用車での離脱も含めると、その数はもっと大きくなるでしょう。
逆に流入は、飛行機と鉄道で4万人強となっております。元々、大企業の武漢で働ていた人も、他の拠点での勤務やテレワークに切り替えている場合も多く開放されたとはいえ、すぐに戻る必要がある人は限定的なのでしょう。
このように新型コロナによる物理的な制限は少なくなってきているものの、経済的生活に与える影響は身近でも本格化してきています。
オフィス近くに行きつけの麻辣烫(好きな具材を選んで煮てもらう一人鍋のようなもの)屋がありました。
私のランチの定番でVIPカードを作って、先にお金をチャージしてあるので携帯も出さずに顔パスで決済してくれ、とても重宝していました。
コロナの影響でお店を1か月以上閉めていたものの、3月に復活した時はホッと胸を撫でおろし、同僚と一緒に食べに行った際の様子では、お客様もそれなりに戻ってきていました。
ところが今週の始めに電話があり、
「やはり経営が立ち行かないので店を閉めることにした。野村は未使用残金があるから今日取りに来てほしい」
と。
ただ、その日は外出でオフィス近くにおらず、営業はいつまでかを尋ねたところ
「実は週末にはすでに店舗を閉めた、明日以降は店舗にはもう人はいないのでWECHATで返金でもよいか?」
とのこと。
「経営も立ち行かないし、2日後には実家の東北地方に戻るんだけど、こうしてVIPの人には一人一人電話して返金している。」
そして
「今確認したら野村のカードには174元(約3000円弱)が残っているが、VIPカードの割引などもあったし、もうお金があまりないので100元だけの返金でいいか?」
もう返金されるだけで嬉しいので即答し100元を受け取けとりました。
でも、その後に
「上海の家賃もまだあるし、いろいろと大変だけど、お客様のお金を預かっておいて、無視して逃げるわけにもいかないしね。」
「これで一つの任務が終わったよ。ありがとう」
という悲しさの中に清々しさが残る音声メッセージを聞き、今までのこの店での思い出が脳裏によみがえりました。
結局、もらったお金は、そのまま送り返しました。
最後にお互いに感謝と今後への言葉を交わし、私の中では174元以上の幸福感(自己満足感)があったのですが、翌日、店舗に行って施錠された入り口、
既に設備が撤去された店内の様子をみて
中国全土で、いや全世界でこういう倒産が次々と発生していくんだろうなぁと思うと改めて不安がこみ上げてきます。
この1か月で日本の友人や知人からの中国の状況についての問い合わせが、非常に多くなりました。2か月前までの中国の新型コロナ肺炎の状況を心配しての連絡ではありません。
日本の1か月後を予想するために新型コロナ肺炎の先進国?である中国の肌感覚の景況や各企業(特にニュースにあまりならない中小企業)の対策についての質問です。
「実際に外出制限がなくなった後に景気は戻ってきているのか?」
「雇用や賃金の調整はどのようにしているのか?」
「テレワークで問題は起きていないのか?」
「飲食店、小売りなどの回復状況とどのような対策をしているのか?」
など様々ですが、自身の知見の範囲で日本にいる皆様の参考になればと答えさせて頂いております。
個別の事象は守秘もあるので書けませんが共通事項を一言でいうと
「コロナ前には戻っていないし、戻らないだろう」
ということです。
ただ「戻らない」というのは、悲観的な見方だけではありません。
少しアドバイスさせて頂いた友人の飲食チェーンでは、新しい取り組みを始めたことにより予約が10数件も入りましたし、弊社で取り扱っているRPAは業界として盛り上がりを感じております。
「移動して会わなくてもできることと、できないこと」
「人がやらなければいけないことと、自動化できること」
の見極めが進んでおり本来5年かけて起こる変化がコロナをきっかけに加速して起きているという感じです。
また
「“本当”の“中国”は、何が起きているの?」
という質問も頂きます。
「方方日記」という武漢の作家 方方さんが武漢が封鎖されてから開放が通知される3月24日まで公開してきた60編の日記が
Wuhan Diary: Dispatches from a Quarantined City (English Edition)
という題名でアメリカから出版されることになりました。
“本当”も“中国”も定義ができないので、その疑問の全部に答えられるわけではないなのですが中国語が読める人、英語が読める人はご興味があれば読んでみてもよいかもしれません。
中国語でよめる財新網のサイトリンク(無料)
http://m.app.caixin.com/m_topic_detail/1489.html
Wuhan Diary: Dispatches from a Quarantined City (English Edition)
アマゾンのリンク
https://www.amazon.co.jp/Wuhan-Diary-Dispatches-Quarantined-English-ebook/dp/B086JXGZFB/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=8EBL8WUWLKD9&dchild=1&keywords=wuhan+diary&qid=1586662228&sprefix=wuhan+%2Caps%2C362&sr=8-1
世界向けに販売されることになり、内容にネガティブな意見が含まれることや、オカミ礼賛ではないということもあり、
「人の不幸を飯の種にするのか?」
「自国批判をするのか?」
「自分は特権階級のくせに!」
などの批判もチラホラ見かけます。
日本の「100日後に死ぬワニ」とも共通する、まだ精神的に辛い人がいる中でビジネス色を強く感じ取って反感を覚えているのでしょうかね。
ただ、その後に作者本人から
「売り上げは全額寄付する。そして、これからも作家として何かに過度な忖度はしない」
との発表があったこともあり世論では賛同者の方が多い状況です。
人間の想像力とは素晴らしいもので、会ったことのない他人の言動で感動したり、自分の行動を変えたり助け合ったりすることができます。
同時に、その想像力のせいで嫉妬したり、相対的不幸を感じたりしてしまいます。
一つの出来事でも物理的な距離や心の距離により受ける影響の度合いは異なってきます。
方方日記の第9話の中で、
http://fangfang.blog.caixin.com/archives/220746
「時代の一粒の灰も、頭に降りかかった人にとっては山である」
という一文があるのですが、177万人以上の感染した人や、その家族といった苦しみの当事者であれば現状の感染者は全人類の0.02%に過ぎないという軽い言葉では捉えられないでしょう。
想像力のある人間どうしですから
マスク、手袋、防護服で遮断し、ソーシャルディスタンスは確保しても、心と心の間には壁を立てずに近い距離を保っていたいですね。
皆様の心の端っこにタッチできるよう中カツ!通信は、今後も心を込めて情報提供していきたいと思います。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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