中カツ!通信 第253号 上海の次は〇〇だ!中国ビジネス必見、都市ランキング
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こんにちは。中カツ!通信の野村です!
++最初に告知++++
先週、【サロン会員限定】7/12(火)19時~ぶっちゃけ勉強交流会のご案内 「飲食から考える中国のZ世代市場」で講師をして頂いた岡藤さんとサロンメンバーで、上海Z世代人気店食事会を行いました。
確かに周りは、ちょっとオシャレそうなZ世代ばかり。こちらは異業種オジサンと大学生の混合ですけど少し浮いてました(笑)
「なぜ流行っているのか?」の解説聞きつつ、隣のテーブルを真似て同じようなカットで写真を撮ってみたり、美味しく、楽しかったです。
次回のセミナー8月9日は上海で現役大学生をセミナー講師に、今後の中国消費を権威する中国Z世代に更に迫る内容を企画中です。
ご興味があるかたは、下記を読んで頂き、是非お申込み(お問合せ)ください。感謝!千人超え!2期メンバー募集します!
++告知、終わり、以下から本文++++
先週、久しぶりに会った上海人の友人が、しばらくは日本に移り住んで仕事をすると言ってました。
を、先週書いたばかりだったので、やはり一部では「离沪潮」(上海離脱ブーム)は起こっていると実感。
ただ、上海を離れるとしても、日本に行ける人は限られているので、基本的には国内での移住となります。
「もし、自分が上海から離れるとしたら、どこに行くんだろう?」
ということを考えたときに、中国市場でビジネスをする人にとっても参考になる調査結果があったので紹介します。
第一財経による都市商業魅力ランキング
この調査は、経済雑誌である第一財経が、中国全土337都市を対象に
・鉄道、航空、道路などの運行状況
・17社のネット企業のビッグデータ
・26分類170のブランドの出店状況
・全国人口調査
等、各種のデータをもとに各都市の商業魅力度をランキングをしたもの。
第一線都市4つ(北京、上海、広州、深セン)に加え
15の新一線都市
30の二線都市
70の三線都市
90の四線都市
128の五線都市
を選出しています。
それでは早速ランキングを見ていきましょう
一線都市では上海が141.80でトップ!
そこに北京、広州、深センと並びます。
上海住民の一人としては
「上海のビジネス都市としての魅力が高いことが証明された!」
と誇りたいところですが、この6月2日に発表された統計は主に2021年の統計が使われていますので、来年の上海のポイントがどうなるかは、少し不安ですね…
続いて新一線都市15はというと
成都がトップ。
第二位は成都に近い直轄市の重慶、
第三位がアリババを始めとするIT企業が多い杭州
と続いてます。
でも、この都市ランキングとは、いったいどのような評価基準で評点されているんでしょう?
都市の経済規模の比較に、よく使われるGDPでしょうか?
この調査ではGDPの大きさだけだと、住んでいる人の感覚と合わないということで、5つの尺度を元にランキングを作成しています。
GDPは、あくまでも5つの指標のうちの更に小項目の指標にしかなっていません。
・商業リソースの集積度
・都市の中枢性
・都市の人々の活発度
・ライフスタイルの多様性
・都市発展の可塑性
という5つの指標で評点し、その5つの指標のバランスについては、各界の専門家に意見を聞きながら毎年調整しているとのことです。
この5つの指標を評点するための各調査項目の一部を紹介すると
26分類170のブランドの出店状況(分類:商業リソースの集積度)
飲食であればスターバックス、マクドナルド等
ラグジュアリーであれば、Hermes、LV、Gucci等
他にはスーパー、アパレル、コンビニの数
が、それぞれの都市に何店舗あるのか?昨年と比べて店舗数の増減はあったかなどを評点。
都市間、交通路線の利便性(分類:都市の中枢性)
その都市に発着する、飛行機や鉄道の便数に加え、高速道路での通行量等もデータ分析の対象としています。これは人の移動の利便性だけでなく、貨物の流通の利便性にも影響します。ECを頼んでからの到着が早い等は確かに生活の品質に影響しますね。
夜生活(ナイトライフ)の充実度(分類:都市の人々の活発度)
夜までやっているレストランやバーの数、夜の時間帯まで映画が放映されているか等の過ごす場所の数だけでなく、夜の時間帯まで公共交通機関が運営されているかも対象になっています。
確かに終電が早いとレストランがやっていても帰ってしまう人は増えますので、よく考えられているなぁと思います。
ライブコマースの発信地の数と購入者の数(分類:都市の人々の活発度)
ECの購入者が多いだけでなく、発信者(販売者)が多いことも都市の活性度を表す指標なんですね。
各地、各国料理のレストランの数(分類:ライフスタイルの多様性)
10数年前まで長沙では、地元の湘菜(湖南料理)以外のレストランは生き残れないと、いわれていたそうです。
四川料理、広東料理と各地域に地元料理のレストランが多いのは当然として、その他の地域の料理の多様性があることにより他の地方の人も安心して住むことができるのも、確かに都市選びの重要なポイントですね。
スタートアップ企業の数(分類:都市発展の可塑性)
スタートアップ企業の数、融資の額、大学卒業生が地域に留まる率、海外留学生が戻ってくる率なども指標に入っています。
一方で、入ってそうなのに指標に入ってないものがあります。
それは
「不動産価格」
不動産価格の高騰は、それだけ住みたい人が多い、つまり都市に魅力があるといえます。
ただ、持ち家じゃない人にとって高い家賃負担は都市の生活満足度を下げることになりますので、魅力に対して「正」とも「負」とも判別しにくいため、指標としていれていないとのこと。
このように調査項目の綿密な設計もさることながら、その調査を可能とするネット企業17社が提供するビッグデータもスゴイ。
中国全土に対してEC、配車、動画、地図、人材紹介、支払い等の各分野の名だたる企業が提供しているので、かなりの精度で都市内での活動量が把握できます。
【データ提供企業】
美团大众点评数据研究院、飞常准、京东、饿了么、淘宝网、第一财经商业数据中心、时光网、支付宝、知乎、智联招聘、TalkingData、滴滴出行、优酷、去哪儿、咕咚、青悦开放环境数据中心、高德地图交通大数据
京東Plusという有料会員のオーダーユーザー数なんてデータも指標の1つに入っていますからね…
この毎年、行われている調査に注目しているのは出店先を探している企業だけではありません。
各地方政府からも多くの問い合わせが来るそうです。
面子にも関わりますので
「なんで、うちの都市が、あそこの都市より格下なんだ!」
「なんで、うちの都市の、この項目の点数が低いんだ!」
という怒声がきているのかもしれません(笑)
そして、このランキング、
成都は新一線都市の中で7年連続の1位です
これに対して、ネット上では成都は第一財経と裏で何か約束をしているんじゃないかという疑惑騒動があり、契約書?まで暴露されました。
都市ランキングで新一線都市の中で成都を首位にする。各項目もできるだけ1位、100点にする。
対価として5年契約で270万元を払う
ただ、これは第一財経が偽物だと、すぐに否定する声明をだしました。
確かに暴露された契約書は、項目も雑ですし、なにしろ値段が5年間で270万元(約5,400万円)と安すぎます(笑)
本当に、こういう契約があるとしたら最低でも桁が2つは足りないと思います。
そもそもデータの改ざんまで行ったとしてもビッグデータを提供している各社がチェックしたら、すぐにばれてしまいそうですし、第一財経としては、あまりにリスクが大きすぎます。
できるのは、せいぜい点数をあげるためのアドバイス(コンサルティング)ですよね。
実際に裏工作ではなく、各都市からの具体的な問い合わせについては第一財経としても詳細なデータ提供のサービスをしているようです。
例として2018年の夜生活の点数が低かったことに対して、夜生活が豊富だと自負がある成都市から問い合わせがあり、夜間の公共交通機関の本数が少ないことを指摘したそうです。
その後、成都市では夜の時間帯の公共交通機関の運営数を増やし、この分野の点数も上がったとのこと。
商業都市としての発展というと、先天的な要素も大きいです。
気候がよい。港があり貿易に有利といった立地での優位性が企業(ビジネス)を引き付けて、人が集まり、更に企業(ビジネス)が増えるという循環で発展していく。
ただ、農業、工業、サービス業と産業構造が変わっていくなかにあっては、各地方政府の政策により企業や人材を引き付けるチャンスは、まだまだあるのかもしれませんね。
今は一線都市の深センだって40年前は漁村ですから。
比較できる指標を元に各都市が切磋琢磨して魅力を増していくことは望ましいものの、金太郎飴のように各都市が均質化してしまうのは、寂しいですよね。(どうせ出張か旅行でしか行かない都市がほとんどなので、意見できる立場ではないですけど…)
「住めば都(みやこ)」
というように、住んでいれば、不便さも含めて愛着が出てくるもの。
同質化していく中で、どこにいってもコンビニがあって、スタバがあって、日本食が食べれるという
「どこも都会」
になっていく中で、どの都市が差別化競争でランキングを上げていくのかは、今後も注目です!
++最後に告知++++
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今回も、最後まで、お読みいただきありがとうございます!
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