中カツ!通信 第252号 上海脱出が増えているは本当か?
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こんにちは。中カツ!通信の野村です!
7月20日の通知にて、PCR検査の無料実施期間が7月末までから8月末までに延長されました。
また市民は毎週、少なくとも1回はPCR検査をしなければいけないとも。
通知が出されて初となる23日(土)の小区(団地)内一斉PCRでは、こんなカードまで配られます。
小学生の夏休み、早朝のラジオ体操にいくと、毎日スタンプを押してもらい、最終日にお菓子をもらったのを思い出しました…
飲食店でも、来店ごとにシールを集めて10個溜まったらビールをサービスなど、来店促進のためのポイントカードを見かけますよね。
今回のPCR検査シール集めも、住民の積極的な参加を促すのが目的なのだと思います。
ただ、1週間に1回の一斉PCRでシールをもらえるとすると、全部埋まる12回って10月に入っています…
その時まで、一斉PCRが続ていることが前提なのだとしたら、少し気持ちが萎えます。
なので順調にいけばシール配布も途中で終わるはずです。
1枚目のシールをよく見てみると台紙の絵柄と同じです。つまり、この12の枠と同じ柄の12種類のシールが用意されているということ。
11枚目、12枚目のシールは既に印刷されているのだとしたら、使われずにお蔵入りする可能性が高いですよね…
PCR検査の無料実施で財政負担も大きいでしょうから、その他の支出は効率的に行ってほしいものです。
このようにコロナ防疫態勢を緩めない上海。
安心な一方で、生活者としては不安もあります。
「また、4月、5月のような規制があるんではないか?」
こればかりは、何とも言えませんが、我が家としては常に食料品の備蓄を、するようにしています。
一時期メディアで
「离沪潮」(上海離脱ブーム)
(※”沪”は上海を表す漢字)
という言葉をよく見かけました。
3月後半から5月末まで約2か月にわたったロックダウン。
5月中旬から上海から離れる許可が出るようになると、毎日約1万人の人が、上海から去っていくというニュースが報道されておりました。
上海を離れていく理由は、人それぞれです。
・2か月以上、実家に戻れなかったから帰省
・大学の授業がオンラインのままなので帰省
・出稼ぎに来ていたけど仕事がなくなったから帰省
・そもそも行く予定だった出張
・ロックダウンのない街への移住
など、その多くは元々、上海の戸籍ではない人達。
2020年の人口統計によると、上海の2487.09万人の常駐人口のうち、上海戸籍でない人は1047.97万人と約42%を占めます。
1000万人が年に1回の帰省で上海を離れるだけでも、1日あたりに換算したら約2.74万人ですから、毎日1万人が上海を離れているといっても、たいした数字ではないですよね。
毎日1万人が住民票を上海から移して、しかも新しく入ってくる人がいないというような誤解をしてしまいがちなニュースでした。
まぁ、あの前代未聞の先が見えないロックダウンが1か月以上続いた時の不安心理からすると、そう誤解してしまうのも理解はできます。
ただ、最近、
「上海の人気が少し落ちている?」
と気になるニュースがありました。
先月に行われた(上海以外)、統一大学入試試験、通称「高考」
中カツ!通信 第246号 国の最高セキュリティ文書の謎解きで数千万人の人生に影響が
その志望状況で、河南省では例年に比べ、上海の多くの大学の人気が落ちているようなのです。
上海には「985」「211」に分類される重点大学が多く、有名かつ人気の大学が多く存在します。
「985」大学として有名な同済大学に入るために必要な点数は、今年の河南省では564点と昨年の667点から大幅に落ちています。
絶対的な点数だけでなく、だいたい河南省内で何位であれば入学できるかという基準も昨年の1,730位から43,252位と大幅に落ちています。
復旦大学、上海交通大学というトップ校は、ほとんど変化がなく、上海科技大学は順位を上げているものの、それ以外の有名校は軒並み入りやすくなっている、つまり人気が落ちているといえます。
このようなことが起きた原因として2つ挙げられております。
原因1 コロナに対する不安
上海ではロックダウン後も厳戒な管理が実施されているとはいえ、河南省という離れた場所で生活している学生や、その親御さんからすれば
「上海のコロナ大丈夫か?」
と、不安を感じるということ。
原因2 上海の学校の宣伝不足
例年であれば、上海の学校も優秀な学生を全国から集めるために各地に説明会に回ります。ただ今年はコロナやロックダウンの影響で地方の高校への学校説明会を開催できず、結果的に上海の学校を知る機会が減り、志望者が減ったのではないかということ。
もちろん河南省の大学志望者の結果だけを見て、
「全国で上海の大学の人気が落ちている」
↓
「上海の都市としての魅力が落ちている」
と、判断することはできません。
一方で大学院の場所としては、上海の人気が高まるであろうニュースもありました。
6月28日に上海市教委を含む四部門が共同で発布した
《关于做好2022年非上海生源应届普通高校毕业生进沪就业工作的通知》
によると、上海で大学院を卒業した学生が上海で就職した場合については、それだけで上海戸籍を取得できるように改正されました。
今まであれば、学歴以外にも上海での居住年数、社会保険納付年数等の条件があり、院卒だからといって直ぐに、取得できるものではありませんでした。
この政策改正の背景として、高度な人材を、より上海に引き留めたいという考えがあります。
中国の各都市が勃興してくる中で、大都市である上海としても、いろいろな対策を行っているのですね。
上海のロックダウンはオンラインでの就業、就学を更に推し進めることとなりましたが、今後、上海への人口集中は緩和されていくのでしょうか?
私個人としては、それでも上海圏の人口は、減っていかないと思っています。
確かにリモートワーク、オンライン授業は、今後も増えていくでしょう。
ただ住まいを選ぶ基準は、仕事と就学だけではなく、その他の生活の利便性や快適性も大事ですよね?
・美味しい各国のレストランが近くにある。
・デリバリーで1時間以内に欲しいものが手に入る。
・日本のアイスが買えるスーパーがある。
・博物館、美術館が地下鉄で行ける近さにある。
・ディズニーランドなどテーマパークに日帰りで行ける
・本格的なオーケストラ演奏を聞けるコンサート施設がある。
上記のようなことって、ロックダウン前は当たり前に享受していましたけど、それは大都市上海だからであってこそなんですよね。
妻の実家はロックダウンされていなかったですけど、そもそも上記のような利便性を得ることは難しいです。
人口が多いからこそ、
・企業としても市場に魅力を感じ新たなサービスが導入され、
・その魅力的なサービスが、新たに住みたい人を増やしていく
という循環は生活基盤がオフラインに根差している間は変わらないだろうと考えています。
もちろん人が多いことにより渋滞などのストレスもありますが、そのストレスこそ、オンラインサービスによって解決されてきています。
では「生活費の高騰で耐えられなくなって人口が流出する」というのは、どうでしょうか?
家賃については、選択肢は増えてきているように感じます。まだまだ増えていく地下鉄網で1時間で市中心まで行ける通勤圏は、どんどん広がっています。
週に二度しか通勤しなくてよいなら家賃の安い上海郊外に引っ越すという選択も可能です。
東京都で働く・消費する人の多くが、周辺の県に住民票を持つ人口だというのと同じように都市の概念としての『上海』も広がっています。
また、それ以外の費用も、それなりの選択肢があると思います。
もちろんサービスを享受するためには、サービスを提供する人達にお金を払う必要があります。
デリバリーのドライバーがいないと上海の日常生活が成り立たないように、多くの方が、上海の経済を支えてくれています。
「离沪潮」(上海離脱ブーム)で、一度離れてしまったとしても、
上海が安定して毎日仕事ができる環境であり、給与額が見合えば、
働きに戻ってくる人や、新しく働きに来る人は減らないと思います。(減ったら、必要なだけ給与相場も上がるでしょうし)
このように生活費が高騰しようとも、規模が、さらなる規模を生み出す都市の集積効果により上海の人口は減らないだろうなぁというのが私の考えです。
メタバースが更に発達して映画マトリックスのように衣食住の全てが仮想世界で行われるようになったとしたら、大都市から人口が分散されるのかとも思いましたが、
逆に送電やカプセル管理の効率を上げるためにも、人口は更に密集しているかもしれませんね(笑)
もちろん何を快適と思うかは、個人の価値観によりますので、上海を始めとする大都市が、誰にとっても最適だとは思いません。
ただ、私は、現時点では、仕事以外の気軽に会える友人もいますし、もうしばらくは上海で生活していこうと思っています。
皆さんにとって、今、そこに住んでいる理由は何ですか?
今後も、同じ場所に住み続けたいと思っていますか?
皆さんのお薦めの場所、ぜひ教えてください!
今回も、最後まで、お読みいただきありがとうございます!
From上海
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