第149回 コロナで変わった中国ネット事情レポート(2020年上半期)
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第149回 コロナで変わった中国ネット事情レポート(2020年上半期)
こんにちは。中カツ!通信の野村です。
新型コロナは当初の予想に反し、いまだに世界中で我々の生活に影響を与え続けています。
私が影響を受けだした2020年1月下旬からも半年以上が経ちました。
強制休業が続く中で、そのまま倒産してしまう光景から、今では続々と飲食店の新店がオープンしだしており、コロナ前に戻ったような錯覚すらおぼえます。
ただ地下鉄内でのマスクや検温は昨年あきらかに存在しなかった景色であり、"戻ったのではなく我々が既に慣れてしまっている”のかもしれません。
今回は7 月 29 日にモバイルビッグデータのモニタリングプラットフォームである Trustdata が発表した《2020 年上半年中国移动互联网行业发展分析报告》の情報を中心にコロナが中国で生活にどんな行動変容を起こしたのかをみていきたいと思います。
まず、EC化率ですが2019年6月時点で29.9%と昨年対比で5.2ポイント上昇しております。赤矢印(野村追記)の部分がコロナが一気に蔓延し外出制限がされた時ですので、EC化率が伸びたのもうなずけます。
ちなみに日本は2019年までのデータしかありませんが6.76%です。
(グラフは経済産業省のHPから転載)
今回の新型コロナの影響を受けて2020年のEC化率は、どれくらい上昇するのでしょうか。
次に中国のモバイルで使われているアプリのTOP10(6月のMAU)のカテゴリーならびに昨年比をみてみると
(※MAUはMonthly Active Usersの略で、月あたりで実際に使用しているユーザー数を示す。DAUだと日次)
・SNSが1位、
・ECが昨年比12.8%上昇で2位、
・ショートムービーは20.8%上昇で3位
そして7位には同じく12.8%上昇でビジネスオフィスがランクインしています。
ECとビジネス用のアプリ約13%の伸びは巣ごもり生活・在宅勤務を経て6月になった今でも生活に根付いている人が増えたことが考えられます。
ビジネス用のオフィスアプリは日次の使用時間でも185.7%の大幅上昇です。
アリババ系のOAアプリである釘釘(DingDing)の日次使用者数も2月の休み明け(ただ出勤が制限されていた)から4月まで増え続け、6月の今でも昨年の倍5000万人以上が日常的に使用していることが分かります。
次に11-20位を見てみましょう。
こちらは、のきなみ昨年対比を割れています。
”地図ナビ”、”交通関連”、”旅行”、”車”というのは激減する理由が理解できます。
写真加工アプリの減少率はも外出して写真を撮る機会が減り美白や顔を細く見せる加工をする必要が減ったからでしょうか…
母婴(ベビー、マタニティ)が大きく減っているのは、理由が分からないのですが、巣ごもり期間が長くなり今年の後半から来年にかけてベビーブームが来るという予測もありますので来年は高い上昇率になっているかもしれません。
外出が制限されると活発化するのがSNS。下記は主要SNSのMAUと伸び率の表です。
「あれ?!Facebook、WhatsApp、インスタって中国では見られないんじゃないの?」
と疑問に思われた方もいらっしゃるのでは。ユーザー数はWechatやQQの足元くらいですが、まぁ絶対数としてはそれなりの数。みなさん、いろいろ工夫して使っていらっしゃるんですね…
Trustdata以外では财经の記者による交通運輸部科学研究院城市中心への取材によるとコロナが発生してから
シェアサイクルの1回あたりの平均走行距離が
1.4-1.7kmだったのが3-3.7kmと2倍以上に伸びた
とのことでシェアサイクル業界には追い風と言えます。日本でもシマノやアサヒといった自転車関連株は好調です。
やはりバス、地下鉄の密を避けようという心理だと思うのですが、3月から5月はともかく上海で今この暑い季節に3㎞も自転車だと汗だくですから夏の間は走行距離は下がってくると思います。
完全に個人の想像として、実は本当は地下鉄、バスに乗りたかったけどマスクを忘れて乗車できず、やむをえず自転車で長距離を移動した人が平均距離を伸ばしているのでないかなぁ。(出先にマスク置き忘れてタクシーにも乗車拒否されました…)
コロナの前と後で変わったこと、これから更に変わっていくことは他にもたくさんあると思います。
そのような変化に適応していくためには信頼できる情報が大事です。
そして有力な情報源である信頼できる友人、知人、家族の大事さはコロナ前も後も変わらないですよね。
オンラインでの飲み会やビデオ通話が普及してきたおかげで私自身、日本に帰国して数年会えていない友人と久々にオンラインで顔を見て話しをすることができました。
自由に移動できるようになれば、ぜひ直接会いに行きたいと思っています。
ライフネット生命の創業者であり、立命館アジア太平洋大学(APU)学長である出口さんが8月1日のオンラインセミナーの中で接線思考というお話をされました。
円が少し回転すれば接線は大きく傾くのだが、人間は大事件が起こると、そのままの状態が永遠に続くような錯覚に陥りやすいということです。
コロナを機に人が移動をしなくなる動物になることもなければ、今までのオフライン活動が全てオンラインに置き換えられる可能性も極めて低いわけです。
どんな変化も悲観的に不安になりすぎず、信頼できる仲間を増やして頑張っていきましょう!
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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