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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

第148回 中国のGoToキャンペーンは成功しているのか?

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第148回 中国のGoToキャンペーンは成功しているのか?

こんにちは。中カツ!通信の野村です。

日本の皆様は4連休、どのように過ごされましたでしょうか?

「東京オリンピック開催予定日だったんだなぁ…」と、1月の頃には全く想像しなかった世界を生きていることに改めて気づきます。

2月に訪日インバウンド事業の日本の営業先に、

「(中国の)コロナは早急に収束しゴールデンウイークには正常化し、オリンピックとなれば東京に、たくさんの中国人旅行客が来ますよ!」

と、言えてたのが遠い昔のようです。

オリンピックが開催されていれば、

東京を中心とした会場以外の場所では、皆が屋内でTVに向かっているはずだった時に、

東京以外を対象に「外へ出よう!」というGo To Travelキャンペーンがなされているのも、なんとも苦々しさを感じますが…


気を取り直して、中国のGo To Travelキャンペーンについて紹介していきたいと思います。

まずは広島県の厳島神社に近いお薦めの宿を紹介していきたいと思います。

距離約17.0kmのリーガロイヤルホテル広島

広島駅からもタクシーで約10分、口コミ評価も高い宿です!

…苦々しさを、苦笑に少しやわらげたところで、ここからは中華人民共和国のGo To Travelキャンペーンに類似する事例を紹介していきます。

中国では5月ゴールデンウイークと6月末端午節に連休があり中カツ!通信でも旅行状況に少しふれました。

(5月ゴールデンウィーク)

第136回 5連休、上海の街に人は戻ったのか?

(6月端午節)

中カツ!通信 第144号 粽を食べて無病息災を祈る

文化和旅游部の公表した数字によると2020年の端午節の国内観光客数は延べ約4881万人、観光収入は約123億元(約1870億円)となり、前年比で客数がほぼ半減、収入は7割減という状況で、旅行業界はまだ苦しい状態が続いております。

そもそも中国で新コロナが全国的に影響しだした1月末は、まさに観光業が稼ぎ時の旧正月春節でした。

海外旅行のキャンセル、観光地のホテル、レストランのキャンセルなど一気に経営が悪化する旅行関連企業が相次ぎ、各地方政府から倒産させないため様々な救済策が打ち出されました。

従業員一人あたり800元(約12160円)を1回支給するという施策など企業の資金繰りを助けるものが多いです。ただしこの申請は2019年のリストラ率が5.5%を超えていない企業という条件が付きます。

就業機会の維持が政府にとっては大事な目標ですから、このような条件をつけるのも理解できます。

もちろん就業数と直接は関係ない救済策もあります。

広州市文化広电旅游局が5月20日に発表した《广州市文化广电旅游局关于对我市旅行社给予扶持补助的通知≫によると

各旅行社が5月31日以前にツアーを含むキャンセルされた旅行客の多いランキング50位までに100万元(約1520万円)~5万元(約76万円)を支給するというものです。

5位きざみで補助金の金額が、かなり変わるのが面白いですね。

損失額に対して何%、キャンセル客一人に対して何%という設定ではないのは救済策の予算絶対額が決まっているからなのでしょうか。

「あとキャンセル数が1人多ければ、45万元多くもらえたのに…」というキャンセル数の少なさを悔しがるという場面が起きないとよいのですが。

そして本当にこのランキングのトップランカーになるところで資本金が少ないところは既に申請する組織自体がなくなっていないか心配です。

このような企業救援策と同時に各地の地方政府では消費を促すための地域消費クーポンを発行しています。

蘇州では5月1日から3000軒以上のお店が参加する「苏州锦鲤」というキャンペーンが行われ地域の消費を促進するため旅行業に限らず多くの小売店のクーポンが配られました。

1元フラッシュセールのコーナーをのぞいてみると、数量限定の格安商品はすべて売り切れ

左上は脱毛、右下はシルクのマスクです。

店舗街(商店街)のコーナーをのぞいてみると、UFOキャッチャーの店舗まで参加しています。コロナの影響度合いはわかりませんが、分け隔てなく消費を刺激しようという地方政府の考え方は伝わってきます。


数量限定のフラッシュセールやクーポン券だけでなくキャンペーン参加店舗で100元消費するごとにくじ引きの権利がもらえます。

12月末まで毎週、毎月、年明けに豪華賞品が当たる抽選会があり、

・毎週の賞品には携帯の高級機種など

・毎月の賞品は週次は新エネルギー車など

・新年の目玉商品は、なんと

300万元(約4560万円)の湖が見えるマンションと20万元(約310万円)の高級車!

という大盤振る舞い。

100元ごとの消費でくじ引き券をもらえるという仕組みで、繰り返し来店させられるのがよいですね。

このようなキャンペーンが各地で行われていたものの、省(市)を超えた旅行(飛行機チケットやホテル)の販売業務が制限されていたため、「安・近・短」の消費需要の喚起にとどまっておりました。

上海でもJTB、HIS、旅悟空という普段はライバルの日系3社が共同の企画を行うという、映画の中でだけ存在する仲のよいジャイアン、スネ夫、のび太の関係が再現されたような強力タッグも、旅行プランは上海内に限定されておりました。


それが7月16日になって、ようやく現地政府の同意を経てという条件付きで、「省を跨いだ飛行機チケット+ホテルの販売業務を旅行社が再開する許可が下りました」

また観光地に対して制限していた最大入場量も30%から50%に引き上げられました。

北京、遼寧省など一部の都市以外では新規感染者が長くでていない中国においても、この時期まで国として旅行を制限していたということにも驚きですし、政府の「再発させない!」という意気込みの強さを感じます。

省を跨いだ旅行の再開を待望していた各航空会社も、ここぞとばかりに次々と促進施策を打ち出してきます。

多くの航空会社が

「乗り放題チケット」

の販売を始めます。

大手航空会社でありJALとも共同運航便のある東方航空では2020年12月31日までの

週末限定の国内乗り放題チケットを3322元

で売り出しあっという間に完売しました。

国内旅行といっても中国は広いですから3時間以上のフライトが必要な都市も多くあります。

例えば中国のハワイと言われている三亜へ上海から往復一回で4110元ですから、乗り放題チケットの3322元は、すぐに元が取れそうに見えます。

もちろん航空会社としてもビジネスですので、いろいろと考えており

・燃料チャージなどは別料金

・エコノミーの席が空いているときのみ予約可能

・予約は5日前、変更は4日前まで、ただし期間中にキャンセルや3回の変更を超えた時点で乗り放題資格が消滅

上記のような使用制限がついております。

先にまとまった現金収入が入ってくるのでキャッシュフローとして助かるだけでなく、利用者数が増えすぎて通常運航の売上を邪魔しないようになっているんですね。

また実際にSNSで購入して使用した人の口コミを見ていると、

・OTAサイトではチケットがまだ余っているのに、乗り放題の申し込みをアプリで使用とすると席が売切れになっている。

・予約したフライトが遅延して翌日になったが、キャンセルしないために一日で飛行機で往復せざるえず空港にしか滞在できなかった。

・行きのフライトが欠航になったが、帰りのチケットは欠航にならなかったのでしかたなく他の飛行機会社のチケットを買って帰りのチケットを使いに行った。

など時間が限られているサラーリマンが、トランク1つで週末の浪漫飛行を享受するのは簡単ではなさそうです。

春秋航空は台湾、香港も含まれており週末制限もないので更によさそうですが、乗り放題チケットが使える席数が限られているのと、もともとセールの時は格安チケットがでますので、衝動的に買ってしまってから旅行計画を考えると現実的には応援消費になってしまう可能性がありますね。

何回乗れるのか以外にも考慮すべきところがあります。日本人が通う学校では、6月時点で上海市外にでたら生徒は14日間は隔離(通学できない)という独自ルールを設定しているところもあり家族で一緒に旅行に出かけにくい状況があります。

また自分が先週訪れた場所で万が一、クラスター感染が発生したとなれば自身も隔離対象になってしまうリスクもあります。

値段だけで旅行市場の需要を刺激しにくいのが、今回の新コロナ対策の難しいところです。

とはいえ移動(旅行)に対するリスクより好奇心が勝ったからこそ、今の人類が世界中で繁栄したわけですので、移動の需要がなくなることはありません。

心おきなく旅行を楽しめるようになるのには、新コロナの医学的対策とともに、リスクの捉え方のバランスが調整される時間が必要そうですね。

あなたは、どこに行ってみたいですか?

私はオリンピックが開催されているときに東京に行きたいです!

「2020年の夏、東京オリンピックはカゲロウのように幻になりかけていた…。

 伝説のオリンピックと語り継がれることを予想していた人は、お湯を飲めば新コロナが治ると信じている人よりも少なかった。

 奇跡が起こり始めたのは、そんな頃だった 」

(音楽:風の中のスバル~砂の中の銀河~)

というプロジェクトXのような番組がいくつも飛行機のビデオプログラムで数年先まで観続けられるような未来がきますように!

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

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