中カツ!通信 第181号 水商売でアジア1位の富豪に
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こんにちは中カツ!通信の野村です。
前回の
中カツ!通信 第180号 ネット観賞が人気職業になる日は来るのか?記事を読むだけでお金がもらえる有名アプリ
をお読み頂いた方から「中国の小学生のあこがれの職業は?」という質問がありました。
残念ながら該当するデータを見つけられなかったのですが、
以前2019年11月の
第110回 お金持ちの気持ちが理解できるゲーム。馬雲のお金を使い尽くせ!
http://chuukatsu.blog.shinobi.jp/chineselife/2019richman2
で紹介した会話のやり取りを思い出しました。
先日の電車の中での風景
大人:「大きくなったら何になりたい?」
子供:「とりあえず金持ちになってから、やりたいことする」
大人:「頑張って…(苦笑)」
ということで最近の憧れの?金持ち事情を調べてみたところ2021年1月15日時点での世界富豪ランキングが胡润百富から発表されておりました。
https://www.hurun.net/en-us/rank/hsrankdetails?num=IH8GTUI9
1位からイーロン・マスク、ジェフ・ベソスと6位のバフェットまで有名どころが続きます。でも7位でランキングしているZhong Shanshanって誰でしょうか?
そうです!この人こそ水商売で世界富豪ランキング7位、アジアで第一の富豪に輝いた鐘睒睒です!
中国のなかではテンセントとアリババのダブル“馬さん”を抑えて堂々の1位!
5500億人民元の資産というと3月12日のレートで換算すると約9.2兆円。
ちなみにユニクロの柳井さんは65位に2.72兆円(250億米ドル)でランキングされています。
2位以下がテンセント、拼多多(Pinduoduo)、アリババ、バイトダンスと名だたるネットビジネスがならぶなか1位になった鐘睒睒のビジネスはというと
「おみず」です。
中国ボトルウオーターメーカー最大手の「農夫山泉(Nongfu Spring)」の創始者が鐘睒睒なのです。
2000年以降に中国に行かれたことがあるかたなら、このボトルは見かけたことがあると思います。
最大手ですから近くのスーパーでも様々な大きさの農夫山泉が所狭しと並んでおります。
この農夫山泉ですが、創業は1996年とアリババの1999年とほとんど変わりません。
記者を経て、健康食品の製造販売をしていた鐘睒睒はアリババと同じく浙江省に農夫山泉を起業しました。
有名観光地でもある浙江省の千島湖の良質な水源を活用し天然水を差別化に水商売を拡大させていきます。
「農夫山泉の水はちょっと甘い」
「北京オリンピック招致に寄付します」
など印象的なキャッチコピーと直売にこだわらない販売方式で全国でシェアを拡大していきます。
そして水商売につきものなのはフルーツということで、ジュースの販売を2003年に開始していきます。
公式HPの年表によると
「全世界で初となる果粒いりフルーツ飲料」と書かれています。
https://www.nongfuspring.com/aboutus/develophistory.html
あれっ?
つぶつぶオレンジは1980年代には発売されていたのにカウントされていないんですかね…
全国展開が進むにつれて、資源の確保と物流費の低減(コストのうち輸送料が占めるわりあいが大きいので)の目的で中国各地の水源を開発していきます。
このように良質な水源を確保しながら商品ラインナップも増やしていき今ではフルーツジュースの他にも
ビタミン飲料
コーヒーも販売しており総合飲料メーカーとなっております。
そういえば私のコーヒーの先生も、コーヒーを淹れる時は農夫山泉の下図の赤ちゃん用の水を使っています。
中国の水は一般的に硬水なのに対して農夫山泉の水は軟水です。上記の赤ちゃん用はTDS(不純物濃度)が通常の物より更に低くより柔らかいんですね。
軟水はまろやかで甘味がありますのでコーヒーを入れた時も酸味、甘味が引き立ち美味しいコーヒーになります。
今では飲料だけでなく果物、植物性由来のヨーグルト
そして米まで販売をしております。
良質な水、米ときたら将来的には日本酒の生産も始めるかもしれません。
確かに成功している飲料メーカーではあるものの、鐘睒睒が今年の富豪ランキングでアジア1位になるほどの躍進をした理由はなんだったのでしょうか?
実は農夫山泉は2020年9月8日に香港で上場したのです。
上場初日は発行価格から85%以上高い値で取引をされるほどの人気で、約84%もの株式を保有している鐘睒睒の資産価値も一気に跳ね上がりました。
さらに鐘睒睒は農夫山泉 以外にも体外診断試薬等の販売、ワクチン研究をしている万泰生物という上場会社の大株主でもあります。
このような背景があって2021年1月15日時点ではアジアで一番の大富豪になったのですね。
今では全国に水源と物流網をもつ農夫山泉、やはり水商売だけに?商品の粗利率は約60%と非常に高くなっています。
こういった背景もあって高値の株価がついたのですね。
上場以降も順調に値を上げていき農夫山泉の株価は富豪ランキングの基準日である2021年1月15日には58.35香港ドルをつけています。
ただ2月17日以降は株価が下がり始めて直近の3月12日には43.30香港ドルまで落ちてしまいました。基準日から比べると約26%の下落
そうなると鐘睒睒の合計資産額も下がってきてしまいます…
そう今では鐘睒睒は2位に落ちて、テンセントの馬化騰にアジア富豪ランキング首位の座を譲ってしまったのです。
鐘睒睒がアジア第一の富豪だった日数は68日間とのこと、やはり商品だけでなく自社の株価も水物だったと…
とはいえ人間に欠かせない飲み水という資源を抑えているので、ネット企業のようにこれまでの積み重ねが水の泡になることはないと思います。
Wikipediaによると
水商売(みずしょうばい)とは、先の見通しが立ちにくく、世間の人気や嗜好に大きく依存し、収入が不確定な業種や職業、およびそうしたものに従事する人を指す日本の俗語である。なお、日雇い労働者、農家、漁師など、人気や嗜好以外の要因で収入が安定しない職や働き方を含まない。
とのことです。変化の大きい今の世の中で、多くの業種が水商売のカテゴリーにあてはまってしまいそうです(笑)
農夫山泉が株式公開のキャッシュで水を得た魚のように、どう発展していくのか楽しみですね!
今回も最後までお読み頂きありがとうございます。
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