中カツ!通信 208回 結婚は3元のボトルから始まるか?
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中カツ!通信 208回 結婚は3元のボトルから始まるか?
こんにちは、中カツ!通信の野村です。
妻方の親戚の男性が今年結婚するとの知らせが来ました。
結婚の必需品である新しく購入したマンションの内装も無事に終わって、お披露目会もあるので、どちらも参加してほしいとのこと。
以前から中カツ!通信をご覧頂いている方は、覚えているかもしれません、新居のお披露目会といっても妻方の家系は、儀式的なものもあるので遠くても親戚は参加するのが習わしなのです。コロナもあって現場に行けるかは微妙ですが、ライブで見てみたいですね…
以前に子供の数は減っているという記事を書いたことがあります。
中カツ!通信 第190号 10年ぶりの国勢調査から見えてくる中国の未來
それでは、結婚する人の数はどうなっているのでしょうか?
2013年の1347万組をピークに2020年は813万組と、だいぶ減ってきております。コロナの影響もあったとはいえ、減少傾向自体は間違いなさそうです。
この記事の中でも書いたように、
中カツ!通信 第190号 10年ぶりの国勢調査から見えてくる中国の未來
教育費などの負担が高く、子供を産まない、生んでも1人までというのは理解できるのですが、結婚する人が減っているのには、どのような原因があるのでしょうか?
https://www.zhihu.com/question/284528244
現代社会で見られる傾向:増々、多くの若者が結婚したくないのはなぜか?
という知乎の書き込みを見ていると、いくつかの共通点がでてきます。
1、ふさわしい相手を見つけるのが難しい。
2、結婚にかかる費用(新居、車、結納金)が高すぎる。(男性)
3、養育費が高く、自分の生活の質を落とさなければいけない。
4、経済的に幸せにする自信がない。(男性)
5、二人とも仕事をしていると家事分担など口喧嘩の種が尽きない。
3、については結婚したら子供を産むというのが前提の考えですので生まなければいいですよね。
2、については結婚するには男性側が「新居、車、結納金」を準備しなければいけないという風習が残っているため若くして結婚するハードルを上げています。
この結納金について、ネット上に各地方の相場表が載っていました。
もちろん、ただの目安なので必ずこの金額を男性側が準備するというわけではありません。上海の20万元だと約340万円です。日本の相場はネット上では100万円らしいので、給与水準を考慮すると中国の結納金は高いです…
この結納金の高さについては政府としても問題視しており、
昨年2020年には民生部から
《关于开展婚俗改革试点工作的指导意见》
(結婚の風習改革実験業務の指導意見)
にて、高額な結納金や結婚披露宴での低俗などんちゃん騒ぎは改革していこうという発表がなされています。
では今後、結納金や住居がなきゃダメという意識が変われば結婚する数は増えていくのでしょうか?
それは結婚に何を求めているかによると思います。
まだ労働の多くが体力に頼っていた時代、家計を男性に頼っていた時代であれば結婚は経済的安定を得るための手段の一つであったでしょう。
実際に街中の結婚相談所の結婚相手募集の張り紙を見ていると、
給与、持ち家状況という情報は必須記入項目です。
メルボルンの大学を卒業した29歳、身長は172㎝
民間企業の管理職で年収は300万元(約5100万円)、
婚房(結婚後の住居)状況は176㎡の夫婦専用の家
求める条件は、「可愛くて、分別がある。仕事が忙しい職業の人はダメ」
「サクラではないの?」と疑ってしまうような好条件ですが、経済的な目的であったら、とっくに結婚できていそうなものです。
ただ実際、現在は女性が活躍し、男性より稼ぐ女性も珍しくない時代ですし金持ちと結婚しないと「餓死してしまう」という状況でもありません。
最大の楽しみはゲームだという若者が増えていますし、幸せの形も人それぞれで経済力と正比例はしないと思います。
なので
4、経済的に幸せにする自信がない。(男性)
というのも徐々に結婚しない理由の中で重要でなくなっていくのではないでしょうか。
そうすると残っているのは、
1、ふさわしい相手を見つけるのが難しい。
5、二人とも仕事をしていると家事分担など口喧嘩の種が尽きない。
の2つです。
5は別に結婚しようがしまいが、あまり関係ないですかね…
口喧嘩が絶えない人は結婚していなくても、親、友人、同僚と家事分担以外の種で口論しますので。
1、ふさわしい相手を見つけるのが難しい。
については、
「忙しくて出会いの時間がない」
「今の相手がベストなのかわからないので結婚を躊躇する」
というような書き込みが複数見られました。
そんな中、最近、注目を集めている成都で独り身の若者向けのサービスがあります。
その名も、「脱独カプセル」(脱独り身)
年代(80后、90后)や趣味などで区分された棚にならぶカラフルなボトル。
3元を払うとボトルの中に入っている相手の情報が見れます。その中には名前やWechatの連絡先が入っていて後は自分で連絡をとるというもの。
買う人だけでなく情報を書く人も29.9元をはらって棚に並べるのだそうです。
この凄いアナログなマッチングサービスですが、開店1か月の時点ですでに1000人以上が書き込んでボトルにいれて、実際には5組のカップル(成立は6組だけど、現時点では分かれた)ができているとのこと。
マッチングアプリなどAIの正確な予測よりも、アナログの「運命の出会い」を感じられるこの行為に、盲盒(ガチャガチャ)と同じようなドキドキ感があるのかもしれないですね。
心理学の有名な吊り橋実験で、怖いドキドキも、恋のドキドキと勘違いしてしまうことが事例としてあるように、
「私はこんな棚の多くのボトルから運命的に選んだ(選ばれた)!」
というのが視覚的にわかりますので。
少し気になったのは情報提供する側が29.9元で買う側が3元という値段のアンバランス感。多分、ボトルの内容を見たら、また棚に戻す仕組みなんですかね?
そうすると次に3元払った人からも連絡が来て、どっちともデートしてと目移りしちゃいますよね…
それともカップルが成立したら別途お金を払って撤去できるのでしょうか?
そうでないと付き合っていても3元払って情報を買った方は、安心できません(笑)
以前のお見合いが主体だった時代には、ふさわしい相手を選ぶ権利なんてなかったのが、自主的に選べるようになると、それはそれでアレコレ考えて選べなくなってしまう。
「結婚はしなければいけないものだ」
という社会通念が徐々に薄れていくなか若者の結婚数を増加させるのに必要なのは、経済的なハードルの引き下げと、「運命かも?!」と勘違いさせる出会いの場を増やすことなのかもしれないですね(笑)
ただ、昨今は結婚数が下がっているだけでなく、離婚率も上がっていますので「勘違い」を「受け入れられる現実」に変えていくためには結婚後も夫婦双方の努力が必要ですね。
中国では21日(日)から23日(火)まで3連休です。
しっかりと家事をして、明日、明後日は口喧嘩のない結婚生活を送りたいと思います!
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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