中カツ!通信 209回 草食系の弱肉強食の争い。植物肉は中国で流行るか?
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中カツ!通信 209回 草食系の弱肉強食の争い。植物肉は中国で流行るか?
こんにちは、中カツ!通信の野村です。
草食系、肉食系?
9月末は異動の季節。送別会に参加すると、いつも暴飲暴食系です。
「植物肉」
この一年、この言葉を上海の街角でも見かけることが、とても多くなりました。
マクドナルドのモーニングセット
ラッキンコーヒーのサンドウィッチのハム
ファミリーマートでは「植物市場」というキャンペーンで
お弁当のお肉から、肉まんの餡にまで植物肉の商品が並んでいます。
中国の植物肉マーケットは2019年で5年前の2倍にあたる70億元(約1190億円)に達し、2025年には倍以上の150億元(約2350億円)に達すると予想されています。
こんなビジネスチャンスを企業が見逃すわけありません。
ファミリーマートやラッキンコーヒーとのキャンペーンをしている星期零(starfield)は2017年に深センで設立された会社で、
2020年に公表した情報によると3回で数十億円の資金調達を行っています。
星期零に限らず植物肉のスタートアップは決して草食系ではなく貪欲に融資を集めています。
アメリカのBeyond Meatの上場で、14億人の胃袋を抱える中国市場を攻略できれば中国スタートアップからも上場企業が出るのではと期待されています。
また中国は市場としてだけでなく、生産地としても非常に大事な役割をもっています。
山東省にある双塔食品はハルサメ(粉丝)で有名な企業でHPのトップにも
世界ハルサメ業界のナビゲーターと書かれています。
http://ja.shuangtafood.com/
この双塔食品はエンドウ豆から作られるタンパク質の製造では業界最大規模で生産能力は世界シェアの約30%~40%を占めるといわれています。
上場したBeyond Meatや中国の植物肉メーカーである珍肉の直接サプライヤーである上に、KFCの間接サプライヤーでもあります。売上高、利益とも大きく伸ばしており今後も世界の大手食品企業への商品提供を強化しようとしております。
このように市場としても、生産地としても期待が集まる中国ですが、実は中国は植物による「肉もどき」って以前から親しみがあるものなんです。
日本では豆腐で作った「がんもどき」や精進料理が有名ですよね。
中国では「素」と書いてあれば肉が入ってないという意味になりベジタリアンは素食主義者なんて表現します。
でも、その素肉(肉もどき)は質素どころか、豪華なレパートリーがありベジタリアン料理で有名な功德林のメニューなんて一見したらお肉だらけです。
こういったきちんとしたレストランだけでなく、おつまみになりそうなも肉もどきが街中にあふれています。
この肉の串焼きも下に大豆たんぱく類製品と書いてありますよね。
ローソンのソーセージのようなものも肉ではありません。
地場の食料品店では、この様々な種類の肉もどきだけで、これだけの商品数が並べられていますので、どれだけ日常的に食べられているかが想像つくと思います。
別にベジタリアンが食べているわけでなく、この味や食感が好きとか、本物の肉に比べて安いという理由で食べている人が多いように感じます。
イメージとしては蟹の代用品として出てきたカニカマが、今はカニカマ自体もファンを獲得しているという感覚に近いかもしれませんね。
私も、この伝統的な肉もどきは何度も食べたことあるものの現在、注目を集めている植物肉というものは、まだ食べたことがありません。
せっかくの機会なので体験してみようとファミリーマートに行ってみると植物肉の商品は売り切れ
店員さんに聞いたら、
「そもそも、仕入れを少なめにしている」
とのことで、超人気というわけでもなさそうです。
「弁当はないけど、あっちの棚に日本の植物肉みたいな商品があるよ」
と紹介されたのは、吉野物語
日本語では豆腐スティックと書かれており、下に中国語で
「鶏胸豆腐棒」(麻婆豆腐味)
と書かれています。
麻婆豆腐味にした、鶏むね肉もどきの、豆腐スティックって、なんだかややこしいですね(笑)
上海でも筋トレをする人が増えて、たんぱく質をとれるサラダチキン(むね肉)は、コンビニやスーパーでよく見かけるようになりました。
この豆腐スティックの横には、同じく吉野物語の串にささったソーセージのような商品があります。こちらの方が見た目は肉に近いなぁと思い手に取ってみると
成分表にはしっかりと「鶏肉、豚肉」とかかれており、思いっきり肉のソーセージでした(笑)
奈良吉野の静けさがただよう山奥で清流を使って仏僧が丹精込めて作る精進料理のような物語を勝手に想像していた自分が恥ずかしくなります。
先ほどの星期零は植物肉の社会的貢献が期待される、
「健康的な生活、環境にやさしい持続的な未来」
というブランドメッセージを掲げていますが、この中国企業が考える「吉野物語」は、麻婆豆腐くらいピリピリしているのか聞いてみたいものです…
中国では、肉もどき自体は普及しているものの、そこに欧米先進国のような
「健康的、環境にやさしい」
という意識で消費してきたわけでなく、
「添加物たっぷりで健康には微妙そうだけど、肉より安いよね!」
だったので、現状の肉よりも高い、より本物の肉に味や食感が近い植物肉は、あまりヒット商品が出ていないというのが現状です。
これから大量生産でコストが下がり、肉よりも「安くて、おいしくて、健康的」となれば一気に広がっていくのではないでしょうか。
その時には双塔食品も春雨でなく植物肉がブランドの一押しになっているはず!
更に利益があがっているはずですから、このHPの日本語もどきの品質もあがっていることでしょう(笑)
本日も最後まで、お読み頂きありがとうございます。
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