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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴20年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信378回 「ちょっと触ってみて」で、金払わせるハラハラが急増中?!

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こんにちは日中友好促進を目指す

中カツ!通信の野村です。

10月に1か月間帰国していた際に

東京の方が上海より進んでいるなぁと

思う「ハラ」が2つありました。

 

中カツ!通信368回 東京で発見!上海を超えた『上海』

 

一つ目は「〇〇ハラ」といった

ハラスメントの意識。

 

「セクハラ」

「パワハラ」

「アルハラ」

 

くらいまでは分かっていても

 

「テクハラ」とか

「パタハラ」とか

 

聞いた時は何の略語か見当もつきません。

 

「テクハラ」はテクノロジーハラスメント、

「パタハラ」はパタニティハラスメントの略で

父親である男性社員が育児休暇や時短勤務を

取得することに対するハラスメントだそうです。

 

私のように鈍感な人だと、

無意識のうちに何かのハラスメントを

してしまわないかハラハラです。

 

もう一つは「触れずにハラえる」タッチ決済。

 

レジでSUICAなどをはじめ、

カードやオサイフ携帯を近づけるだけで

支払いができるのは、

 

QRコードを出したり、スキャンしたりするより

圧倒的に便利だと感じました。

 

上海でも地下鉄ではiphoneをタッチするだけで

改札を通れるなどタッチ決済はあるものの、

 

街中の小売店や飲食店では、

QRコード提示をして読み込んでもらうか

QRコードをスキャンする方法しか

ありませんでした。

 

現金やカードを持ち歩くことに

比べれば便利なものの、

 

スマホを取り出して、

アプリを開いたあとに

QRコード対応するなど、

 

最低でも3動作は必要だったので、

日本でiphoneをレジの端末に近づける

動作一つで完成するのに慣れしまうと

上海に戻った後にもどかしく感じました。

 

ところが上海に戻ってみると、

こんなものが普及していました。

 

アリペイ(支付宝)が提供する

タッチ決済端末でサービス名は

 

「碰一下」

 

「碰」は、ぶつかる、出くわすの他に

タッチ決済にふさわしい、

「触れる(軽く)」という意味があります。

 

動詞の後の「一下」は

「ちょっと」「試しに」という意味なので

 

「ちょっと触ってみて」

 

とも訳せますね!

 

使い方は簡単!

買いたいものを持っていくと

店員さんがレジで金額を打ち込みます。

 

その後に、

スマホを右の黒い円形の部分に近づけると

下記のようにアリペイのメッセージが

自動で立ち上がります。

 

右下の「打开」(ひらく)という青丸の部分を押すだけ。

アプリ内で支払い完了のメッセージが表示されます。

それまでのスマホの中からアプリを開いて、

メニューからQRコード対応という

2つのステップが、ボタン1つで完成するので

かなり楽に感じます。

 

この端末が、ファミリーマートなどのコンビニやスーパー

MANNER COFFEEといったカフェチェーンまで

導入されていました。

 

チェーン店だけではありません。

 

町の食堂的な個人の飲食店でも、

多く見かけるようになりました。

 

こういった小さい店舗では、

上記の写真の端末タイプのものだけでなく

シールのように壁や机に貼り付ける

平面のタイプもあります。

 

 

この場合は、アプリが立ちあがった後に、

自分で金額を入力する必要もあるのでひと手間増えます。

 

ただ、今までもスキャンタイプは

金額を入力していたので、

やはりここでも一操作分だけ少ないです。

 

この支付宝(アリペイ)のタッチ決済サービス、

晚点LatePostの情報によると
7月8日に開始してから5か月ほどで、
50以上の都市に100万台以上の端末を設置。
 

確かに便利とはいえ、

ここまで一気に普及させられるのって

スゴイですよね!

 

この急速な普及の裏には

顧客体験の向上以外の理由が

しっかりとあります。

 

まず、アリペイとしては

1,000人規模のチームを編成。
また代理店(個人も可能)を募集し、
一店舗導入するごとの報奨金や
取引額に応じて決済金額の一部が
店舗開拓者に支払われるという
報奨金の設定をしました。
 
ネット上には、
1店舗100元の開拓報奨金で
1日で1000元稼いだなんていう
投稿も見かけました。
 

お店側にとってもメリットがあります。

 

無料で端末やステッカーを受け取り、
キャンペーン期間中には、
決済額に応じて報奨金をもらえます。
 
なのでお店側としても
消費者に使ってもらえるように
積極的に声掛けしてくるんですね。
 
もちろん消費者側にもメリットがあります。
現在12月22日時点で、
毎回使うごとに割引がされます。
 
私自身の経験だと、
0.13元から0.25元と少額なものの
割引してもらって悪い気はしません。
 
それだけではありません。
週末は最大20元まで買ったものが
抽選で無料キャンペーンがありました。
 
どうせ当たらないと思ってたら
2週連続で無料になりました(10元だけど…)
更に毎回使うごとに、
西遊記にちなんだカードがもらえます。
 
悟空、猪八戒、沙悟浄、玄奘、
そして白龍(玄奘の馬)という
5種類のカードがあります。
 
4種類は、そこそこ出現するものの
一番、重要でなさそうな
白龍だけは出てきません(笑)
集まった種類数に応じて商品と交換でき
江蘇テレビの年越しライブチケットや、
マカオのホテル2泊3日宿泊券が当たる
チャンスもあります。
 
 
全部そろわなくても、
現金券と交換できるとのことで
試してみると30枚(30回の消費)で
7.3元をゲット!
 
50元以上の消費でないと使えないなどの
最低消費金額制限もなく
7.9元の消費でも、7.3元割引されてました。
しかも0.6元しか支払ってないのに
また猪八戒のカードまでついてきました。

 

カードを集めたくなったら、

近くで「碰一下」が導入されている店も

調べることができるため、

お店にとっては顧客の誘導にもなりますね

 

「白龍が出ました!」なんて

宝くじ売り場みたいな告知したら

集客効果ありそうです(笑)

 

 

アリペイが、

ここまでの投資をするのは、

現在のWechat Payとの圧倒的な

オフライン決済の差を

何とかしたいという思いもあるでしょう。

 

アリペイとWeChat payの

オフライン決済件数の比率は

「1:9」とも言われます。

 

もともとECの決済手段として

スタートしたアリペイと

 

友人や家族間で

红包を送りあうなどの

ソーシャルな手段から普及させた

Wechat payでは使用頻度が使います。

 

 

中カツ!通信370回 もう始まった?!中国ECのお祭り双11(ダブルイレブン)

 

アリババはダブルイレブン前の9月末に、
ライバル企業であるWechat payも
自社EC内で使えるようにしました。

 

JPモルガンのレポートによると、

この改変によりタオバオに20~30%の

ユーザー増加可能性があると発表。

 

このようにWechat Payから

自社の得意なECへ引き込みをはかりつつも

オフラインでも反撃をしたいというのが

今回の大型キャンペーンの背景にあるんでしょうね。

 

Wechat側もECという

アリババの本丸を攻め込むために

红包だけでなく友人や知人に

プレゼント贈れる機能をテスト中です。

 

贈り手は受取人の住所を知っている必要はなく、
受取人が贈り物のリンクをもらった後に
自分で住所を記入します。
 
一度に一人の友人に対して、一つしか贈れず
受取った方はリンクを他の友人に
転贈することはできません。
 
微信の红包と同じように
24時間を超えて受け取らなかった場合、
注文は自動的にキャンセルされ、
贈り手に返金されるそうです。
 
特に上司や目上の人などに、
現金红包を贈るのは気が引けるけど、
プレゼントだったら贈りたいという
需要はあると思います。
 
そして上司や客先はの中には
住所を知られたくない方もいます。
 
サービス開始が春節前に間に合えば、
Wechatだけでなく、贈答市場に
とっても追い風になりそうです。

 

このようにお金を使うことは、

ドンドン便利になっていきます。

 

オンライン決済の特徴として

現金のような重さ、枚数という体感が無く

ついつい使いすぎる傾向にあります。

 

クレジットカードど紐づけていれば

一時的には自身の現金額以上に

使ってしまうことも。

 

払いやすくなりすぎた結果、

翌月クレジットカード請求額を見た時に

嫌な気持ちにさせる

 

「ハラハラ」(払い過ぎハラスメント)

 

は決済手段提供会社にも

責任があると思います。

 

年末、新年とお金を使うことが

増える季節です。

 

クレジットカードも持っていなく

 

「財布の中の現金足りるか?

 ATMに行かなくても大丈夫か?」

 

なんてドキドキ「ハラハラ」しながら

飲みに行ったり、買い物に出かけたときの

感覚を思い出しながら、

「ハラハラ」の被害者にならないよう

気を付けましょう!

 

ちなみに、Wechat内では

中カツ!通信の投げ銭も簡単にできます!

(下のボタンを押すと金額が表示される)

「ハラハラ」が足りない人は

ぜひ「投げ銭一下」してみてくださいね(笑)

今回も、最後までお読み頂きありがとうございます。
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