中カツ!通信 第228号 北京オリンピックでわかる虎の威とパンダの衣
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こんにちは。中カツ!通信の野村です。
新年好!虎虎生威!
ということで、旧正月でも虎年が始まりました!
大晦日にあたる1月31日の夜は友人と自宅で春晩(紅白みたいな番組)を観ながら食事をし、飲みすぎて途中で寝るという、いつもながらの年越しでした。
正月初日は、せっかくなので上海の有名な観光地である南京東路の歩行者天国に行ってみます。
予想通りの大混雑。
まさにヒト、ヒト、トラ、ヒト!
ガンダムも虎年バージョンでお出迎え。
盾の模様が中国結びになっているところをみると中華圏向けの特別デザインなんでしょうね。
ガンダムだけではありません。
串焼きのテイクアウト店の行列にはタイガーペアルックのカップルも。
やっぱり肉食なんですね。
阪神タイガースの帽子をかぶったオッサンがいても溶け込めそうな雰囲気です。
そして阪神タイガースが優勝した以上に世間から注目を浴びているのが、北京冬季オリンピック!
昨年の東京オリンピックと同様にコロナが続く中での開催となり、開幕式も一般客への開放なく行われました。
開幕式と言えば、東京オリンピックの時は、日本国内だけでなく世界で賛否両論が巻き起こったのも記憶に新しいですね…
中カツ!通信 第200号 開幕式は中国で、どう理解されたのか?
今回の開幕式について、日本のネットの反応を見ていると
「北京の演出技術レベルが高かった!」
「一貫性があって理解がしやすかった!」
など東京オリンピックと比較して評価する感想が多い中で、
「もっと中国の国威発揚的な内容だと思ったらあっさりしていた」
という書き込みもチラホラと。
今回の開幕式の演出総監督は、2008年夏の北京オリンピックと同じく張芸謀監督。
当然、相当な期待が集まる中で、事前に
点火有望成为最大亮点,“百年奥运史上还没有出现过”
(聖火の)点火が一番の見どころになるはず、”100年のオリンピック史上でいまだ、みたことないもの”
なんて、更に期待を上げてくるものですから、私自身もどうなるのか固唾を飲んで見守っていました。
結果としては、最後の聖火ランナーが持っていたトーチが、各国の名前が記されている雪の結晶のオブジェに備え付けられて、それがそのまま聖火台になるという演出でした。
正直、生放送で見てた時は
「ここからドローンで、どこかの聖火台に飛んで点火?」
「まさか、この雪の結晶自体に火がつくの??」
とか、ド派手な演出が起こるかと思っていたので観終わった時は、少しモヤモヤ感がありました…
翌朝、残るモヤモヤを解消しようと掲示板サイト「知乎」を開いてみるとピッタリの話題が上がっていました。
2022 年北京冬奥会开幕式有哪些值得关注的亮点?哪些节目给你留下了深刻印象?
2022年北京冬季オリンピック開幕式の見どころは?あなたに深い印象を与えた場面は?
そしてトップに上がっていた回答を見て、とても驚きました!
内容ではなく、回答者にです。
https://www.zhihu.com/question/514745943/answer/2335075168
なんと総監督をした張芸謀監督自身が答えているじゃないですか!
前半の気になったところを抄訳すると
開幕式を一言で表すと
「世界のさまざまな雪が北京に集まり、人類共通の雪となる」
このアイデアは、2年以上前から温めていたものです。
雪の結晶は伏線のようなもので、どの場面をとっても、誰もが「美しい」「分かりやすい」と感じさせならが、ずっとそこにあった雪の結晶が最後は聖火のトーチが収まる雪の結晶になります。
聖火の点火と聖火台についての最大のイノベーションの1つとなるはずだと考えていました。
オリンピック100年の歴史で初めて、すべての参加国・地域の名前が記された聖火の点火になった。
聖火台は全世界からなるもので、火の大小は関係なく、私たちの心の火である。
中国の物語を語るだけではなく、「I」から「we」への飛躍を目指し、すべての人の物語を語っているのです。
北京冬季オリンピックの開幕式も、昔のように
「お家芸を披露しよう」
「自己アピールをしよう」
という気持ちが強くなくなった。
今回は「全世界の私たち」と声を大にして言っているのです。開幕式はもはや自己満足のためのものではなく、あなたや、みんなのものであり、そこには文化的な自信があるのです。
この後も、「なるほど~」と腑に落ちる解説が続きます。
点火の話も
「環境にやさしいエコの演出」
というだけでなく、大きく燃え盛る火の派手な演出をする必要がなくなるだけの自信がついたということなんですね。
でも、こんな解説をされると、次回の開幕式の監督はやりにくいだろうなぁ…
前回の北京オリンピックが行われた2008年。
その時は、まだGDPの世界第二位は日本でした。
そこから14年間で中国のGDPは日本の3倍以上になりました。
ついているのは文化的な自信だけではないでしょうね。
この張芸謀監督の回答の他にも、最初の開幕式の二十四節気をテーマにしたカウントダウン動画の責任者でもある李志偉監督のコメント
あの二十四節気のところに添えられていたコメントって有名な詩や諺から引用されていたんですね!
他にも花火の責任者の蔡灿煌総監
他にも音楽の担当者による曲リストなど掲示板の書き込みだけで、特集の雑誌が一冊できるような豪華な内容です。
開幕式が終わって間もない時間に質問も回答もアップされているので、もちろん事前の準備がされていたんでしょうけど、それにしても、こういう細かいところまでサービスというか演出が行き届いているって、改めて凄いなぁと感じました。
そして北京冬季オリンピックで、もう一つ注目を集めているのが冰墩墩(ビンドゥエンドゥエン)
日本の特派員記者がすっかりハマっているという情報が中国のSNSでもバズっています(笑)
この中国を代表するパンダのマスコット、外側のわらび餅ような透明の膜が気になりますよね?
パンダの色を奇麗に見せるためのシースルー?
それとも別の深い意味があるのかと思い調べてみると、ここにも文化との関係があることが分かってきました。
なんと、この冰墩墩(ビンドゥエンドゥエン)のモチーフはパンダと
冰糖葫芦(サンザシ飴)!
この北京を始め北方の冬の風物詩ともいえるお菓子からインスピレーションを受けて冰墩墩(ビンドゥエンドゥエン)がデザインされていたんですね。
以前は街中で、冰糖葫芦を指して自転車で売っているのが一般的だったのですが最近では上海のショッピングセンター内にもお店をチラホラ見かけます。
今ではサンザシの中に餡子を挟んだり、サンザシのかわりにイチゴで作ったものも売られています。
娘たちが、あまりにねだるので買ってあげた後に、この冰墩墩との関係性が分かり食べ終わる前に写真だけ撮らせてもらいました。(紙袋に入れるときにくっつかないようにオブラートでくるまれています)
そうして、この状態を見て、上海を代表する建物を思い出しました。
東方明珠塔ですね!
確かに、色もちょっと似てるかも。
ただ、さすがに糖葫芦からインスピレーションを受けてという証拠は見つかりませんでした…
開幕式当日の夜に、東方明珠塔が、なんとか見える場所へ移動してみると、糖葫芦の色は見えなかったものの、オリンピックの5色にライトアップされているのを見ることができました。
冬季オリンピックは始まったばかりですが、家族と過ごした楽しい7連休は間もなく閉幕です。
この休みの期間で、すっかり冰墩墩のように、更に丸みを増した顔やお腹を、オリンピック・パラリンピックが閉幕するまでには連休前までに戻せるよう頑張っていきたいと思います。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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