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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第272回 ピカソ、ゴッホを超えた?!AI絵画の実力とは

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こんにちは。中カツ!通信の野村です。

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ピカソ(Pablo Ruiz Picasso)、ゴッホ(Vincent Willem van Gog)といえば、誰もが知っている、20世紀を代表する画家ですね。
2015年には、「アルジェの女たち(バージョンO)」が当時のオークション史上最高額の約1億7900万USドルで落札されました。

ちなみに2022年12月時点でのオークション最高額は約4億5000万ドル。

ダ・ヴィンチ作の「サルバトール・ムンディ」

「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」というアート界の闇に切り込む映画でも取り上げられた有名な作品です。
そしてピカソが有名なのは、その作品の評価の高さだけでありません。
ギネスにものっているのは、その作品数の多さ。

完売画家という本も出している画家の中島健太は、その著書の中で
「早く多く描かなければ、勝負の舞台に上がれない」
と主張し、多い時で年間80点ほど描いていたそうです。4、5日に1点ですから速いスピードですよね。
そして、ピカソの作品数はというと。
約15万点!

生涯におよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作し、最も多作な美術家であると『ギネスブック』に記されています。
誰がどうやって数えたのかは疑問なものの、ギネスに認定されるくらいの作品数がこれだけ多いってことはピカソって質、量ともに最高レベルのArtistだったんですね!
このギネスブックを書き換える人は、もう出てこないのではないでしょうか?

ただ今の世界には人ならぬ、人工知能 AI(Artificial intelligence)があります。
世界で続々と出ているAI絵画ソフト。
中国でも多くのソフトが出ています。
中にはWechatのミニプログラムで無料で使えるものもあります。
早速試してみましょう。
使い方は、非常に簡単
  
渲染引擎で絵のタイプを「通用」「アニメ」「写実」等から選びます。
关键字设置でキーワードを自由に書き込みます。
艺术家で芸術家の作風を選びます。ピカソ、ゴッホ、モネなど特徴的な有名画家がならんでいます。
风格でスタイル選びます。油絵、鉛筆デッサンなどに交ざって、「君の名は」の新海誠なんていうものも

まずはWechatアカウントの名前でもある「中活通信」をアニメで画家やスタイルは指定せずに作成してみます。

待つこと10秒くらい下記の絵が出てきました。

???

まぁ、通信っていうキーワードが強く反映されているのは分かります。
このアングルとカットは「中が活躍している」イメージなのでしょうか?
もう少し、自分らしさを出すためにキーワードを増やしてみます。
「中カツ!通信」
「野村」
「日本人」

そして、今回はエンジンを写実に変えてみます。そうして、10秒後にできたのがこちら


素敵な不思議な絵が出来上がりました!

この日本の庭園にありそうな風景は「日本人」「村」あたりが色濃く反映されているように感じます。 
画面中央の水のオブジェも、よく分からないけど、いい感じですね!
次は「画家」や「スタイル」を試してみましょう。
・キーワード(材料)は「中カツ!通信」に「共同富裕」で
・スープはピカソとゴッホのブレンドで
・トッピングは「新海誠」

そうして10秒後にできた絵がこちら!
ゴッホの味が、強い気がしますが、よく見てみると
中々、多い通路と、格差なく同じ高さにならぶ建物が「中カツ!通信」と「共同富裕」という素材を表しているように感じます。

いびつな道の形は、多視点からのキュービズムっぽさ?があり、ピカソの隠し味を感じなくもありません。
トッピングの「新海誠」は、のせ忘れたか、AI店主が、味が分からない顧客に対する配慮から、わざと足さなかったのかもしれません(笑)
どちらにしても、キーワード設定から1分程度の時間で1枚の画像が完成するので、AIが描いた絵の方が人間の描いた絵の枚数を超えるのは時間の問題ですね。
もちろん、このAIによる絵画に問題がないわけではありません。
一つは著作権の問題。
AIは現在、出回っている大量の画像データを元にキーワードから画像を生成しているので、必ず参考にしている絵があります。
ある人が、AIソフトを使って製作した絵は、その人の作品といえるのか?
それともAIに著作権があるといえるのか?

米コロラド州の展覧会「Colorado State Fair」(CSF)の美術コンテストで、AIプログラムMidjourneyを使った作品が、新進デジタルアーティスト部門で1位をとりました。

中国の著作権法によると創作者は自然人であり、AI自体は創作活動を行えないので「AIソフトによる著作権は認められない」というのが現在の一般的な見方です。
一方で個人がAIソフトで製作した絵が売れたという事例もでてきていますので、今後は法律の整備が必要ですね。
また、これによって起こる問題とは、実際に0から自分の手で描く画家にとって収入が減る可能性が高いということ
挿絵をかくイラストレーターにとって、キーワードや短い文章で、あっという間に様々なスタイルの大量の作品を生み出すAIソフトは、明らかにライバルです。
自身の独特なスタイルが世間から認められている有名画家は別としても、一般的な画家にとっては、なかなか厳しい時代になると思います。
もちろんAIが脅かしているのは画家だけではありません。
同じようにAIが、音楽を作曲してくれるサービスもでてきております。
絵にしても、音楽にしても、作り手が少なかった時代は、お願いして創ってもらうものでした。
それが作品が増えていく中で、今ある作品の中から好きなものを選ぶことができるようになってきました。
これからは選ぶのではなく自分でAIを使いながら好きなものを作っていく時代になっていくのでしょう。
ただ、短時間で大量の作品がつくれるようになると、本当に自分が欲しいものを選ぶのにも時間がかかってしまいそうです。
そうなるとキーワードやスタイルを指定してAIが大量に作ったものを、自分の好みが分かるAIが取捨選択してから自分で楽しむなんていう地球上の、ほとんどの作品はAIが作って、AIが鑑賞しているなんていう時代がくるかも…

中カツ!通信も、今週のテーマを入力したら文章が自動作成されて、私は、その中から選んで、一部修正するだけになる日も近い?!

今回も最後まで、自筆の文書を、お読み頂きありがとうございます。

 

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