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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第199号 中国でも賛否両論。コロナでの東京オリンピック

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こんにちは、中カツ!通信の野村です。

とうとう7月23日から東京オリンピック、パラリンピックが始まりますね!

コロナの影響で2020年から1年延期され、開催も危ぶまれたものの東京でのオリンピックが実現すること自体は、良くも悪くも歴史と記憶に残るでしょう。

その一つが開催目前にも関わらず、いまだに開催賛成・反対の報道がされていること。

イプソスが28市場を対象に合計19,510人の成人に実施した調査結果では

https://www.ipsos.com/ja-jp/2020-summer-olympics-perceptions

28市場全体で賛成が43%、反対が57%という結果になりました。

そして日本の賛成割合は下から二番目で、たったの22%…

ちなみに中国は41%が賛成しており平均値に近いです。

賛成か反対かの以前の

「東京オリンピックに関心がありますか?」

という質問に対しての結果は、もっと衝撃的でした。

それぞれ関心があると答えた上位と下位の5位を並べると

日本は関心がないで3位…

ちなみに中国は関心があるで3位。

賛成反対どころか、そもそも関心がないなんて東京出身者としては、かなりショックな結果です。

現地東京にいないので肌感覚が分かりませんが、上海にいる私の周りより、日本の方が関心が低い可能性があるんですね…

中国でも賛否両論はあるものの、盛り上がってきているのを感じます。

ネットのトレンドワードにも「東京奥運(東京オリンピック)」がいくつもあがっていますし、検索大手の百度で「东京奥运」というキーワードを入れると特設サイトがでてきます。

百度らしくビッグデータの分析したものを

「ホットな話題」(下図の左側)

「注目の種目」(下図の右側)という項目があります。

图片

5位には「福原愛が卓球の解説員に」がランクイン!

彼女の中国での相変わらずの知名度の高さがわかります。

もちろん不倫や離婚の時も中国でもニュースになっていましたので、そういう状況下でオリンピックという公式な場での仕事があることもニュース性を高めています。

注目の種目も中国の人気スポーツである

「男子バスケ」(男子篮球)

「男子サッカー」(男子足球)

が上位にあり、その後は国技ともいえる

「卓球」(乒乓球)

そして、こちらも中国が強い

「バトミントン」(羽毛球)

と続きます。

中国でもオリンピック関係者内で新規感染者がでていることは報道されており、中国選手が感染してしまうのではないかという心配の声がでています。

先ほどの調査結果でもわかるように、現在の日本のような状態で感染者が増えるオリンピック自体を開催すべきでないという意見もあります。

その他にも、今回のコロナを理由にルールが改正されたことで中国選手に影響がでるのではという心配の声もあります。

特に注目を集めているのが、

国技卓球での

「テーブルに触ることやピンポン玉に息を吹きかけることを禁止する」

というルール。


中国卓球協会の劉国梁主席が、最後の強化合宿を終えたあとのインタビューで

「今回の五輪の準備は極めて難しい。例えば、新型コロナウイルスの影響で、卓球の試合中、選手は手で卓球台を触ったり、球に息を吹きかけたりすることが禁止されている。そのため、練習の際、プレッシャーや気を散らされやすい状況に耐えられるよう、選手を鍛えている」

と答えたところから、

「中国ではコロナがおさまっているから、そんなルール変更は不利に働く」

「コロナがおさまっていない国の選手は有利だ」

等の意見がネットに書き込まれました。

調べてみると、このルールは東京オリンピックのために最近できたものではなく、2020年の夏には国際卓球連盟から卓球国際試合でのコロナ防止対策として発表されていたものでした。

もちろん卓球強国の中国も、この決定過程には参与しているでしょうから、中国にとってだけ不利な条件を知らぬ間に押し付けられたという状況ではなさそうです。

やはりメダル獲得可能性が高い競技ですから、些細なことでも気になる人が多いのだと思います。

オリンピックというと自国の国威を発揚する、世界で一体感を感じるなどの効果が言われます。

でも、そもそもオリンピックは誰のモノなんでしょうかね?

日大体育大学のオリンピックスポーツ文化研究所のオリンピック基礎知識によると

”オリンピアはゼウス神の聖地であり、オリンピア競技はゼウス神に捧げる競技祭として始まったとされる。”


”1896年に復興させたクーベルタンはオリンピックは単なる「スポーツの祭典」ではなく、精神の発達を願う芸術祭も含めてのものだった。”

そして近代オリンピックの理念であり、哲学的原理であるオリンピズムについては

  1. オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化や教育と融合させるオリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などに基づいた生き方の創造である。

  2. オリンピズムの目標は、スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てることにある。その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。

(2011年版オリンピック憲章、日本オリンピック委員会)

とのこと。

コロナが世界人類に投げかけた課題は、生命の危険だけでなく、経済的な格差、情報の混乱、相互不信など、まさに人間社会の調和に対する挑戦だと思います。

そんな時だからこそ、肉体と意思と知性の資質を高めて融合させた人類代表とも言えるオリンピック出場選手のスポーツを見ることによって得られる気づきがあるんじゃないかと思います。

東京を中心とした多くの会場で無観客となってしまったのは残念なことです。

ただ、元々、オリンピックを観ているほとんどの人はテレビなど会場以外のところで触れて、感動してきたわけです。

7月23日からのオリンピック、パラリンピックで開催の賛否両論を超えた、心が動かされる人間ドラマを一緒にたのしみましょう!

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

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