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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

アリババ最高峰テクノロージーイベント雲栖会議 天猫未来店について

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アリババ最高峰テクノロージーイベント雲栖会議 天猫未来店について

皆さん、こんにちは。
前回までに引き続き
アリババ関連の話題です。

毎年一回、
アリババグループの拠点でもある
杭州市雲栖にて開かれる
テクノロジーイベントに
いってきました。

連日のアリババ幹部の講演は
その後のテクノロジーの
発展方向を理解するのに
欠かせないと多くの人が
注目しています。

4日間に渡る期間の
チケットは有料にも関わらず
なかなかの入手困難で
ジャック・マーが登壇する
初日チケットは早々に
売り切れになっておりました。


同時に近未来テクノロジーが
体験できる場として会場には、
新サービスがいくつも
ありました。

例えばケンタッキーの
AI体験コーナーでは
音声認識でオーダーができます。

 

コーラなど具体メニュー名が
直ぐに口から出てくる商品は
良いのですが、ハンバーガー等は
数ある中から商品名を
覚えていないと、
画面上で探して
ボタンを押すのと
あまり効率が変わらないかも
しれません。

「チキンバーガー」では
KFCのハンバーガーのほとんどが
候補として出てしまいますからね。

普段からKFCを利用し
具体商品名を覚えていないと
音声一発オーダーにはならないと。

お昼時はKFCに行列ができていましたが
ほとんどの人がタッチパネルで
音声認識なしで頼んでいる様子でした(笑)
 

自動の物流配送車なども見かけました。

そのように、いろいろある中でも
多くの人が並んでいたのが
「天猫未来店+」


 

顧客視点から簡単に説明すると
AmazonGoや
以前、中カツ!通信でも紹介した
Jian24と同様に顔認証をして
決済登録をしておけば
棚から取って、そのまま持ち去るだけで
会計が完了するというシステムです。

【以前の記事は下記のリンクで】
中国版Amazon Go カメラだらけのコンビニ 「簡24」①

中国版Amazon Go カメラだらけのコンビニ 「簡24」②


少し見にくいですが、天井にはカメラがびっしり
顧客と店員の一挙手一投足を監視しています。


Jian24との違いといえば、
店の真ん中にGuideがあり欲しいものが
どこの棚にあるかわかる機能がありました。

「これくらい、知っているし♪
 Jian24で体験済みですー」などと

周りの参観者を見ながら
少し優越感に浸っていたのですが

店舗の外にある管理システムについて
店舗責任者から説明を受けて
知ったかぶりをしていた自分が
とても恥ずかしくなりました。

小売として顧客体験(UX)を
改善するのは当然ですが
アリババグループは
小売主体である前に
プラットフォーマーです。

自グループでの店舗展開
だけでなく他の小売業者への
システム提供が念頭にあります。

店舗責任者の唐さんの言葉を
借りると

「店長不要計画!」

それでは具体的に
どのようにして店舗常駐の
店長を減らしていくのかを
見ていきましょう!

下記の画像は、
ダッシュボードの一つですが

左のヒートマップはお客様の滞留時間が
長いところを表示したもの。

右の漏斗は
・来店人数
・商品を手に取った人数
・会計までした人数

その下の数値は
・平均滞在時間
・平均客単価
・ガイドが使われた回数

・シフトイン人数

がリアルタイムで更新されていきます。

下記の写真の2つ目のダッシュボードには
 
現在の商品の在庫数と売れ行きが

リアルタイムで
表示されていきます。

3つ目のダッシュボードは、
現在の補充状況と顧客の
リアルタイムでの動きがわかります。


白い点と赤い点が

蛍のようにフラフラと
動き続けているのですが
・白い点は商品を手にしてない人
・赤い点は商品を持っている人

白い棚の部分は
商品補充がされている状態で
補充必要になると
赤く色が変わるとのことです。

欠品による機会損失を
防ぐためにリアルタイムでの
細かい商品補充を
するためのアシストが
可能となります。



そして4つ目のダッシュボードには
 
左側に3つのランキングがあります。

①手に取られていない商品TOP3
②手に取られたのに買われていない
 商品TOP3

③売れ残り商品TOP3

真ん中には、
リアルタイムの坪売上げ額等の
数値が昨日対比で表示されます。

右側の時計のようなものは
現在のタイムセール状況が
反映されます。

つまり売行きの悪い商品に
関してはタイムセールで
売上を伸ばそうという
PDCAが回せるわけですね!

タイムセール自体も
POPを新たに追加や
声掛けといったアナログではなく
システム上だけでリアルタイムに
販促を変えていけます。

下記の写真はナッツが
19.7元と表示されています。


そこから一つ手に取った瞬間に
デジタル表示がかわり
3個買うともう1個プレゼント
という表示がされます。


「1つでいいやぁ」と思ってた人も
3つ買えば1つおまけでついてくる
という情報があれば
「4日分買いだめするか!」という
判断になるかもしれません。

この3個かって
1個おまけという販促が
どれくらい成功するかも
リアルタイムで統計が
とれますので、
反応が悪ければ
「2個目は半額!」という
販促に即時変更することも可能です。

   

唐さんに思い切って

こんな質問をしてみました。

「AmazonGoや
 Jian24との違いは何ですか?」

その答えが
「感知・分析・発信まで
 できるのが天猫未来です」

「Jian24も感知(収集)した
 ビッグデータを分析は
 しているはず」

「ただ分析結果をメーカーに
 提供するだけでは
 商品開発には役立つかも
 知れないが小売業者に
 とっては売上に
 直ぐ結びつかない」

「分析→アクションが
 リアルタイムで行えてこそ
 小売業者にとっての
 本当にメリットになる。」

「だからこそ、感知(収集)した
 データを誰でもリアルタイムに
 発信(アクション)に結び
 つけられるよう分析の
 分かりやすい表示が必要である。」

「それはコンビにだけでなく
 アパレルや雑貨などの
 優秀な店長が必要とされる
 全ての小売に革命を起こせる」

「ベテランスーパー店長が
 現場で感じる流れを元に
 PDCAをまわしていたのが
 ベテラン店長が本部で
 遠隔で10店舗以上を
 管理することも可能になる」

「これが店長不要(正確には削減)
 に繋がると考えている」

販促も今は商品ごとの表示ですが
今後は顔認識に基づいて
過去の購買履歴や
その他のビッグデータが
連携されてオフラインでも
自分だけのために
カスタマイズされた
クーポンが提示される
可能性もありますね…

その時には既に店長自体も
AIに代替されているかも…

さすがアリババグループ
顔認証決済の無人コンビニ
と侮っていた私の想像を
遥かに超えておりました。

ちなみに私に刹那の優越感を
与えてくれた上海水城路の
無人コンビニJian24に
改めて比較しようと行ってみました。


 

なんか店舗の中、暗いなぁ・・・
と思ったら
 
商品もカメラも全て撤去され、
店員もお客も完全無人で
全く便利じゃない状態に
様変わりしておりました(笑)

今、話題となっている
サービスや企業も
5年といわず1年後の
存在すら誰も保証できません。

ただ中カツ!通信では
そんな中国の情報を
1年後も5年後も
発信していけるよう
今後とも皆様の応援を
ぜひお願いいたします!

本日も最後まで読んで頂き
ありがとうございます。

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