第126回 新型肺炎状況7 不自由なのは中国?それとも日本?
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第126回 新型肺炎状況7 不自由なのは中国?それとも日本?
みなさん、こんにちは。
4年に1度の2月29日も過ぎましたがSARSから16年ぶりの新型肺炎は、過ぎ去るどころか中国だけでなく世界で猛威を振るっております。
ただ私が暮らす上海では出勤する人の数も増えてきており、オフィスビル内も少しずつ活気を感じるようになってきました。出勤者が増えるのに伴い、朝限定で他飲食店の軒先を借りて販売するお店も今週復活してました。
出歩く人が増えたとはいえ管理が緩まったわけでなく、弊社のビルでは今までの紙の通行許可書に加え普陀区のWECHATアカウントが提供する通行証を携帯画面で提示することが求められるようになりました。
「ここまでやる必要があるのか?」
と思わなくもないですが、北京の天通苑というマンションエリアでは紙の通行証が偽造されて使われていたというニュースもありましたので管理側としては必要なのでしょう。
このような厳格な管理が1か月以上続いた成果も出てきており、3月1日現時点の感染者の数は減ってきており、とうとう治癒した患者の累計が現状の感染者数を超えました。
つまり感染した半分以上の人が治癒したということですね。
医療リソースも初期に比べ充実してきましたし、中国では今後も終息に向かい勢いを増していくと思います。
一方で韓国、日本をはじめとする世界では、1か月前の中国のデジャヴを見るような事態に発展していっています。
イベントの中止、学校の休校、テレワーク、出張・旅行の中止
に加え約50年前のデジャヴ?か日本ではティッシュやトイレットペーパーの買占めも起きているとのこと…
今、街中でポケットティッシュ配りのバイトやったら一瞬で配布終わるのでしょうか?
これまで新型肺炎関連で6回の記事を書いてきました。
いろいろなコメントを頂く中で、日本にいる一部の方からは
「通行規制、出入り規制とかそっちは不自由で大変だねー。」
「情報も不自由で困っているんじゃない?」
という
”日本は自由、そっちは不自由”
”だから、感染も蔓延した状態になっている”
という先入観を感じることが幾度かありました。
また先日の安倍総理の学校の休校要請に対して、様々な批判を読んでいるなかで中国と日本で政府に対する反応と受け入れ方の違いを感じています。
19世紀のドイツの哲学者ヘーゲルの「自由の相互承認」という有名な概念をご存知の方も多いと思います。
自分の自由(欲望)を全部とおそうとすると、他人の自由と衝突することになり、結局互いに自分の自由はかなわなくなる。そのために他人にも自由があるということを相互に認めあうことにより、結果として社会の自由の相和が大きくなる
という考え方ですが、
中国では「移動、外出、ビジネスをしたい」と思う人の自由を行政が制限しましたが、一方で「感染者と接触して新型肺炎にかかりたくない」と思う人の「感染リスクを社会として下げてほしい」という自由は尊重されたということになります。
どちらの自由がどれくらい承認されるのかを調整するのが国であり、法律なわけですが、今回のような突発事項に対いて民主主義として正当なステップを経てからでないと法が発布できないと、どうしても対策が遅れがちになります。
もちろん今回の根回しなし?の休校宣言で当事者としては、
「共働きの親は子供の面倒をどうするんだ!」
「せっかく準備してきた卒業式が行えず可哀そうだ!」
と、憤るのも理解はできます。
ただ国として一部の個人の自由を制限したとしても、それ以外の人の自由を守る必要があるため、個人的には仕方ないことだと考えています。
中国ではある障害をもつ子供が親が隔離されている間に家で餓死するという悲しい事件が発生しました。また隔離されたまま両親の死に目にも立ち会えず、感染リスクの削減のため亡くなった後も拝むことができず灰だけを受け取ったということも多く発生しています。
それに対して中国では多くの人が同情しますが、「隔離すべきではなかった」という世論は私自身は今のところ見たことも聞いたこともありません。
「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉は中国に関わってきた人なら何度も聞いたことがあると思います。政策が出されても、民衆は抜け道を探すので骨抜きになってしまうというネガティブの意味で使われることが多いですが、今回の新型肺炎を通じてこの言葉の本質は”不自由の中の自由”を如何に享受するかという思考の切り替えの早さとたくましさなのではないかと感じています。
新型肺炎の外出規制という不自由な中での自由って?
全国的に時間はあっても外出できない期間が続きました。最初は携帯でゲーム、映画、ショートムービーなどを見ていても眼ばかり使ってさすがに飽きてきます。運動用具など何か新しい物を購入しても春節休暇、新型肺炎の移動規制、出勤規制で物流が通常に比べて遅いので中々、届きません。
そんな中、数々の時間をつぶすための創造性に溢れる遊びがSNS上で拡散されています。
国技の卓球。まさにテーブルテニス
ミニトマトでビリヤード(台球)
春節気分を味わうためにゴミ箱とシーツで獅子舞を踊ってみたり
一人で静かに過ごしたい時は、麺で編み物をしてみたり
大人の趣味、思考にふけりながら釣りを楽しんだり
これ釣れちゃったらどうするんでしょ(笑)
そして極めつけがお医者さんごっこ!
ただ、そこは大人の遊び。本格的な帝王切開のお医者さんごっこです。
手術大成功、母子とも健康で八つ子が生まれました。
このミカンの帝王切開はSNSでかなり拡散され、全国の多くの家庭でお医者さんごっごが行われました。
本来なら新年会の季節、夜になれば語り合いながら一杯飲みたくなるもの。WEB飲み会も今回の新型肺炎の影響で一気にシニア層まで広がりました。
このように不自由な中でも自由を楽しむことができるというのは、人間ならではの素晴らしい知恵ですよね。
また現在は上海でも必要な外出(買い出し)をする人の数も増えてきています。この週末は、せっかくなので地下鉄に乗ってスーパーに出かけてみました。
地下鉄にはニュースで見た通り、各車両の中にQRコードが貼られております。
これをスキャンして登録しておくと、同じ車両の人が感染発覚すれば連絡がくる仕組みになっています。
自分の移動履歴というプライバシーがばれるから嫌だなぁと思いましたが、そもそも地下鉄乗るときにQRコードで改札通っているので、どうせバレバレです。そもそも今日の午後はガラガラかつ、1駅しか乗っていないのでもし感染したら一緒にいた友人からにほぼ間違いありません…
こうして日本人もよく利用するAPITAのある駅でおりると、スーパーへと続く地下通路の飲食店はどこもガラガラ。
少し寂しい気持ちになりながらスーパーに近づいて本日5回目の関所(検温)を通過すると、
私の予想外の大盛況!10近くある各レジとも10人以上の行列です。
店内も大賑わいで、桜フェアの前のピンクな親子が春を感じさせます。
こんなに混んでいるなんて、
「もしや、まさか?!日本同様にトイレットペーパーの買占めか!」
と思いきや、大量の在庫が余ってました。レジに並んでいる人も誰も見向きもしておりません。中国ではトイレットペーパーやティッシュを買う自由は全く制限されておりません。
並んでいる人の買い物カゴをのぞいてみてもトイレットペーパーやティッシュだけでなく、大量に買い込んでいる人は殆どいなく籠城前の買い込み需要という雰囲気も感じられません。多くの人が外出するついでに買い物するという日常使いをしているようです。
とはいっても、入り口の数は制限され入場するには検温を受けなければいけないのでしっかりと管理はされており、日常と比べたら不自由です。
自分に欠けているものを嘆くのではなく、自分の手元にあるもので大いに楽しむものこそ 賢者である。(by古代ギリシャ哲学者 エピクテトス)
この先、日本をはじめ世界で自由から不自由さへの移行が暫くは続きそうですが、不自由になった側面にばかり目を向けるのではなく、その中でも自由にできることに意識や行動をむけることにより、ストレスで免疫を落とすことなく、この新型肺炎を乗り切りましょう!
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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