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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信331回 トイレの奥のアングラ飲食店街

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こんにちは、中カツ!通信の野村です。


先週の記事
中カツ!通信330回 詐欺と営業の境目の見分け方
について、複数の方から
メッセージを頂きました。
 
「詐欺じゃないと思います。
 私も同じような電話があり、
 家電をもらいました!」
 
とのこと。
 

 
状況を聞いてみると酷似しており
私に競合他社の携帯番号から
営業電話をかけてきた、
あの女性も詐欺ではなかった
可能性が高いです。
 
そして今週も見覚えのある番号から
電話がかかってきており
 
「もう一度チャンスが来たか!」
 
と思ったら、今度は本当に
競合会社の中国電信から
 
「電話会社を変えませんか?」
 
という営業電話でした。
 
番号を調べてみたら、
今度は自社の番号使っています(笑)

 
あの女性を疑って
冷たい対応をしてしまって
申し訳ないなぁという思いと
 
気温が零下だった上海で、
 
「あの暖房があったら、
心も少し温かくなったかなぁ」
 
なんていう思いもありますが、
 
何より
 
「詐欺に騙されなかったぜ!」
 
「気を付けてください!」
 
とドヤ顔しながら
書いていたことを思いだすと
恥ずかしくて顔が熱くなるので、
やっぱり暖房は不要です!
 
あの女性もめげずに
多くの電話で契約継続を
獲得してボーナスが増えることを
応援しています。
 
この営業電話と同じく
知らない番号から電話が
かかってくると言えば
 
「外卖(デリバリー)」
 
骑手(配達員)は配達件数で
収入が決まるため一生懸命。
 
全力疾走で乗り込んだ
エレベーターの中で
届け先に電話しているのを
毎日のように見かけます。
 
これらの一分一秒を争う
ハードワークの結果、
 
「3年で102万元(約2,040万円)の収入」
 
なんていう稼いでいる配達員の
ニュースが最近注目を浴びました。

 
26歳と若い陳さんは、
学歴は小学校途中までなものの
以前は故郷で自分の店を経営
ただ大きな損失を出し借金返済のため
上海に来て料理人として
月給1.3万元で働いていました。
 
約1年、料理人として働いた後、
デリバリーの方が稼げることに気づき、
最初は副業で配達員を始めます。
 
その時は1日に3時間しか
寝られなかったそうです…
 
その後、デリバリー専業とし、
1日15時間働いた結果が
3年間で102万元という収入に。
 
頑張れば学歴や経験がなくても
高収入が得られるということで、
配達員の数は増えていき、
 
今では大学を卒業して
配達員をする人も珍しくありません。
 
2023年の初めに、
全国総工会が発表したデータでは
配達員の数は1300万人に達しています。
 
公務員の数が約710万人なので
その2倍に迫る勢いです。
 
もちろん人数が増えるのは
サービスを必要としている人が
増えていっているから。
 
 
2022年12月、美団研究院と
中国レストラン協会外食専門委員会が
共同で行った外食消費者調査によると、
45.23%が購入経験があると回答。
 
利用者の規模は5億人を
超えていると言われております。
 
 
このように広がる市場に対して
レストラン側も変化しております。
 
レストランが
デリバリーも対応するのは
当たり前なだけでなく
 
デリバリー専門の店も
次々と増えています。
 
娘の習い事の近くにある
小さいショッピングセンターには
スタバやレストランがあり
多くの配達員を見かけます。
 
ある日、パパ友から
 
「地下の裏路地には、
 もっと多くの店がある」
 
と教えてもらい行ってみると
やけに多くの配達員が座っている
(食事でなく待機している)
お店があります。

その向かいには
トイレに続く通路があります。

 
ユーフォーキャッチャーの列を抜け

トイレも通り過ぎた奥から、
多くの配達員が急ぎ足に出てきます。
 
萝卜工厂(大根工場)という
看板の奥に行くと、


 
そこは小さい厨房と
料理の受け渡し口がある
各種料理の店舗が
10店以上並んでいます。
 
先ほどのにぎやかで明るい
飲食店が並ぶスペースと比べ
薄暗い照明の廊下には
 
急ぎ足で歩く配達員だけで
一般客の姿はありません。
 

 
 
忙しそうな店もあれば、
そうでない店もありつつ、
 
のぞきながら写真を撮っていると
ある店舗の中で座っていた人から
 
「何しているんだ!」
 
と大声をかけられビックリ。
 
とっさに娘と一緒に
小走りで立ち去り
次の角に隠れてしまいました。
 
なんと、わざわざ追ってきて
 
「さっき写真撮っただろ?」
 
と詰め寄ってくるので、
 
正直に単に好奇心で
写真を撮っただけだと説明すると
 
子連れだったこともあり
安心したのか何事もなく
解放してくれました。
 
去り際に、
 
「平日は忙しいけど、
週末の昼(11時過ぎ)は
まだそんなに忙しくないんだ」
 
と何か言い訳めいた口調で
私に説明してきました。
 
誰に何を撮られたと
心配していたのでしょうか(笑)
 
確かにデリバリーが
流行りだした初期は、
各レストランの管理が
問題になりました。
 
デリバリー(出前)を頼むときに
消費者が店舗を選ぶ主な基準は、
 
・どんな料理が
・どれくらいの値段で
・どれだけ早く届くか
 
ということ。
 
店内飲食をする際の
選択基準である
 
・お店の具体的な位置
・店舗の環境
 
を自分の目で確かめてから
決めることは難しいです。
 
そのためネット出前サービスが
始まった当初は
 
営業許可のない
衛生管理がされていない
マンションの一室で調理していた
 
なんていう問題もありました。
 
現在はプラットフォーム側の
規制も強化されてきましたし
 
 
チェーン店の中には
注文するアプリから
厨房内の様子をリアルタイムで
見れるようにするなど
安心できる仕組みも整備され
消費者の信頼もあがってきました。
 
このように便利なデリバリー経済は
今後も市場規模を拡大していくと
予想されています。
 
ただ安い値段で
デリバリーを頼めるのは
先ほどのような多くの配達員が
安いコストで働いてくれる前提です。

今後、更に生産者人口が減る中で
人によるデリバリー費用が安く
維持されるのは難しいでしょう。
 
ドローン配達が実現して
今の配達量をこなすとすると
大都市では鳥が飛べなくなるほど
空が混雑してしまわないか心配です。
 
少なくとも川辺の凧揚げは
禁止になるでしょうね…
 
もしくは自動運転の
配達車で運んできて

 
 
 
現在、普及が進んでいる
配膳ロボとの組み合わせで
今のようにオフィスまで
届けてくれるようになるかも。
 

 
最近では調理ロボットも
増えてきてドリンクや
ソフトクリームだけでなく
 
炒め物、揚げ物や
麺を自動で茹でて盛るロボットも
出てきております。


 
ただ、これら最新の機械が
飛ぶように売れるのは、
まだ先の話。
 
現在取引量が増えているのは
むしろ中古厨房機器。
 
というのも、
まだ設備が新しくて使えるうちに
倒産してしまう飲食店が
後を絶たないからです…
 
サラリーマンを含め
雇われの環境から会社を辞め
一念発起しして飲食店で独立
 
というのはよく聞く話。
 
借金をして開店したものの
うまくいかずに倒産。
 
厨房設備、器具が
リサイクルされるだけでなく
 
先ほど紹介した
3年で102万元の収入を得た
陳さんのように
 
人材も雇われの料理人や
配達員にリサイクルされていくという
生態系になっているんですね…
 
あなたがデリバリーした料理にも
たくさんのドラマがつまっているはず。
 
そんな思いをスパイスに食べると
ランチの出前も味わい深くなりますね!
 


今回も、最後までお読み頂きありがとうございます。

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