中カツ!通信 第172号 ワクチン無料で、あの正月に戻れるのか?
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こんにちは中カツ!通信の野村です。
最近は上海も気温がマイナスの日が続いています。
寒くなってくると心配なのが新型コロナの再拡大。
実際1月9日には国外からの移動者21例だけでなく国内でも48例(河北46、北京1、遼寧1)発生しています。
中国では12月31日に
「ワクチンは公共品であり、もちろん全民に無料で提供するのが大前提だ」
という発表がなされ、ネット上では「今年最後のプレゼント!」と称賛されました。
18-59歳の輸入冷凍品などの検疫担当者、国際・国内の交通関連従事者等9種の重点対象を始めに接種者が増加しています。
2020 年12月15日から31日で総接種回数が300万回だったのが、多くの場所で受けられるようになり2021年1月9日の時点では900万回まで総接種回数が一気に増えています。知合いの日本人でも実際にワクチンを接種した方がでてきました。
2月は旧正月の大型連休。通常であれば人口の大移動が起きますので、その前にワクチンを2回接種し免疫を獲得した人を増やしておきたいという思惑もあるのでしょう。
無料かつ現時点でひどい副反応は100万人に2人といわれているものの、
実際に、世間の人は
受けたいのか?
受けたくないのか?
どっちなのでしょう。
知乎のサイトをみてみると
新冠疫苗来了,你会接种吗?
新型コロナのワクチン、あなたは接種する?
https://www.zhihu.com/question/394817589
という質問と寄せられた回答がありました。
やはり
「今日職場から通知があったけど、注意事項や接種してはいけない人の説明どころか、副反応の説明すらなかった。結局、接種しないことにしました。外地にはいかず、外出する際はちゃんと防備をして、まずは様子を見たいと思います。」
「私としてはウイルスにかかったとしても実験台のモルモットにはならない!」
という接種慎重派もちゃんといます。
生活がほぼコロナ前の日常に戻っている中国では、感染リスクの危機感を抱いている人は多くなく、ワクチン打たなくても現状維持でいいじゃんという考え方をする人がいるのは自然だと思います。
ただ、多くの書き込みは接種に対して肯定的で、実際に接種した人による以下のような書き込みもありました。
「今朝、接種してきました。注射したほうの腕が少しだるいだけで、他に異常はないです。どんなワクチンも副反応はあるし、一度うてば後はずっと安心というモノではない。手をきちんとあらって、マスクをきちんとする必要はある。
現在の医療リソースが足りている状況で、感染したとしても治ると信じている。
ただもし万が一、感染したら自身の行動履歴が全て晒されて、ネットで叩かれ、社会的に殺されて、永遠に新型コロナの疑いがあるというレッテルをはられ、仕事に復帰したとしても家族にまで影響がでる。
だから私は素直にワクチン接種をすることを選びました」
この方は、新型コロナの感染で自身の命に危険が及ぶことを心配しての接種というよりは、社会的なリスクの方が心配で接種をきめたことが感じ取れます。
ワクチン接種をしないこと自体もマスクの時のように周囲の批判の対象になる可能性もありますね。マスクと違って外見ではわからないものの、健康QRコードの色でワクチン接種済みは青色とかは、すぐにできそうです。
ただ、このように接種するかしないかを自由に決められる人ばかりではありません。
某百貨店では核テナントに店員全員にワクチンを受けるようにとの指示を出しました。店員が拒否する場合は
「万が一、問題が起きた場合は経済的、社会的責任を一切負います」
との署名が必要とのこと、社会の見えない空気ではなく、見えるかたちでのすごい圧です…
受けたくないのに、しぶしぶ接種される方には申し訳ないですが、消費者の立場としては安心して百貨店にいけますし、
「私たちのデパートは全員がワクチン接種済みです!」
というのは、子供や老人と一緒に買い物に行きたい人には、とてもよい宣伝になります。
ただ国としてはワクチンを接種すれば、
「無敵状態、みなでGo to ××!」
という雰囲気つくりをしていないどころか、最近、警戒体制を強めております。
中国では春節休暇に帰省する人が多く、鉄道が増便されでも切符は、売切れキャンセル待ち状態になります。そのため帰省を予定している人は、かなり前から予約をします。
ところが1月7日に中国国家鉄路集団有限公司から、
「1月6日までに予約した切符は無料でキャンセルを受け付けます。」
という発表をしました。
つまり
「正月長期休暇でも、できるだけ遠出をするなよ」
ということです。
これだけだったら帰省移動の抑止力は限定的なものの、多くの会社でも市の方針に沿って
「春節中できるだけ省を超えた移動は控えるように」
との通知を出しています。
ある会社の内容は、
・感染者がでている中高リスク地域(村や団地など単位は小さい場合もある)から上海に戻る場合は、14日間の自主隔離と2回のPCR検査の陰性証明がないと出勤させない。
・中高リスク地域を含む市から上海に戻る場合は1回のPCR検査の陰性証明がないと出勤させない。
などで、現在 中リスク地域がいくつかある北京に行った場合には上海に戻ってきて出勤する前にPCR検査を受ける必要があるということになります。
リスク地域以外にも、上海から省を超えて移動する場合には事前に会社への報告が必要としておりますので、基本的には自分が住んでいる省を超えての移動全部を控えようという方針です。
「去年は、せっかく田舎に帰省したのに親戚回りも、地元旧友と食事もできなかった。今年こそはワイワイと団らんを!」
と楽しみにしていた多くの人も、今年は帰省自体を控える人が増え、一年ぶりのWechatビデオ新年会が多く開催されそうです。
例年、中国の1月というのは西暦の新年の始まりと、旧暦の年末が混ざるなんだかソワソワする時期です。
それに加えて、今年は
「昨年は、まさに春節からコロナに振り回されたけど、ワクチンの大量接種も始まったし、コロナに打克った一年が始まる!」
という期待と
「もしかして春節で、また全国に拡大する可能性もある?」
という不安が混ざったゾワゾワ感があります。
我が家も今年の春節は日本はもちろん、妻の実家への帰省もせず上海で過ごすことに決めました。
上海を出られないと言われると閉塞感がありますが我慢ですね…
そんな中、週末は同窓の集まりで家族も含め約50名で、新年の餅つきをしてきました。
ちなみに、なぜお正月やハレの日にモチをつくかご存知ですか?
杵と臼は、それぞれ男女を象徴しており、子孫繁栄、一家の繁栄の願いが込められているとのこと。昔は結婚や新居のお祝いにも餅つきは欠かせなかったそうです。
あの白いモチ米を、最初に杵でコネコネして、ぺったんこ、ぺったんことつくのに、そんな背景があったことを初めて知りました。
私の顔が少し赤いのは背景を知って恥じらっているわけではなく、ハイボールのせいです。
離れて暮らす家族や友人に会えない寂しさはありますが、日本から遠く離れた上海でも、こうして多くの人と親しくなれる縁はあります。
日本ではバラバラだったモチ米が、上海という枠のある臼の中で、つかれて、もみ合わさっているうちに離れられないモチになるように、例え上海から出られなくても、一生の縁になる出会いがあるかもしれません。
上海の中であれば飲み会も謳歌できる今に感謝して、春節に向けて上海内での友人との粘度を増していきたいと思います。
ただ、飲み会の終了時間が、つきたてのモチみたいに延びすぎると、ドツカレたり、自分の臼(家)に戻ったら鍵が閉められていたなんてことがありますので、家庭モチにヒビが入らないよう終了時間を粘るのは気を付けようと思います。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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