中カツ!通信 第173号 中国のTV視聴率が日本の1/100な理由
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こんにちは中カツ!通信の野村です。
先日、上海TVの外国語チャンネルの「阿拉日本人」という番組に出演しました。
「阿拉日本人」とは「私達、日本人」という意味で、毎週上海に住んでいる日本人が一人紹介されるという日本語番組です。
(内容紹介の最初の写真は何故か留学時代の馬に乗った写真…)
以前に上海交通大学で開催されたTell+Japanという中国語スピーチイベントに参加したのがきっかけでお声がけを頂き、メルマガのネタにもなるし双方の両親が喜ぶかもという思いでお受けしました。
Tell+Japanに関しても先週に新聞記事にもなったようで、お知り合いの方から
「公安局の前で解放新聞に載っているのをみつけた!」
と、写真を送って頂きました。
公安局の解放新聞といっても釈放された容疑者速報ではありません、そもそも捕まっていないのでご安心ください。
中国では住民向けサービスとして役所など人が集まる場所の外にメジャーな新聞の記事を掲示しております。そして解放新聞も普通の新聞です。
TV番組をみた知人友人からは、
「爽やかすぎる」
「発言に違和感がある」
そして
「昔、太りすぎ!」
など温かいコメントを頂きました。
まぁ交換留学じゃないとか事実が不正確なところもありますし、TVだからシナリオもありますし、大人の事情もあるわけで、本来の自分が自然体で放映されるということはないんですね。
そういうことが分かったのと、プロのカメラマンに愛娘たちを撮ってもらっただけで十分、良い経験です。
上海TV唯一の外国語チャンネルだし数人の方から反応もあるくらいだから案外人気番組なのかも?
と、ネットで調べてみると省レベルの各TV局ごとの視聴率ランキングが見つかりました。
收视率排行榜(http://www.tvtv.hk/archives/9717.html)
残念ながら上海TVはTOP10には入っておりませんでした。
それよりもランキングの視聴率の数字が気になってきます
トップの湖南卫视でも0.336%、10位だと0.085%と驚きの低さ…
世帯視聴率なら紅白の100分の1未満です。
https://www.videor.co.jp/tvrating/
スマホやタブレットが普及してTVを見なくなったから母数自体が極端に減ったのでしょうか?実際にTV視聴率は落ちては来ているものの全体としては30%くらいはあるようですので、視聴率がNHKの100の1未満の説明にはなりませんね。。
TV局がそもそも中国って多いなぁと思いだして、全国で100社くらいあるのかなぁと、調べてみると
2020年10月に国家広播电视局が発表した数値で
・国営、地方政府運営レベルで408!
・教育TV局で36
・県(日本でいう市くらいの感覚)レベルで2106
これを全部足し合わせるとTV局の数は2550!
更に1つのTV局に1つのチャンネルではありません。
国営のCCTVは1社で15チャンネルありますし、今回出演した「上海外国語チャンネル」も上海TV局の中の1つのチャンネルです。
なのでチャネル数は、更に膨らみネットでは正確でないものの約8000チャネルという書き込みも。
それだけチャネルがあれば、0.336%でNo.1になるのもうなずけます。
でも、これだけの多くのTV局がひしめく中で、TV局ビジネスが成り立つのでしょうか?
主な収入源としては
1、広告収入
2、番組コンテンツ販売
と、日本と同じです。
1、広告収入
通常のスポンサー広告にくわえ、報道番組で取材してもらうのも広告費が必要だったりし、ほとんどの企業や商品がTVで前向きに紹介されている時はおカネが発生しているようです。
今回の私の取材は企業もサービス紹介もしていないので、こちらから費用は払っておりません。
国営のCCTVの中にニュースを放送しているCCTV13というチャンネルがあります。
朝の時間帯の広告費は、
1回5秒の広告で64,600元(約103万円)、
15秒の広告で121,800元(約195万円)
となっており日本よりも値段が高そうですね。
http://www.cctvzsyb.com/news_show.asp?id=462
2、番組コンテンツ販売
一部の有料チャンネルでは視聴者個人からの徴収になりますが、大きいのは他局や動画サイトへの放映権販売です。
確かに同じドラマのタイトルや娯楽番組がいろんなTV局でやっているのを見かけます。しかも同じ局の中で時間を分けて何度も再放送していたりします。
ドラマ(全話)放映権で1億元(約16億円)の)値が付くこともあるそうなので、他のTV局から人気コンテンツを買い付けたら、とことん使い倒さないと元が取れないです。
いまだに自分が子供の頃にみたようなウルトラマンや日本のアニメがいろんなTV局で再放映されているのには、そういう事情もあるんでしょうか。
またネットメディアは基本はオンデマンドで提供するので放映時間の枠にとらわれずに広告や会員費をとることができますね。
今回の番組自体も6分のコーナーが丸ごと、腾讯(テンセント)视频にあげられており、いろんなチャネルで再利用する前提でコンテンツが作成されています。
なのでTVを見逃しても、再放送がある可能性も日本に比べて圧倒的に高いですし、ネットで探して視聴できる可能性はさらに高いです。
こうしてTVのコンテンツもネットに大量に溢れ、一つ一つの動画の再生回数は少なくてもロングテールで広告収益が上がっていくと。
本人たちが気恥ずかしくなるような通常1.5倍以上の仲睦まじさの演出は、双方の両親は喜んでも、他人からみたら大した刺激にはなりませんので、親孝行に貢献できても動画サイトの広告収益には貢献できないでしょう。
まぁ私が大事件でも起こして世間の注目を浴びれば、あとから再生回数が増えて動画サイトの広告収入が増えるのでしょうが、とんでもない親不孝ですね。
「あの離婚した芸能人夫婦、TVではあんなに仲良く見えたのにね~」
というワイドショーおきまりのセリフがあります。
後々、友人の酒席のネタにならないよう、時にはこのTVを見返して、現実での家族円満を頑張っていきたいと思います。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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