中カツ!通信 第174号 雲隠れ後の馬の動画が7兆円を動かした!
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こんにちは中カツ!通信の野村です。
前回の記事について訂正があります。
中カツ!通信 第173号 中国のTV視聴率が日本の1/100な理由
「残念ながら上海TVはTOP10には入っておりませんでした。」
と書いてしまいました。
ところが、そもそも中国各省それぞれのチャンネルのうち1つだけが全国放送で視聴率調査の統計対象になるとのことで、上海の場合は「上海東方衛視」になります。
なので上海TVとしては全国で堂々の4位です。上海TVの皆様、大変失礼いたしました…
また、視聴率に関しても中国旧正月の前日に放送される春晩は、2019年で視聴率が30.07%
(グラフはhttp://www.xinkeji.cc/chuangtou/chuangye/195695.htmlより転載)
2020年の春晩にいたっては新メディアでのライブ配信延べ人数が11.16億人、TVが5.89億人、他にも560以上の海外メディアで放送されていて正確な視聴率は見当たらなかったものの、過去最高だと言われております。
視聴率100分の1どころか肉薄している可能性が高く、視聴人数では紅白歌合戦の10倍以上は確実です。そもそも春晚は、いろいろなTVチャネルや動画サイトで生配信されていますので日本のようにチャネルで視聴率を測るという比較法自体が不適切でした。
動画サイトでの視聴者は中国国外からも少なくないでしょうから、人気コンテンツはとっくにチャネルに制約を受けない時代になっているのですね。
ご指摘を頂いた皆様、ありがとうございます。
そうしてTV以外で放映される動画が影響力を持つという事例が、先週にもありました。
その動画により、ある会社の株価が一日で一時は10%以上もあがったのです。
その企業とはアリババ。
1月22日時点は時価総額が699,731,737千ドルですので、約7兆円も価値が上がったことになります。
どんな革新的なサービスが発表されたんでしょうか?
それとも市場の予測を上回る速報値でも発表されたのでしょうか?
どちらでもありません。
創業者の馬雲(ジャックマー)が100名の田舎の教師とのオンライン会議に参加したという動画が公開されただけ…
このコロナのご時世、有名起業家がどこかのオンライン会議に参加しているのなんて日常茶飯事なわけです。
なぜ、株価が10%上昇するほどの注目を浴びたかというと馬雲(ジャックマー)は、約3か月間公の場に姿を現していなかったからです。
アフリカの起業家を応援するTV番組に出演予定だったのが、出演しないだけでなく写真すらも番組のサイトから削除されるなど、なにか尋常じゃないことが起こっているのでは?とうわさが絶えませんでした。
中には、
「馬雲は実は箱根のソフトバンク孫さんの別荘にかくまわれている」
なんていうものまでありました。(笑)
昨年10月下旬に行われたスピーチで中国の金融当局を批判し、11月上旬には350億ドルと史上最大のになるはずであったアントグループのIPOが差し止めになりました。(批判したから差し止められたのではなく、差し止められることが事前に分かっていたから批判したという見方もあります)
12月にはアリババに対しても、優越的な地位の乱用が独占禁止法の調査が入りました。
これらの事象と馬さんの雲隠れにたいして世間の論調は
「馬雲(ジャックマー)の時代は終わった」
となっていたところに、人民網(人民日報)が
「そもそも馬雲(ジャックマー)の時代なんて無い、時代の中の馬雲だ!」
と更に否定を感じさせる報道があっただけに、今回の久々の登場は馬雲(ジャックマー)の無事が確認でき、アントグループだけでなくアリババに対する取り締まりが、それほど厳格なものにはならないのではという楽観的予想をする投資家の買いをさそったわけですね。
アントグループの支付宝(アリペイ)は約10億のユーザーを抱えモバイル決済の約55%を占めるトップ企業です。
馬雲(ジャックマー)が世間に再登場し始めたのを機に、すぐに史上最大のIPOがなされるのでしょうか?
ところが、ブルームバーグのアナリストFrancis Chanは11月のIPO前には3200億ドルあるとされていたアントグループ企業価値が1080億米ドルと66%も落ちたという予測を発表しております。
というのも中央銀行である人民銀行が新規則で1社で市場の50%以上、2社で市場の3分の2以上の場合は独占禁止調査の対象になる可能性があると説明し事業のタイプごとに企業分割をされる可能性があるからです。
一つの情報で大きくお金が動くのはアリババ株だけなく、ビットコインなど昨今の金融相場に多くあてはまるのではないでしょうか。
上海でも新規の陽性者がでて急速にコロナ対策の再厳格管理が始まりました。オフィスビルの1階を始め、下記のような9個の“不” の標語が張り出されています。
(各標語の写真は次のサイトでみれます。)https://tieba.baidu.com/p/7201417686
不侥幸 慎重に
不慌乱 慌て取り乱さない
不冲动 衝動的にならない(体温チェックをする人などにイラッとしない)
不硬闯 強行突破しない(必要な体温検査、健康QRを見せない、登録しないでビルに入ることをしない)
不轻信 簡単に信じない
不传谣 噂やデマを流さない
不聚集 できる限り集まらない
不隐瞒 隠さない
不松懈 油断せずにマスク、手洗いを
上記の9つの”不”はコロナ対策でもありますが、投資をするときや情報発信をするときの心得としても役立ちそうですね。
私も先週は視聴率に関して不传谣が守れず正確でない情報を流してしまったのですが、不轻信な読者のおかげで気づくことができました。
そのことに不冲动かつ不慌乱に不隐瞒で訂正しつつ、今回は不侥幸に書きました。
日中共に改めてコロナに対する不安が高まってきている時だからこそ、10%、2000人、37.4度など数字に過度に振り回されることなく、自分が楽しいと思えることをしっかりと感じながら毎日を頑張っていきたいですね!
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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