中カツ!通信 第238号 ロックダウン上海における戦い方は〇〇だ!
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こんにちは。中カツ!通信の野村です。
ありがとうございます!
前回のドラゴンボール風味の中カツ!通信は、おかげさまで多くの方からメッセージや、お電話も頂きました。
中カツ!通信 第237号 上海のコロナ魔封波の前に自分が封じるべきものとは?
意外にも、いつもより多い高評価や、投げ銭も頂いたものの、
そこには
「野村も封鎖で、精神的にもギリギリか?」
との、ご心配の意味も込められていたようで、失礼いたしました。
安心してください!
「どちらかと言えば、前回のスタイルの方が地に近いです(笑)」
同時に、ロックダウンのストレスはありますが、私の前頭葉も、現状まだ上海市と同じくらいには自身の暴走衝動を閉じ込めるのに成功?している気がします。
またアニメばかりみて、ちゃんと真面目に仕事をしているのかを心配している人のためのに紹介しておくと、
3月末に横浜産業倶楽部(横浜市による横浜企業経営支援財団)にて
というテーマで約45分のセミナーを行いました。
横浜企業経営支援財団 Youtube公式チャンネルにて、一般公開されましたので、特に中国でBtoCビジネスに興味がある方は、ご覧頂ければ幸いです。
https://www.youtube.com/watch?v=SJ3mAwhORVc
この「中国産3.0」っていう造語が広がらないかと、少し期待しています(笑)
収録時3月26日は、上海全体3,000万人PCR検査が終わり、陽性者も少なくロックダウンなんて予想していなかった時期です。
20日前ですが、遠い昔のことのように感じられますね…
このセミナー
にちなんで、今回の中カツ!通信では
「ロックダウン上海における戦い方は〇〇だ!」
というテーマで、
・ダメな戦い方
・普通の戦い方
・優秀な戦い方
・選ばれし者の戦い方
・ダークサイドへの転落
を、紹介していきたいと思います。
まずは
「こんな戦い方はダメだ」編
①眠れないから羊の数を数えて、より眠れなくなる。
陽性の陽(Yang)と羊は中国語では同じ発音です。
なので、
「うちのマンションでも陽性が出たよ」
というメッセージの”陽”の部分を、
上記のように羊のイラストで代用したりします。
決して、ロックダウンの間に、食べ物に困った野生化した羊が、街中を闊歩しているわけではありません。
というより人間は家で大人しくしているはずなのに、何で羊(陽性者)が上海の街で増えていくのかは、現在の上海七不思議のうちの1つです。
自分の小区(団地)で、羊(陽性者)がでると、7日間はPCR検査以外で家のドアすらでれません。(※8‐14日目は団地内は歩いてOK)
羊(陽性者)なんて早くいなくなった方がいいのに、
Aさん:「うちの小区には、まだ3人も羊(陽性者)がいる。」
Bさん:「うちなんて、4人いるし、昨日に新鮮な羊(陽性者)も出たからね!また1日目に戻ったよ!」
という感じで少し不幸自慢みたいになる時があります(笑)
類似パターンとして、
②封鎖が30日以上続いていることを、
「仕事忙しくて、3日連続で徹夜しちゃったよ」
といったテンションで話してしまうことや、
③「お風呂に4日間も入ってません」
なども、内輪だけの話に留めておき、上海居住者以外と話す時には余計に心配されるので気を付けましょう。
次に
「普通の人の戦い方」編
・朝は6時に起きて食料購入アプリで連打し運が良ければ買える。
・各種団体購入のチャットグループに入り割高であっても、なんとか食品確保
・自身の居住区のチャットグループでPCR検査の時間等、新しい情報がないかチェック。
・グループチャット内に、たまに回ってくる刺激的なリンクや、近隣住民同士の噂ばなし、言い争いを野次馬的に観察
・政府物資や各種団体購入でゲットしたお宝(食材)をSNSにアップ
我が家の3回目の政府物資は、またもや他の人のSNSでは、見かけないレアな組み合わせ(漬物4袋、中式ソーセージ・ハム、豆腐製品)で、ネタとしても嬉しいです。
・残りの食材を確認しながら節約気味に調理と食事。お宝(食材)をゲットできた日は、ちょっと豪華に、もう一品追加
「優秀な人(企業)の戦い方」編
・困っている近隣の人に、自分の持っている物資を分けてあげる。交換してあげる。
物々交換や無償で、
油、卵、調味料、唐辛子まで面積半径10メートル(高さはマンションによる)でご近所の優しさと一緒に流通しています。
・自分のマンションの団体購入の団長となり、外部の団体購入の情報を収集し、マンション内の需要をとりまとめ、納品までを管理する。
情報収集能力、交渉力、コミュニケーション能力、物が届かないなどのトラブル対応能力が、必要とされ優秀な団長は、住民の尊敬と感謝を一身に集めます。
特に女性が多く、解放後の就職活動には「団長経験」が有利になるのではと噂されています(笑)
・志愿者(ボランティア)となり、マンション内での物資の配達(デリバリーは家のドアまで来ないので)、PCR検査の時のアシスタントなどを行う。
志愿者が各家庭と物資をつなぐ架け橋であり、力仕事も多く、この時期、多くの住人にとって物理的に近づく限られた人なので感謝を通り越して、いとおしくなる。
・企業として従業員に緊急生活物資の支援をおこなう。
お金があっても食料が買えない、集中して仕事なんかできないという時に企業から従業員への生活物資は、一気に自社に対してのロイヤリティを向上させます。
調理ができない従業員がいることも考慮して、野菜セットとインスタント食品セットの2つから選べるなんていう気配りも従業員を感動させるポイントかも。
しかも多くの従業員がSNSに
「本当に困っていたところに、会社からの愛が届きました!ありがとうございます!」
とアップするので、企業の評判も良くなり今後の人材採用上も有利に働きそうです。
「選ばれし者の戦い方」編
・企業として従業員だけでなく、お客様にも生活物資を送る。
困っている時の生活物資が感謝されるなら、従業員だけでなく
「顧客企業の担当者に食料送って恩を売っておき、営業活動を有利に進めよう!」
ということですね。ただ、送られる側も、一般的にはコネや金を持っていて自分で手に入れることもできる人が多いので、タイミングが大事です!
お金はあっても、自分でAPPを使いこなせない日本人をはじめとする外国人は、恩を売っておくチャンスかもしれません。
今は、食料自体は一時期に比べて、お金を出せば入手しやすくなったので、飢えをしのぐための食材の次の準必需品(コーヒー、アルコール、タバコ、お菓子、トイレットペーパー等)が、ねらい目かもしれませんね。
ただし、これらのリソース(人脈とコネ)を自分や自社が持っている前提ですね。
基本的に我が家は持たざる者サイドです。
ただ昨日は妻が、一大決心をして手に入れた物が届きました。
世界中にファンがいて、一度知ったら、やめられない、あの白い粉を大量に仕入れたのです。
25Kgの小麦粉です。我が家の小さいキッチンで圧倒的な存在感を放っています。この袋の目が粗く、白い粉がドアからキッチンの床まで軌跡を描いています。
志愿者の人、25kgと重いものを運んでくれてありがとう。
本来は、5kgパックのを買おうと思ったものの、売切れで仕方なく?25kgのモノを購入したとのこと。
これで、麺でも、パンでも、肉まんでも困らないというのです。
500gで20個の包子(肉まん、あんまん)が、出来るそうなので、1,000個分です。頼もしいと同時に、そこまでの持久戦を想像すると少し涙が出そうになります。
冷静に考えて置く場所も食べる量も限られているので、小分けにした後は、ボランティアの方たちにおすそ分けです。
Costcoのパンならともかく、こんな粉もらっても困るでしょと思いきや、
「ありがとう!できれば酵母も欲しい」
みたいな感じで、あっと言う間に、白い粉は末端までサバけていきました。
もう一つの選ばれし者だけのビジネスチャンス。
それはデリバリー配達員。
市内間バイク配達員の1日の収入が1万元(約20万円)を超えたというニュースが話題になりました。 1か月このペースなら月収約600万円です。!
彼らの報酬は出来高制で、
その内訳はというと配達件数60件で
基本手数料が534元(約1万円強)
特別インセンティブ1678元(約3.3万円)
ユーザーからのチップが7856元(約15.7万)
という具合。
この時期、そもそもチップをつけないと注文を受けてくれないので、高騰してしまっているんですね。
事前にドライバー登録をしていて、封鎖中でも働ける許可をとり、陽性にもならず、という限られた少数の配達員だけがゲットできる単価が20倍にもなるボーナスタイム。
もちろん感染リスクのある過酷な環境下で朝から晩まで、休みなく働いてくださるドライバーのおかげで、助かっている人がたくさんいますので、もらって当然の報酬とも言えますね!
そして最後に
ダークサイドに落ちてしまった人達 編
・地方から上海に送られてくる政府救援物資の一部を転売
・業者、居住委員会、団長が組んで不当に高い団体購入しか住民が買えないようにする。
居住委員会はボランティアの負担、外部からの感染リスクのコントロールのため、住民が勝手に団体購入を始めないように呼びかけたりしています。
極端な場合、居住委員会が認めた団体購入以外は小区の門から家まで運ばない(どんどん後回しにする)というようなことも可能なので…
上海政府からも、
「やりすぎた価格のつり上げは、後からでも過去に遡って罰する!」
という通知が出ております。
そして、その通知の後に、我が家で、既に購入した団体購入の金額が、なぜか10%戻ってきました(笑)
10%くらいの上乗せだったら、ボランティアの人たちの手数料という名目で明示してもらったら、払ってもいいと思うんですけどね…
団長にしても、志愿者(ボランティア)にしても、無償の善意だけに頼っていて、表面的には感謝の言葉しか渡せないというのは逆に脆い体制な気がします。
配車アプリのように団長、志愿者(ボランティア)に評価やチップを渡せる機能があったら、払いたい人はたくさんいると思います。
ここ数日、上海市の新規感染者数は最高値から、おさまりそうな気配です。そして徐々に解放されていくエリアも出てくるでしょう。
ただ、解放が戦いの終わりでなく、むしろ本格的な戦いの始まりかもしれません。
20日後に、「あの頃は、まだよかった」とならないとも限りませんので…
今回も、最後まで、お読みいただきありがとうございます!