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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信347回 月間4000閉店!甘いお茶の、甘くない競争。

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こんにちは、中カツ!通信の野村です。

中国の飲み物といって、
皆様が思い浮かべるものは何ですか?
 
ここ数年、中国ではスタバを超えた
瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)など
コーヒーの話題が多かったですね。
 
中カツ!通信 311回 白昼夢?茅台×Luckinのコラボで初日542万杯を販売
 
中カツ!通信 309回 あっちの水は苦いぞ、コッチのコーヒーは、いつまで続く?
 
コーヒーの消費量も増えており
《2024中国城市咖啡发展报告》によると
2023年平均コーヒー消費量は16.74杯と
2016年の9杯から86%伸びております。
 
ただ今でも圧倒的に多いのは、お茶
 
 
浙江大学茶葉研究所所長の王岳飛教授の
2023年の発表によると
 
茶葉の一人当たり
年間平均消費量は3.5斤(約1.75kg)
 
この数値は更に伸びると予想されており
毎日お茶を飲む人の数は約4億人から
2030年には約7億人に達し、
 
 
 
年間平均消費量は5斤(約2.5kg)
達すると予測されています。
 
 
中国人は昔から
大量にお茶を飲んでいたのかと思いきや
王教授によると
 
封建社会の数千年間は50-100g
1996年で250g、2006年で500g、
2010年で800g、2020年に1,600g
 
なので意外と今が急成長中なんですね!
 

 

ただ昔と飲み方は変わってきています。
 
ゆっくりと小さい茶器にお湯を注ぎ
一口ずつ飲むスタイルや
ガラス製の水筒にいれた茶葉を
口に入らないようフーフーよけて
飲んでいたスタイルから
 
今は若い人の間では
ペットボトルやストローで
飲むのが一般的。
 
以前サントリーのウーロン茶が
砂糖入りしかなかった時代から
 
今ではコンビニには、
様々な、お茶が並び、
ドリンクスタンドチェーンは、
春秋戦国時代の諸子百家に負けない
派閥と実力ブランドが争っています。
 
 

 
ミルクティー、フルーツティー
中国式など看板商品による分類から
値段の分類に加え、地域限定出店など
 
500店舗以上あるのだけでも
30ブランドもあり
とても覚えきれないです…

店舗数トップの蜜雪冰城は
低価格を武器に最新データでは
国内3万店舗以上、
世界では3.6万店舗以上を展開。
 
中カツ!通信 第258回 奶茶界のサイゼリヤ、雪だるま式に増えて上場か?
 
いつの間にか
世界第4位にまで成長しており、
1位になるのも遠くなさそうです。


 

 
他にも
こだわりのフルーツティーに
チーズフォームを加え、
並び屋(代理購入)に頼んで
購入してもらう人が続出した
HEY TEA(喜茶)
 
中カツ!通信 第168号 チーズのバブルで20代が億万長者に
 
その後もHEY TEAは
FENDEIなどブランドと
コラボしたりと

お茶を売っているのか
話題を売っているのか
オジサンにはゴチャゴチャです。
 
単なる飲み物を超え
 
トレンドの象徴にもなってるとはいえ
 
消費者の胃袋だけでなく、
財布にも限界があります。
 
上海をはじめ比較的豊かな
一線都市だけでなく、
三、四線都市まで
出店地域を拡大していき、
日常的に消費してもらうためには
 
 
「価格の差別化」が何より大事。
 
トップを走る蜜雪冰城では、
この原料価格高騰のご時世で
ソフトクリーム3元(約64円)のまま
 
ただ週末に買ってみるとコーンが
かなり短くなっていました…
 
在庫が余っているのか
外の包装紙は元の長さなので
ギュッと握るとスカスカ部分が(笑)

HEY TEA(喜茶)も
 
出店地域の拡大とともに
10-15元の商品を増やし
 

SNS上では
「バイバイ30元」などのタグが
話題になりました。
 
主に一線都市の店舗展開時は
品質維持から直営店のみに
 
こだわっていました。
 
ただ直営店展開をするには
店舗取得、施工工事、人材採用、
原材料や消耗材の仕入れなど
大量の現金準備が必要です。
 
HEYTEAも今では加盟権を開放し
加盟店の割合を増やしています。
 
多くのチェーンが
更なる客数の取り込みを急ぐのは
経済環境の変化も関係あります。
 
壹览商业の統計によると
今年3月末の新興26ブランドの
店舗数は114,906店舗でしたが、
4月末には110,814店舗と
1月で4000店舗以上減少。
 
一時期は多くの投資家が注目し
これだけ日常に浸透している
ドリンクスタンド業界なのに
上場している企業は少ないです。
 
 
2024年に入り蜜雪冰城を含む
 
3社が上場申請をしたものの、
 
成功できるかは不明です。
 
企業価値が高いうちに
上場しろという出資者からの
プレッシャーもあり、
 
価格を下げてでも
売上とシェアを増加させる
必要があるのです。
 
ただライバル企業以外からの
逆風も吹いております。
 
タピオカミルクティーなど
甘くて飲みごたえのあるドリンクは
カロリーもかなり高め。
 
飲みすぎれば肥満も増え
健康に影響を与えます。
 
 
2019年からシンガポールでは
砂糖を含む飲料の広告を禁止し、
2022年には砂糖規制を発令しました。
 
2022年末に正式実施された
飲料の栄養分類を参考に
上海でも"栄養成分表示"を
 
今年の1月から試験的に開始。
 
 
ドリンク内の
 
非牛乳由来糖分、飽和脂肪、
トランス脂肪、非糖甘味料
 
の含有量に基づいて
AからDのグレード表示がされます。
 
 
まず以下の4つのチェーンで
開始されています。
 
・奈雪的茶
・霸王茶姬
・快乐柠檬
・杭州乐源
 
今、最も勢いのある
チェーンの1つである霸王茶姬。

 
ミニプログラムでは
各商品ごとだけではなく、
「砂糖通常」、「少なめ」など
選ぶオプションにより
グレードの表示が変わります。
 
「砂糖追加しない」だと
グレードBの商品が
 

「砂糖標準」を選ぶとCに変わり

カロリー表示も0から219kcalに変化

今年の1月に試験導入が開始されてから
霸王茶姬ではA、Bグレードの販売比率が
持続的に上昇しているそうです。
 
甘いものが飲みたいなぁと思っても
さすがにD表示のドリンクを選ぶのは
罪悪感を感じそうです…
 
今まで、
ドリンクスタンド業界の健康志向は
 
「体に良いものを摂取する」
 
というマーケティングが多かった。
 
ミルクティーではなく、
ヨーグルトスタンドが流行ったのも
この路線だと考えております。
 
中カツ!通信 第303回 奶茶、咖啡に続けるか?発酵してきたヨーグルト市場
 

確かにヨーグルトもアボカドも
体には良いかもしれませんが、
摂取しすぎれば太ります。
 
トッピングすれば、なおさらです…
 

加糖されたペットボトル茶が
当たり前だった時代から、
 
今では無糖が主流になったように
ドリンクスタンド内の飲料も
健康志向という名のもと
 
砂糖やカロリーオフの流れが
加速していくのだと思います。
 
ただ甘味を感じると、
 
脳内麻薬ともいわれる
β-エンドルフィンがでるため
そう簡単に手放せません。
 
マズローの5段階欲求でいう
生理的欲求と社会的欲求を
刺激して成長してきた
ミルクティーを始めとしたお茶業界。
 
ドリンク業界が脱砂糖の流れの中で
砂糖と投資はどこに流れていくのか?
 
香港風点心?
クロワッサン系パティスリー?
 
甘いものの誘惑には、
気を付けていかなければいけませんね。
 
同時に
 
「これからはダイエット茶ですよ!
人気沸騰中の業態に加盟しませんか?」
 
 
なんていう甘い投資話も、
苦い思いや火傷をしないよう
気を付けていきましょう!
 
今回も、最後までお読み頂きありがとうございます。

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