中カツ!通信 第248号 低調なECセール618の結果から読み解ける中国経済とは?
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予告通り、今回は中国EC2大セールのうちの一つ、618について書きたいと思います。
中カツ!通信 第247号 大人気!カリスマ元塾講師のライブ授業料は米?! EC618
618は創立記念日が6月18日である京東(JD.com)が始めたECセールで、今は双11(ダブルイレブン)に続く中国EC大型セールとして、京東だけでなくEC各社が、この時期にキャンペーン(値引き)を行います。
そんな618セールの生みの親、京東(JD.com)の2022年度の結果は、
総売上額(GMV)が3,793億元(約7.6兆円)に達し去年の過去最記録(3,438億元)を更新!
との発表がありました。
ちなみに618というものの、実際のセール期間は5月31日20時~6月18日23時59分までとなっております。
日本のメディアが『独身の日』とよぶ双11(ダブルイレブン)セールも11月11日の1日だけではなく長期化しています。
最高売上を更新し続けるためか、年々、セール期間が延びていきます。
今年の京東は、去年の6月1日0時から5月31日20時に4時間前倒しです。
20時だと起きている人も多いですから売上スタートダッシュに有利(笑)
手段はともあれ、京東の公表された数値は最高記録となりましたので関係者は胸をホッとさせたことでしょう。
そしてアリババ、拼多多(ピィンドゥオドゥオPDD)のセールの結果はというと、
全体、総売り上げ額の公表なし!
「あぁ、最高売上を更新できなかったから発表しないのね‥‥」
という世間のうわさを否定するためにか
アリババからは
「今年の618もプラス成長です…」
ということが、業者向けの連絡のなかで発表されました。実はアリババは昨年の618も売上を公表しておりません。
そしてアリババだけでなく拼多多も、抖音(Tiktok)も、快手も、つまり京東以外は総売上額を発表していないんですね。
例え最高記録だったとしても、もう公表するメリットも、あまりないのかもしれません…
実際、京東の過去最高!という発表に対しても、メディアの報道は、
「過去5年で最低の伸び率!」
なんて報道になってしまうのです(笑)
京東の新CEO徐雷さんも、「最高記録!イェーイ!」ではなく、
「この19年間で一番、困難な618だった。完璧とは言えないが、満足だ」
と、渋めの発言しています。
ちなみに、それでも10.3%伸びていますからね…
あくまでも、今までの30%を超えるような成長と比べて過去最低ということです。(過去4年32.77%、26.57%、18.7%、43.72%)
でも、なんで618セールで以前のような高成長率が出なくなったのでしょうか?
いろんな理由があると思います。
思いつくところだと、
1)そもそもの世界と中国の景気に影響を受けている
2)コロナの影響で消費傾向が変わっている。
3)ECプラットフォームの分散化が進んでいてセールの日に買う理由が少なくなってきている。
などが挙げられます。
1)そもそもの世界と中国の景気に影響を受けているに関しては物価高、景気の先行き不安、失業率の上昇などでECのセールに限らず消費自体が控えられている。
中カツ!通信 第244号 コロナで例年以上のオカネが流れ込み、風向きはどうなる?
「買わなければ100%オフ!」(不买立省100%)
「消費のダウングレード」(消费降级)
といった言葉は、今年の618でもSNS上で多く見かけました。
2)コロナの影響で消費傾向が変わっている。に、関しては上海、吉林といったロックダウンがあった都市だけでなく北京等でも外出制限が行われました。
外出が減ると化粧品、アクセサリー、靴、カバン、香水、アパレルなどの売上が落ち込む一方で、家で過ごす時間を快適にするための
・お掃除ロボット(自動床拭きロボット含む)
・ノンフライヤー(空气炸锅)
・食器洗い機
の売上が伸びています。
また、上海ロックダウン中に分かったことは、どんなにECと物流網が普及、発達している都市であっても
「ラストワンマイル」どころか「ラストワンドア」の問題は非常に致命的になるということ。
・近くの店に物はたくさんあっても運ぶ人がいない。
・お隣さんのところに物があっても、接触不可で渡せない。
なんていう経験をすると、
「ロックダウンでも自分が自由に動ける範囲内(つまり自宅)に、生活上必要なものは揃えておこう!」
となります。
ロックダウン前までは、
「スマホで注文すれば、なんでも30分で届くんだから自宅には調理器具も冷蔵庫すらも必要ない」
なんて言う人もいたのに、ロックダウンになったら家庭用の2台目冷蔵庫、冷凍庫が大人気に!
さっきも、エレベータで大きい冷蔵庫が運ばれていました。
多くのグループ購入が業務用の大きさでしたし、次にいつ買えるかわからないんで、買いだめするとなると冷蔵庫は必須アイテム。
グループ購入があって冷蔵庫のスペースが足りなくなると、優先順位の低い私のビールやソーダ水が、いつも冷蔵庫から常温スペースに放り出されます…
ロックダウンが終わった今でも、グループ購入は続いています。
先週、私たちの小区で獺祭のアイスクリームを6ケース(144個)共同購入したところ、多くの人が5個、8個、10個と買っていました。
1個45元(約900円)のカップアイスを買いだめするなんて、別に全員が「消費のダウングレード」(消费降级)をしているわけではないことが分かります。
ちなみに獺祭アイスの味についての個人的感想としては、甘酒みたいで美味しいけど900円だったら、他のアイスを3つ食べたいという感じです。
ただ上海の日本料理店で食べたら98元(約2,000円)は、取られるでしょうから自分の家で食べられるのは、やはりお得なのだと思います。
この「インマイルーム(In My Home)」経済は、今後もキーワードとなっていく気がします。
この野村の思い付きの造語(笑)「インマイホーム(In My Home)」経済を少し深堀すると
たんに
「お家時間が増えたから、家電、家具をより快適なものにしよう!」
「外食できないから、(お取り寄せ)良いものを食べよう」
というだけでなく、
「外食、エステ、清掃サービス等の、ある意味、お金で時間を買っていたサービスを、自分でやらなければいけなくなったから省力化しよう」
という傾向でもあるため、お掃除ロボット、家庭用美容器具、ノンフライヤー、半加工料理(Ready to Cook)などが売れているんだと思います。
自分で多少の時間を使う必要はありますが、払うお金としては少なくなりますし、慣れてしまえば移動時間が減る分、トータルの時間的にも効率的になりコロナが終わっても一部では定着していくと思います。
VR機器も含めメタバースのユーザー体験がより進化かつ普及していけば、「インマイホーム」で完結する領域は、どんどん増えていきそうですね。
3)ECプラットフォームの分散化が進んでいてセールの日に買う理由が少なくなってきている。については、ライブコマースの影響が大きいと思います。
中カツ!通信 第247号 大人気!カリスマ元塾講師のライブ授業料は米?! EC618
でも、取り上げたようにライブコマースは確実に消費者の生活に浸透しており、618や双11(ダブルイレブン)といったセール時期以外でも、
「ネット最安値!」
で、衝動的に、お財布を開かせていました。
そうなると「年に2回の大セールが始まるよ!」と言われても
「セールの前に、もう、買ってしまった」
「買いたくても、そもそも、お金がない」
という状況の方もいると思います。
もちろん618でもライブコマースの存在感は、大きくなってきております。
抖音(TikTok)が発表した今回の618に関するデータでも、もの凄い勢いで市場が伸びているのが分かります。
ただ、去年アリババ系のライブコマース売上TOP3の配信者が3人とも、今年は、いなくなってしまったというのは予想外でしたが…
昨年の618では、先行予約として行われた李佳琦のライブコマースで、25.65億元(約438億円)もの売上がありましたので彼がいれば、アリババの売上も、もっと伸びていたかもしれませんね。
中カツ!通信 第195号 ECセール618はオオカミ少年と化したのか?
景気に貢献していたのに、ケーキを契機に刑期なんてことにならないといいんですけど…
さて、618セールで以前のような高成長率が出なくなった原因について、
1)そもそもの世界と中国の景気に影響を受けている
2)コロナの影響で消費傾向が変わっている。
3)ECプラットフォームの分散化が進んでいてセールの日に買う理由が少なくなってきている。
上記の3つを検討してみましたが、皆さんは、どう感じられておりますでしょうか?
「各IT企業でリストラも多いと聞くし、中国EC市場の成長も、これで終わりか。経済成長も微妙だし、中国市場はどうなんだろう…」
なんて思われた方もいらっしゃいますか?
だとしたら、誤解させてしまって申し訳ないです。
そもそも、成長率は下がってきたものの、今でも成長しています!
京東の10.3%という伸びだって350億元(約7,000億円)を割る分母が大きくなっているので成長率が落ちているわけです。
10年前とは中国経済も、EC市場も規模が違います。
中国のGDP成長率目標5.5%というのは絶対額になおすとGDP世界ランキングの19位サウジアラビアや、20位スイスの年間GDP額以上になります。
毎年サウジアラビア、スイス一国分のGDPが、国内で新しく生まれていると考えると中国市場の成長額についての大きさがわかりますよね。
ただ、違うのは以前のように
「ECで出店しおけば、簡単に売れる。」
「日本製品は、なんでも、よく売れる」(これは昔から幻想…)
という、イージーモードではないということ。
顧客獲得の費用は上がり、人件費をはじめとするコストも上がる中で、利益を出すために世界の各企業が競争しているのが中国市場です。
だからこそ
「大きなチャンスをつかむ為にも、今まで以上に本気で取り組むべき!」
というのが私の中国市場に対する考え方です。
大変ながらも、まだ夢がある中国ビジネスに関わる人、ぜひ一緒に頑張っていきましょう!
ということで、最後にビジネスにも役立つ仲間が増えるかもしれないオンラインサロンの告知です(笑)
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++告知、終わり++++
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
今回も、最後まで、お読みいただきありがとうございます!
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