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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

第166号 蘇州で和服を着た中国人に非難殺到?

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第166号 蘇州で和服を着た中国人に非難殺到?


こんにちは中カツ!通信の野村です。

前回の配信

中カツ!通信 第164号 日中関係の未來は明るいのか?

では敢えて取り上げなかったのですが、やっぱり日中友好を願うものの一人として、現実を直視すべきだと思いなおしました。

それは何かというと、11月17日に発表された

第16回 日中共同世論調査 結果

https://www.genron-npo.net/world/category/cat345.html

11月21日、上海交通大学でのスピーチイベントTell+Japanでも上海日本領事館の福田さんが冒頭の来賓挨拶にて取り上げておられました。

日中に関わる人間としては知っておいたほうがよい数値です。

(表は上記リンクHP内から転載)

互いに相手国の印象 「良くない」が

・中→日が52.9%(横ばい)に対して、

・日→中は89.7%(5ポイント増加)

日中でアンケート回答者の母集団の年齢層に違いがある(中国は50歳位以上が23.1%に対して、日本は53.4%)ことは少し気になるものの、それだけでは説明がつかないほど日本→中国の印象が良くないんですね。

これは私の周りの日本人からすると、想像しがたい空気感です。

言論の自由が保障されているなかで89.7%が選ぶって逆に同調圧力?と違和感すらあります…

中国の日本に対する印象は2013年に大きく落ち込むものの、調査が開始された2005年の「良い」が11.5%から比べると、大きく改善されています。

上海で40代以下の方とお話をしていると、小さい時に日本のアニメをみて育ち、実は最近のアニメや漫画もみているという人も多く、二次元の話で一気に打ち解けることもしばしば。

そして影響を与えているのはアニメだけではありません。

蘇州の日本人居住者が多いエリアの淮海街で日本をイメージした改修がなされました。

蘇州高新区日本事務所のHPによると

https://snd-jp.com/news20200928/

全長550mの通りに数多くの日本料理屋がならび、日本をイメージさせるオブジェもあるとのこと。

SNSでは若い女性を中心に和服(浴衣)姿に身を包んだ多くの投稿をみることができます。

「コロナの影響で日本に行けなかったので、日本の風情を感じられるところで楽しんでます!」

という感じのノリです。

ただ、投稿に寄せられるコメントは前向きなものだけではなく、

「なんで中国人が日本人の和服を着るんだ!」

「歴史を忘れたのか!」

というものも散見されます。

ちょうど土曜日に蘇州でのセミナーに参加する機会がありましたので、

・本当に和服を着た人はいるのか?

・もう一年近く帰国できていない私も日本の風情を感じられるの?

を確かめに行ってまいりました。

道頓堀のイメージか?入り口すぐにカニが覗いています。


土曜日の昼12時過ぎだというのに通りの人影は、まばらです…

SNSで投稿されていたのが和服というか浴衣なんで、この時期には厳しいだろうというのは覚悟していたのですが、人がこんなに少ないというのは予想外でした。

あとから蘇州の友人に聞いてみると実は11月20日頃に天津でコロナ感染者がでた際に過去の行動履歴を調査したところ11月7日に蘇州にも遊びに来ており、この淮海街で食事もしていたということで、一気に来客が減ってしまったようです。

また和服については以前は淮海街の複数店舗でレンタルをしていたそうなのですが、やはり批判を浴びてレンタルも自粛となったとのこと。

確かに交差点のディスプレイ看板に、中国国旗が表示がされているなんてコンセプトとズレがあるなぁと感じました。

 多少なりとも忖度がはたらいているということなのでしょう。

和服の総称としても使われる呉服。この呉服の由来は絹の一大産地であった呉から入ってきたとしてつけられた名称。

しかも呉はまさに今の蘇州を含みます!

もし淮海街で

「何で和服を着ているんだ!」

と非難されたら、

「和服じゃなくて呉服を着ているんでーす」

と言い返してみたらどうでしょう?50代の人でも日本の一休さんをアニメでみたことがある人は多いので、トンチに感心して笑顔になるかもしれません。

ちなみに、この呉服の由来について呉とは三国志の時代、日本では卑弥呼の時代ですから当時、実際に日本で呉服を着ている人はいません。

外国産の高級生地を使っていますという意味で「呉」が使われたようです。現在でいう「イタリアスーツ」みたいな感じですかね。

和服姿をみれずに少しさびしい気持ちになったものの、せっかくきたので日本を感じられるスポットはないかとウロウロしていると、よさげな店が。


店内外には約270台のガチャガチャが並んでいます。


日本で大人気中の気滅の刃のフィギュアや、無料でコスプレできる羽織と刀が置いてあります。




そして店内も、やはり人は少ない…

本来の目的であった素晴らしいセミナーも終わり、友人と楽しくお酒を飲んでいると、夜は人通りが多くなるとの情報が。

勢いで、もう一度確認しに来ました。

確かに人も増えて賑やかさが増しています。

先ほどのガチャポンの店も大賑わい。

和服は出会えなくても、コスプレしている姿はみれるかもと期待しての再来店だったのですが、相変わらず誰も見向きもしていません…

鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス

という悠長な時間はありません。

まぁ日本で大人気中の気滅の刃、

そのコスプレも日本を感じる一つの手段かと思い立ったら、お酒の力も借りて

恥の呼吸 壱ノ型 「いいから早く撮って!」

呼吸の全集中どころか、周囲の若い中国人の視線の集中が突き刺さるように痛かったです…

 

日本であれば、全世代で、あれだけ盛り上がっているので、これくらいは普通ですよね?

どうか、そうであって欲しい…

羽織りも和服みたいなものだと拡大解釈すれば、当初掲げた

「和服をみかける」

「日本を感じる」

という二つの目標とも無事に達成できました!

その後、蘇州では感染者も無く、特に心配する必要ないと思われますので、中国国内の皆様は是非、日本を感じに?淮海街に行ってみてください。

あと、もう一つ気になるものが…

日本街で検索した時にヒットした広東省佛山市にある通り。

歌舞伎町を模したようなのですが、いろんな意味でやりすぎ感があります。


ギラギラのネオンの中に、ちりばめられる日本語

「いっしょうけんめいのんびりしよう」

「天下一武道会」

これは偽物テーマパークとは別の意味でインパクトあります…

「時は大海賊時代 ワンピース 尾田栄一郎」

海賊版の王様という意味であれば、かなりイイ線まできていると思います…

ただ商標管理が厳しくなってきた今日この頃では、多くの看板がそう遠くない未来に撤去されるんだろうなぁ…

期間限定ポップアップ店舗ならぬ、ポップアップ通りになってしまう可能性もあります。できることなら、このお祭り感が残っているうちに現地にいってみたいです。

日本にもない、日本を感じられそうです…

11月30日以降、日中のビジネス渡航が緩和されるというニュースがでました。

隔離無しでの日中の旅行渡航ができるようになれば、お互いに現地で人と文化に触れあうことができるようになります。

日中の友好のためにも早くコロナが収まってほしいですね!

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

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