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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第275回 あなたは何個、知っている?流行語で振り返る2022年

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こんにちは。中カツ!通信の野村です。

今年も、残すところ半日あまり。

2022年も中カツ!通信を、ご愛読頂きありがとうございます。週次配信なので52回を発表してきました。
 

一番読まれた記事は、4月ロックダウンが始まったばかりの下記の記事

中カツ!通信 第236号 上海ロックダウンでもロックンロール
 

一番少なかったのは、この記事でした(なんでだろう?)

中カツ!通信 第231号 北京オリンピック選手の活躍の裏で”金”を稼いだ企業とは?
 

そして一番反響が多かったのは… 文末に!
 

ということで、今年の最終号は、恒例の「咬文嚼字」発表の十大流行語で振り返りたいと思います。

あなたは何個、知っていますか?

知らなくても大丈夫!

今回、一緒に学んで、2023年の新年挨拶には使ってみましょう!

ちなみに2021年より前の流行語は、以下をご参考ください。

中カツ!通信 第220号 あなたは何個知っている?2021年中国10大流行語

それでは、早速2022年の流行語を見ていきましょう。

1、踔厉奋发(chuō lì fèn fā)、勇毅前行(yǒng yì  qián xíng)

中国共産党第二十次全国代表大会のテーマにも入った言葉。

「精神的に奮い立たせて、勇敢毅然に進む」という意味。現代社会主義国家建設において、党の指導のもとで各民族の人々が団結し、中華民族の偉大な若返りを促進するために奮闘する精神を表しています。

2、中国式现代化

習総書記が、中国共産党創立100周年記念大会の演説で、「中国式現代化」つまり中国の特色ある社会主義を堅持・発展させると宣言。
「中国式現代化」は中国共産党が主導する社会主義的近代化であり、中国の特色と中国の現実に即した近代化であり、中華民族の偉大なる復興に向けた道であるとしています。
確かに14億人という巨大な人口を抱える大国の現代化は、直接、参考にできる過去例はないため、共同富裕も含めて中国の実情に合わせた舵取りが求められます。
3、新赛道
”赛道”の元々の意味は、競争のトラックのこと。経済分野における「新赛道」といえば、新しい技術や、新しい産業等の競争分野を指します。
第二十次全国代表大会の報告では、「新分野と新領域を開拓し、発展のために新しい優位性を絶えず形成する」と指摘しました。
メタバース、Web3など、来年は、どんな「新赛道」に更なる注目が集まるのでしょうか?

4、大白

白い防護服を着て「コロナ戦線」の最前線に立つ医療スタッフやボランティアのこと。コロナ管理対策の実施者として、医療施設の中だけでなく、居住区内でもPCR検査のサポート、荷物の運搬等、多方面において生活を支えてくれました。

上海ロックダウン時は、彼らの存在なしに生活を維持することは不可能でした。

ただ昨今のゼロコロナ政策の転換により、街中で見かける機会は減少してきています。

「大白」の皆様には、心から感謝するとともに、もう流行語になるような事態が起きないことを願います。

5、烟火气

古文に由来し、その原義は「食べ物を、調理するときの匂い」を指します。2022年の大学入試の作文問題の一節に、「煙火気」は、国の温もりや平和、国民の生活の象徴であり、党や政府が守るべき大事なモノとされて注目を集めました。

個人的には、日本の神話にある仁徳天皇の「夕方だというのに、国中に、かまどの煙が立っていない。民はみな貧しいのであろう。これから三年の間は、人民の税と使役をすべて免除して、国を富ませなくてはなるまい」という「民のかまど」の話を思い出しました。

6、天花板

天井の意味。物理的な天井という意味から、「最高点、上限、トップの人」の比喩として使われるようになった。

「颜值高的天花板」といえば、「イケてる顔の最高値」、

「メッシはサッカー選手の天花板(天井)だ」

みたいな使い方をします。

7、拿捏

 上手くとらえていること、掌握していること。対象は人であったり、タイミングであったり、物事であったり広く使える。

日本語で言うと「バッチリ」みたいなイメージ?

8、雪糕刺客

アイスの刺客。

中カツ!通信でも取り上げましたね!

中カツ!通信 第250号 要注意!紛れ込む、冷たい〇〇の刺客

値段表示がされていなくレジに持っていったら想像以上に高かったけど、戻すのも恥ずかしいので渋々、買うことになったというようなことから、この言葉が流行りました。

この後、各種売場で値段表示が、きちんとされるようになり、現在、刺客にやられることは少なくなってきています。

9、精神内耗

精神的摩耗。この激動の時代、生きていくのは楽ではありません。時には精神がすり減ってしまうこともあります。

そんな中、

「回村三天,二舅治好了我的精神内耗」(村に3日帰省したら、叔父が私の精神的摩耗を癒してくれた)という動画がバズりました。

様々な、不運にあいながらも、素朴に前向きに生き続けていく叔父さんの姿が、精神すり減り気味の多くの若者の癒しになりました。

10、沉浸式

沈み浸かるという文字通り没入している状態のこと。
「沉浸式読書」といえば、「勉強に没頭している」ということ。
ヘッドマウントディスプレイなどのVR設備を使って、視覚的、聴覚的にのめり込んでいる状態を指す時などにも使われます。
さて、10個みてきましたが、皆さんの周りでは、流行っていた言葉は、ありましたか?
私は、毎年、流行語の記事を書きながら、流行と関係ない生活を送っていることに気づかされます(笑)
今回、流行語の発表の補足として、流行ったのだけれど選定から漏れた3つの言葉が紹介されていました。
その3つとは
 
落選① 摆烂  
投げやりになる、やけくそになる、自暴自棄になる。躺平が「寝そべって、何もしない」なら、摆烂は更に一歩深い、あきらめの態度。
落選② 退退退

駐車場所を探していた男性が、路上で果物を売っていた、おばちゃんに場所を空けるよう注意したところ、逆に、おばちゃんから魔法のようなしぐさと掛け声で

「退退退」

と退けられた、動画がバズりました。

落選③ 冤种
元々は東北地方の方言で、自分が不当な扱いを受けたために、すねている人のこと。
これらの落選した理由は、①と③はネガティブな使われ方だから…
②そのものはネガティブな利用シーンではないものの、ネガティブな連想をさせる字のならびだから…
こういう理由も、流行語の選定基準の一つなんですね…
ちなみに国家語言資源研究センター他で組織する汉语盘点が発表した、
今年の世界を表す漢字は「戦」、言葉としては「俄乌冲突(ロシア・ウクライナ衝突)」

国内を表す漢字は「穏」、言葉としては「党的二十大(党の第二十回大会)」


皆さんの2022年は「戦」と「穏」の、どちらが近いですか?
日本の今年の漢字も「戦」が選ばれました。
自身の今年を振り返ってみると、やはり「穏」ではなく、それなりに、現実と「戦」ってきた一年だったと思います。
 
さて、冒頭で前振りしておいた2022年、一番反響が多かった中カツ!通信の記事は、
 
中カツ!通信 第237号 上海のコロナ魔封波の前に自分が封じるべきものとは?
 
でした。たしかに、今読み返しても精神内耗状態で、戦っていたことが分かります(笑)

来年も、どんな予想外のことが起きるか分かりませんが、
今年よりも良い年にするために、皆で頑張って「戦」っていきましょう!
本年も、最後までお読み頂きありがとうございます。

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