中カツ!通信212回 大量の子供PCR検査とPRADAから見るポストコロナの長期連休
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中カツ!通信212回 大量の子供PCR検査とPRADAから見るポストコロナの長期連休
こんにちは、中カツ!通信の野村です。
前回は国慶節7連休について私個人のミクロな経験を紹介いたしました。
中カツ!通信 211回 国慶節の帰省とキャンプで感じた自然と不自然
一方で日本の方から
「旅行全般的に景気回復しているのか?」
「感染は再拡大していないのか?」
という質問がありましたので調べてみました。日本と中国では様々な諸条件が違いますので、「日本が将来的にこうなる」というわけではないことをご了承下さい。
文化旅行部の発表によると10月1日から7日までの国内旅行延べ数は5.15億人となり、コロナ前の国慶節と比べると約70%、収入は3890.61億元とコロナ前の約60%にとどまりました。
トレンドとしては、地場旅行、周辺・近郊旅行となっており、近くのリゾート型ホテル、高品質の民宿、マイカー旅行、モーターホームでのキャンプ等が人気だったようです。
この省を超えない旅行が主流というのには、個人のマインドだけでなく外部要因もあります。
上海の多くの公立幼稚園、学校では
「上海市の外に出た場合は、10月8日に通学する48時間以内のPCR検査の陰性証明をだすか、14日間自宅隔離」
という通知がでておりました。
ちなみに中国国内の最近の新規感染者数状況はというと
(出典:NHK特設サイト https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/)
上記のように、ほぼ0もしくは多くても全国で二けたの感染者という落ち着いた状態が続いています。
このような状態であっても、子供にPCR検査の実施をさせているわけです。
大人はワクチンの接種も進んでおり、スマホのGPSで行動履歴が把握できているのに対して、子供はスマホもワクチンもない人が多いからの措置なのでしょうか。
この通知のせいで、連休後半、上海の病院では子供にPCR検査を受けさせるための大行列。
私の自宅近くの病院でも、一時間待ちでした。
上海の空港や新幹線の駅に近い同仁病院では、上海の自宅に帰る前に直接病院に来る人も多かったらしく、スーツケースを持ったまま並ぶ人も含めて予約がないと2時間以上の待ち時間。
PCR検査実施数は午前中だけで4000人以上とのこと。処理能力の増強だけでなく、一部の病院では対応時間も延長しており24時間対応する病院や、通常よりも早く6時間、3時間(+140元)で検査結果を出してくれる病院もあるそうです。この6時間で報告を出してくれるところは、今後も急な出張で必要になった場合などに活用できそうですね。
スマホを持っている大人の場合はPCR検査の結果は、スマホで管理されている健康コード(リスク地域への14日以内の渡航記録)の画面でワクチン同様に見ることができます。
ただ子供の場合は24時間後以降に病院にある自動プリンターに結果を取りに行く必要があるため連休の最終日でなく、その1日前に早めに上海に戻ってきて検査を受けに行く家庭が多かったようです。
私も一緒に検査をしてきましたが、周囲に聞いていると大人の提出義務がない会社の方が多かったようです。
このように面倒くさいPCR検査を覚悟で省外にでる人気の観光地となると、どこなのでしょうか?
左の棒グラフが受入れ人数で右の折れ線が昨年からの伸び率になります。
トップはコロナで一躍有名になった武漢、
そして成都、杭州と続き4位は昨年から103%伸びて2倍以上になった上海です。
旅行者だけでなく、どれくらいの観光収入をもたらしたのかという統計もありました。
左が観光の収入総額で、右が一人当たりの単価となります。
上海は観光収入総額、一人当たり単価も1440元でトップとなります。
この表で一番単価が低い合肥と比べると10倍以上の差です。上海はディズニーを例にしても高い理由がすぐに思いつくものの、合肥の141.9元って…
また海外旅行が自由にできなくなってから注目を集める海南島の海口市も一人当たり単価が1381元と高くなっています。
でも、この金額だと免税店での買い物額は含まれていないんでしょうね。
特別措置で10万元までは免税ですので、もっと爆買いされてぶっちぎりで単価トップになっていてもおかしくありませんので。
地元で過ごす国慶節として上海でも国慶節期間中に注目を集めた場所がありました。
それは
「野菜市場」
もちろん、ただの野菜市場ではありません。ラグジュアリーブランドPRADAとの期間限定のコラボイベントで、野菜市場の入り口は、いつもとは違う様相に
内装だけでなく、商品もPRADAのラッピングがされ、
20元以上購入すると限定品の紙袋がもらえるということで、普段は野菜市場なんかには寄り付かない、たくさんのSNS好きが殺到し大盛況。
ただ、普段この野菜市場を利用している近郊の住民にとっては、わけもわからず大混雑で、しぶしぶ遠い市場に買いに行かざる得なかった人がでたそうです。
他にも問題視されたのが、SNS用の写真を撮り終わったら、買った野菜をそのまま捨ててしまう人がいたこと。
このキャンペーンに殺到する人は、そもそも野菜を買いたいわけでもなく、PRADAのファンでもないんだと思います。
ただ国慶節のSNS上での話題作りが欲しいだけで、これが野菜市場でなく、釘やネジの市場でも、ブランドがGUCCIでも同じようなことが起きたのではないでしょうか。
PRADAで包装された商品の写真を撮って、中身の野菜を捨てるっていう人は、
「外見は有名ブランドの服を着ているけど、中身の私は捨てられてもいいゴミみたいなもの」
っていう価値観を暴露しちゃっているようで非常に恥ずかしいと思うのですが気づかないのかなぁ…
せっかくの7日間という長期休暇だから、普段はいけない遠いところに行こうというよりも、SNS上での存在感が示せれば別に場所はどこでも構わないという人もいます。
今後、メタバースなど仮想世界での経験や人間関係の比重が自分の中に占める割合が増えてくると、そもそも時間をかけて遠いところに移動してこそ味わえる体験の相対的魅力が落ちていってしまうのかなぁ…
すでに、食べ物に関していえば物流の発達で上海にいたまま世界中のいろんなものが味わえますし、越境ECで世界各地の品物も購入できます。ビデオチャットでのコミュニケーションも、ほぼ無料でできます。
コロナが世界的に落ち着いて、世界中を自由に旅行できるようになるまで、あと何年かかるのかはわかりませんが、それまでの間に
「自分で行くのではなく、物や(仮想)体験が来てくれる」
というのは今後も進んでいきそうですね。
そんな中、私自身のPCR検査の結果はスマホには1週間たっても来てくれません…
まぁ、もし陽性だったら24時間を待たずにスマホへの通知どころか、誰かが自宅まで来ているはずなので、
「便りがないのは、よい便り」
ということで、あえて自分からは取りに行かなくてもいいのかと。
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