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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第194号 やっと接種。ワクチンは打つから吸う時代へ

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こんにちは、中カツ!通信の野村です。

週末にとうとうワクチンを受けてきました。

4月下旬の記事でも書いたように

中カツ!通信 第187号 一緒にニャンニャン?アメとムチのワクチン大作戦

外国人向けの接種ができるという知らせがあった時に、すぐに申し込みをしていたにもかかわらず、連絡は一切なく後から確認してみたら

「もう、あの申込システムは使われてないから新しい別のシステムで申し込むように」

とのこと…

新しいシステムでは自宅か会社の住所を入力すると、その区で外国人が接種可能な病院が表示され、その病院の1つを選んで接種可能な日時から予約をするという順序になっていました。

ところが私の自宅と会社がある上海市普陀区では2つの病院が表示されるものの予約可能な日時の枠が非常に少なく、全て満員でとれません。


そんななか幼稚園や居住委員会から妻へのプレッシャーが増してきます。

毎回、上記の

「だって予約取れないんだもん」

を口実にしていたのですが、居住委員会のおばさんから

「外国人でも登記(予約の一歩手前)までしていれば予約なしでも99%大丈夫。あそこの病院のワクチン接種は、今はヒマなはずだから」

とのアドバイスがあり、そこまでいうならと思い、ある朝病院に行ってみました。

確かに人も多くなく2人しか並んでおりませんでした。

私の受付の番がきて自然にパスポートと携帯の画面を見せたのですが、

受付:「今日は外国人の日じゃないでしょ?日時予約はいつ?」

野村:「えっ?、予約しなくても打てるようになったから早く行けって居委会に言われたんですけど…」

受付:「日時予約してないのに打てるわけないでしょ」

野村:「でも居委会が99%大丈夫だから、早くいけと言うので…」

受付:「それはデマだ。そんな理由を聞いてきた外国人は一人もいないわw」

と、情弱の外国人が来たよw みたいな対応でした。

野村:「でも、普陀区は全然予約取れないじゃないですか!」(笑われた気恥ずかしさから、少し語気は強め)

受付:「毎週の木曜か金曜の夜に日時枠を少し出すから、それをチェックして」

野村:「次回の枠は多いですか?今回6月1日の30分しか枠がなかったですよ」

受付:「いや、今後も多くない。だったら長寧区で申し込めば?」

野村:「会社、自宅とも普陀区なんで選択できないですよ」

受付:「会社と自宅の住所じゃなくても、長寧区を選べばいい」

野村:「選んでいいんですか?」

受付:「没问题!」

ということでアポなしワクチン接種はあえなく撃沈したものの地区は別に関係ないという確認がとれました。

病院を出てすぐに妻に電話し居委会のおばさんに「軽々しく99%とか言うな!恥かいた」と文句をいうようにお願いをしたのは言うまでもありません。

今回はゆかりのない別の区ではあるものの、きちんと日時予約の申し込みをして病院にやってきたのです。

他の日本人からも大丈夫だという情報を得ていたものの、心の奥底では今回も

「なんで別の区から来ているんだ?デマ信じちゃダメでしょw」

と苦笑いされることに怯えながらのチャレンジです。

並んだ時間が無駄骨にならぬよう直接受付の人に聞こうとしたら、

ルールが分かっていない外国人だと思われたのでしょう中国語で聞いたのに

「あちらの列に並べ」

と英語でいわれます。

やっと自分の番が来て若い看護婦と通訳ボランティアに確認すると、

”システム日時予約がとれている時点で、問題ないとのこと”

受付の雰囲気はとても和やかで、日本のパスポートを見せて日本語の書類を記入している間も

私の中国語に台湾訛りがあるため

看護師「台湾人ですか?」

英語通訳「私も、そうかと思ったw」

などと、前回の鼻で笑われたのに比べるとかなりフレンドリーです。

その後は受付で100元のお金を支払いワクチン接種までは非常にスムースで、一部屋で7人くらいの接種者がいて次々と外国人に針が打ち込まれていきます。

次回のワクチンが同じもの打たれるように、写真を撮っておきます。

注意事項を確認され全部で2分くらいの時間で終わります。

24時間以内はお酒、お風呂がダメ。一週間以内は海鮮や辛いものなど刺激物は控えるようにとのこと。

改めて、なぜお風呂がダメなのか理由を聞いてみると、

「注射した傷口から感染する可能性があるから。傷口に触れなければ顔や頭を洗うのはOK」

とのこと。理論的には半身浴も大丈夫なんですね!

終わると下のようなステッカーを身体の目立つところに貼られます。接種した日時と経過観察終了時間が記入されております。

接種後は別スペースで30分待機。室内と室外が用意されております。この日は暑かったため殆どが室内待機。


上海の現状では感染リスクも低いので、マスクをつけない赤ちゃん帯同なんていう方もいらっしゃいました。

別に30分待たなくても帰れるんじゃないかと思っていたら、ちゃんと出口のところに警備員と白衣の方がいて、30分経過したかを先ほどのステッカーでチェックしたり(しなかったり)しています。

この白衣の方にお話を聞いてみると、

現在はこの病院で1日に1500人弱の外国人が接種しているとのこと、最初は2000人くらいだったから少し余裕がでてきているそうです。

ただ宝山区では第二回目接種を優先すべく第一回目接種は停止となり他の区もそうなるかもしれないので、受けていない外国人は早めに受けたほうがいいよとも言っておりました。

「各区でKPIがあると聞いていますけど大丈夫なんですか?」という質問には

「長寧区は、もう目標達成しているから大丈夫。固定の施設以外に移動式の接種バスを土日もだしている区もあるけど、長寧区は土日はバス休みでも大丈夫。この病院では接種した人への景品も配らないしね」

と余裕な感じでした。

百度で調べると確かに5月から移動式接種バスが運用されております。https://baike.baidu.com/item/%E7%A7%BB%E5%8A%A8%E7%96%AB%E8%8B%97%E6%8E%A5%E7%A7%8D%E8%BD%A6/56993815?fr=aladdin

このバスは最新設備が搭載されており、紫外線の消毒灯、5G通信、高性能カメラで顔認識、体温測定をしており異常があればアラームが出るようになっているとのこと。1000本のワクチンが2-8度で管理できる冷蔵庫付きのEV車であります。

白衣のお兄さんとの話に戻すと、

「でも、上海はもう感染者もでていないし安全ですよねー」

と気軽に聞いてみると

「いや、さっき接種したビルの4階に11人陽性者が入院しているよ」

と衝撃の回答が!

マスクを付け直して、どういうことか聞いてみると

「抗体陽性で隔離されている人がいる」

とのことでした。最近、一部の地域ではPCR検査だけでなく抗体検査も含めたダブル陰性証明を求められております。接種後になんらかの必要性で抗体検査を受けた人が反応がでてしまうい隔離されているようです。

「でも他の方法も加えて検査すれば隔離は必要ないんじゃない?」

「11人の国籍は?中国国内でワクチン接種した人?」

など、気になることはあるものの、相手の表情からも、なんとなくこれ以上、この話題は聞かないほうがお互いのためという雰囲気がでてきましたのでやめておきました。

最後に

「今後、半年ごとにワクチンを打ちに来るのが続くとしたらお仕事も大変ですね」

という私のことばに

「そのうち吸入式のワクチンが始まるから、そしたらワクチン接種もだいぶ楽になるよ」

というコメント。

調べてみると6月3日の2021浦江创新论坛全体大会にて中国工程院院士、軍事科学院研究员 陈薇さんから現在、吸入式のコロナワクチンを申請中という発言がありました。

注射に比べて5分の1の用量で粘膜免疫を形成できるとのことでワクチンの生産圧力も緩和されます。

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1701594767410388459&wfr=spider&for=pc

日本でも北里大学で研究されていることが2020年7月24日のNHKニュースで紹介されており、注射によって血液中で抗体を作るよりも効果が高いとされております。

注射が必要無くなれば、現在日本で課題とされている接種する人の医療資格問題も緩和されそうです。接種は息を止めて数秒まてば良いだけとのことで、時間当たりの接種数も増加しワクチン接種が常態となりそうな今後にとっては大きな期待がされます。

コロナだけでなくいろんなワクチンを霧状にして混ぜて一回で何種類のワクチンを同時接種とかできたらすごく便利ですよね!

またワクチン接種が常態化するなかで詐欺も増えているそうです。

中にはワクチンを接種した後にショートメッセージで

「あなたにワクチン注射をしたナースです。あなたが初恋の人にすごく似てて、今度ちょっと会いませんか?」

というのもあるとのこと。詐欺注意を促す文章には

“好事为啥会轮到你?”(なぜ自分にラッキーなことが回ってくるのか?)

“你配不配拥有网恋?”(オンライン恋愛ってガラか?)

“自己的身材值不值得美女和你坦诚相见?”(自分の外見が美女から会いたいと言われるほどのものか?)

という現実を突きつける注射以上に痛い忠告が書かれていました。

非日常であるワクチン接種で

「注射と一緒にキューピッドの矢が刺さっちゃったかも?」

と異常な副反応で騙される恋愛免疫がない被害者が増えるのを防ぐためにも吸入式など効果的なワクチンが日常的に短時間で接種できるようになってほしいですね。

私は今のところ体調に副反応はないのですが、今回の中カツ!通信の文字数が増えたのはワクチンで精神的に高ぶっていたからかもしれません。

本日も最後まで長文にお付き合い頂きありがとうございます。

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