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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第270回 W杯があるのは、中国のおかげ?!

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ボールは友達の皆さん、こんにちは。中カツ!通信の野村です。

今はサッカーボールより、ゴルフボールの方が仲良くなってしまっていても11月23日のドイツ戦を観たという人は多かったと思います。

私もキャプテン翼を観てサッカーを始めた世代ですのでドイツの強さは、あの時代から刷り込まれております。

家族が寝室に入った後に一人でTVを静かにみていたのに、逆転した瞬間は思わず声が漏れ、勝利した瞬間は、胸がジーンと熱くなり

「日本代表おめでとう!明日から自分も、もっと頑張ろう。」

と缶ビールを開けてしまいました。

今回の日本のドイツへの逆転勝利を喜んだのは日本人だけではありません。

Wechatのモーメンツ上には、逆転したあたりから投稿が相次ぎ、勝利してからは、

「太精彩了,亚洲之光」(素晴らしい、アジアの光)

といった、珍しく日本が賞賛されるコメントがならびました。

私の交友関係が日本関連に偏っているからだけではなく、翌日のホット話題ランキング10にも、3つ入っておりました。

日本戦前日のサウジアラビアのアルゼンチンへの大金星の時に、使われた賞賛の言葉である「亚洲之光」は、日本の後、イラン、そしてオーストラリアの勝利にも広く使われ始めています。

この「アジアの光」というメッセージは、単なる賞賛だけでなく、

「アジアの他の国がワールドカップで勝てるんだから、中国サッカーも、まだ成長できるはずだ」

という自国チームへの期待も含まれています。

というのも、中国は2002年の日韓大会以来、ワールドカップに出場できておりません…

ただ、既に中国はサッカー大国です。

今回のワールドカップの注目度も高く、2022年4月13日に発表された「2022年中国足球球迷行为洞察白皮书」によると

2億人のサッカーファンがいます。




視聴者が多いとなれば、当然、企業も注目をします。

家電のHisense(海信)、不動産の万達、乳業の蒙牛、スマホのvivo、人材仲介サイトのBOSS直聘などが開幕戦のスポンサーに加わりました。

大会全体でも、中国企業が投じたスポンサー料は約13.95億米ドル(約1953億円)におよび、国別で1位となりました。

また抖音(TikTok)が生放送の配信権を獲得するのに使った金額は20億元(約400億円)を超えるといわれております。

前回のドイツ戦の時は、試合開始後に抖音で「世界杯」と検索すると、肝心のライブ配信が見つからず、

会場の外で観戦している様子のライブ放送や

ドイツ対日本戦のゲームが生放送されている


分けわからない、チャンネルばかりで、あせってTVに切り替えました。

この便乗チャネルを間違って観てしまった人が私以外にも1万人以上(笑)

抖音のライブ配信チャネルが見つからなかったのは、アプリを更新していないことが原因だったと分かり、更新した後のコスタリカ戦は、スマホ上で観戦です。

通常の観戦以外にも、弾幕を表示できたり

各チームの選手名とポジションがみれたり

他にも観たいカメラのアングルを、日本選手、コスタリカ選手、ベンチなどから選ぶことができたり、解説者も複数から選ぶことができます。

本当に快適だなぁと思っていました。

コスタリカに1点取られる前までは…

2連勝したら

「アジアの光が、輝き増量中!」

というタイトルにしようと思っていたのですが、ひとまず来週まで、おあずけですね…

ということで、本日はビールでなく、コーヒーを飲んで、気を取り直して話を戻しましょう。

今回のワールドカップ、中国はピッチの外では、その存在感の大きさを存分に示しています。

例えば、日本のニュースでも

「ドイツ戦の勝利を予想した天才」

と話題になったパンダは、カタールのワールドカップ開催記念に中国から贈られたものです。

2匹のパンダは日本戦以外にも、何試合かを当てているそうです。


パンダ外交のお仕事お疲れ様です。

可愛らしい外交官の他にも、カタールには

・ルサイル・スタジアムの建設

・ファン用のコンテナ式簡易宿泊施設1万セット以上

・電気自動車仕様のバス1,500台以上

のMade in Chinaが納品されております。

カタールを離れて世界に目を向けると

ワールドカップの関連グッズのうち70%は中国の義烏製

との報道もありました。

このような状況に、中国メディアやSNSでも自嘲的に

「ワールドカップは中国製であふれているのに『中国代表チーム』だけが欠席している…」

という表現がみられます。

現在のFIFAランキングが79位(日本は24位)ですので、確かにワールドカップに出場するためには、まだ壁がある状態です。

中国では、2015年に

《中国足球改革发展总体方案》(中国サッカー改革発展総体法案)

という政策もでており、サッカー会場の整備から人材育成まで発展の道が示されております。

第31条 には精心打造国家队(入念に代表チームを作る)と書かれてあり、

「国家の名誉と社会的責任感を高め」

「国のために一生懸命戦い栄光を勝ち取ることのできる代表チーム」

「国民の信頼を集め、若者の情熱を刺激し」

等の大きなプレッシャーを感じる言葉が並んでおります。

もちろん、ただのプレッシャーだけでなく、強い代表チームを作るために、全国各地でサッカー施設が建設されたり、サッカー人口のすそ野が広がるサッカー教室が増えたりしています。

以前に元日本代表の岡田監督も中国のプロチームの監督をしていたように、外国人指導者や外国人選手を、中国によんでレベルを上げていこうという試みもされています。

2億人のサッカーファンがいて、競技人口が増えて政策的なサポートもあれば、海外でも通用する優秀な選手が増えてきて、今後は中国代表チームも強くなっていくと思います。

一方で、国内の中国スーパーリーグでは、8チームで選手への給与未払いがあるというニュースがでました。

河北チームの選手は2年も給与をもらっていないとインタビューに答えた人もいるとのこと…

サッカーを一大商機ととらえて、民間資本が一気に盛り上がったところの反動が出ているともいえますね。

このような現象は、攻めていたと思ったら一気にカウンターをくらうサッカーと似ているかも。

それとも、必要以上に、前に出すぎちゃったという意味ではオフサイドでしょうか?

まぁ、あせらずに着々と進めていくのが良いのではないでしょうか。

だって中国はFIFAが認めたサッカーの発祥地ですから!

根拠は民名書房じゃないですよ(笑)

サッカーの起源は、約2,300年前の春秋戦国時代に行われた蹴鞠(けまり)という説を主張する博物館に、2004年に FIFA の会長のブラッター氏が認定書を送っており、

2005年5月20日には、スイスのチューリッヒで行われたFIFA100周年記念式典の閉会式で、ブラッターFIFA会長は、サッカー発祥の地「临淄」に「サッカー起源証明書」を発行しています。

サッカー大国であり、歴史もあるわけですから、今すべきなのは、全国のサッカー競技者がコロナを心配せずに、集まって練習できる環境を整えることですね!

早く、PCRという友達(?)とは疎遠になりたいです…

今回も最後までお読み頂きありがとうございます。

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