中カツ!通信 第196号 新商品成功率7割!驚異のヒットメーカーTMIC
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こんにちは、中カツ!通信の野村です。
前回の中カツ!通信
中カツ!通信 第195号 ECセール618はオオカミ少年と化したのか?
に続き今回も618で気になったことを紹介します。
618セールスの1日から15日までのTMALLの売上統計(予約販売含む)で
459もの新しいブランドが商品小分類で売上の1位を獲っている
というニュースがありました。
中国のEC市場は世界の各メーカーがしのぎを削るメジャーリーグのようなもの。そのトップのアリババのTMALLの小分類と言えども売上No.1になるのは、そう簡単ではありません。
そういった環境で設立から数年以内の新興ブランドが初参加の618で一気に一位を獲るというのは起業を目指す人にとっても、投資家にとっても夢のある市場ですよね。
このように雨後のタケノコのように新企業がでてくる中で歴史ある大手メーカーはイノベーションのジレンマでやられっぱなしなのでしょうか?
実は、そんな爆発的ヒット商品を開発したい企業を助ける、凄腕の組織があります!
その名もTMIC
半導体を作っていそうな印象をうけますが正式名称は
TMALL Inovation Center(天猫新品創新中心)
そう!アリババのECプラットフォームTMALLの組織です。
どれくらい凄いかというと、新商品は通常、業界平均が
・成功率たった5%
・18カ月以内に70%が撤退のところ
TMICでは新商品成功率が70%という驚異の数値をただき出しています。
また通常は新商品の正式リリースまでの時間が平均18カ月かかるところを、6か月に短縮できているとのこと。
https://insight.tmall.com/portal/tmic_showcase?spm=a216w.12025753.1222181.3.4a6649c9ypdNSR
実際に事例として
・NIVEAのボディソープムース
・フィリップスの髭剃り
・辛い味のスニッカーズ
などが並んでいます。
確かに、この辛いスニッカーズは当時は、すごいキワモノを出してきたなぁとビックリして思わず買いました。あの裏にはTMICがいたのですね…
TMICを実際に使っている企業名が下に表示されており、
P&G、SHISEIDO、SUMSUNG、PEPSICOなど名だたる企業が並んでおります。
このようにマーケティングのプロ企業もが依頼するTMICとは、どのようなサービスを提供しているのでしょうか?
大きくは、それぞれTMICの頭文字をとって4つの分類がされております。
Targeting Segmentation(人群研究)
Market Foresight(市場洞察)
Innovation Guidance(爆品創造)
Collaborative Tactics(策略昇級)
Targeting Segmentation(人群研究)では
アリババのエコシステム内の6億人のユーザーを300もの基準で細分化することができ、自社の商品のターゲットとなる人達を設定することができます。更にTMICもしくは自社のアンケートを通じて更にターゲット像を絞り込むこともできます。
Market Foresight(市場洞察)では、アリババの各チャネル、各商品カテゴリーの売上や検索データから、
・どのような訴求ポイントがホットなのか
・競合品の販売トレンドはどうなっているのか
・消費者のニーズはどこにあるのか
などを分析し、どこに爆発的にヒットを生む可能性が有るのかをさぐります。
Innovation Guidance(爆品創造)では
C2B(Consumer to Business)として実際に消費者、デザイナー、KOLなどを巻き込んでサプライチェーン、素早い生産体制、テスト販売を行っていきます。
またMock Up TestではTMICの独自特許でもある、テストECページにてユーザーのページ内の行動(どこを見たか、どこをクリックしたかなど)を計測し、アンケートも加えて、どのような点をアピールするのかを最適化していきます。
市場潜在予測では一部の潜在ターゲットユーザーへの広告表示を行いクリック率などから年間の売上金額を予想します。
Collaborative Tactics(策略昇級)では、
実際に1年間のなかでのセール時期も含めた価格の決め方、出稿する広告の内容について、競合品の売れ行きも含めたKPIの設定とトラッキングなどを提供しています。
ここまで見てみると新商品の成功率が70%に達するというのも納得できます。
アリババのECデータは中国市場で製品販売を展開したい企業にとって喉から手が出るほど欲しいものです。
そのデータの共有だけでなく、
・ニーズの分析
・コンセプトチェック
・適切な消費者モニターによるテスト
なども提供してくれており確かに正式に売り出すときには、ほぼ失敗することがない状態まで仕上がっているのですね。
2020年のヒット商品のうち平均1日1つはTMICから出ているとのこと。
アリババにとっては売れる新商品が次々と出てくることが短期の収益にもつながりますし、プラットフォームとしてのブランド価値があがりより多くのメーカーから選ばれ続けるようになります。
先週の中カツ!通信でも書いたように消費者としても
「定番商品を安く買えるのはどこだ?」
というのには疲れてしまっていることもあり、
「自分に合う新商品が買えるのはどこだ?」
ということがプラットフォームの価値としてより大事になってきているのですね。
6月1日には755もの新ブランドがTMALLで1日で100万元以上の売上を達成したというのも、このことを裏付けていると思います。
618、W11といった多くの人が注目する大型イベントで既存の各店舗がアピールするのも、
「一年で一番安いもの」だけでなく
「そこでしか買えない初登場!新商品」にどんどん変わってきていると思います。
ビッグデータを元にトレンドを把握し、メーカーにフィードバックすることで一緒に次の新しいトレンドを創る。
昨今の中国の国潮商品ブームの牽引役の一つとも言われているTMIC、こういった個別メーカーへのサービスの他にも、各種調査機関、メーカー、コンサルなどと共同で様々な市場レポートも出しています。
・女性のEC消費トレンド
・カーユーザーの報告
など、これだけで中カツ!通信が3、4回分書けそうですね。
中には畳市場の分析なんていうニッチなものもあります。
( ※中国語で畳はタタミの音から榻榻米と書きます)
https://insight.tmall.com/portal/report?spm=a216w.12025768.1222179.9.22a95bfcZmY0cV&&xw_id=0012
90年以降生まれの人が購買者の約24%を占めるなどの
よくあるデータから
消費能力が高い人、TMALL会員のランクが高い人の方が関心が高い、iphoneユーザーの方が畳に関心が高いといった実際の行動データーが反映されているもの
学歴が高いほど、畳に対する関心が高いなど、なかなか面白いですね。
皆さんも高学歴のお金持ちのiphoneユーザーの得意先や友人へのプレゼントとしてタタミを検討してみたらどうでしょうか?
私たちの属性情報、オンライン上の行動情報が積み重なって自分のTMALLのトップページの表示に反映されているわけですね。
プリッツのザリガニ味が表示されるあたりは、なかなかイイ線をつかれている気がします…
人がモノを検索する時代から、モノが人を検索する時代
TMALLのトップページや表示されるターゲティング広告は自身の行動の鏡とも言える貴重な個人情報なので人に見せる時は気を付けましょう!
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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