にほんブログ村 経済ブログ アジア経済・中国経済へ
にほんブログ村 海外生活ブログ 上海情報へ
忍者ブログ

中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信344回 あいのりで罰金1億円!拼多多のトホホなホトトギス戦略

■□■□■□■□■□■□■□■□■
中国で勝つための、
ちょっと活力を得られる情報をお届け! 
メルマガ無料登録URL
http://eepurl.com/c7GHF
□■□■□■□■□■□■□■

こんにちは、中カツ!通信の野村です。

+++(告知)BtoB営業でお困りの方、必見!+++
 
営業力が上がるヒアリングシートの
実践方法を教えるオンライン無料セミナー
 
AI時代に活躍する営業とは?無料セミナーのお知らせ(告知)
 
++++++++++++++++++++
 
中国は世界一を争うAI大国ですが、
圧倒的に一位のものがあります。
 
それはインドに抜かれた人口ではなく
EC(E commerce)!
 
経済産業省が昨年8月に発表した
「令和4年度電子商取引に関する市場調査 報告書」
によると
 
2022年国別EC市場シェアで
中国は50%を超えております。
 

単に市場規模が大きいだけでなく、
ECの浸透率も高いです。
 
星图数据が国家統計局の情報を元に
作成した以下のグラフによると、
 
2023年の実物商品ネット販売は、
総額13兆元(約273兆円)となり
社会消費品小売額に占める割合は27.6%
 
日常生活に欠かせないEC、
便利なのは何といっても
持ってきてくれるところ。
 
スマホ上で指をポチポチするだけで
早ければ当日に物が届くなんて
昔は考えもしませんでした。
 
もちろん荷物が勝手に
飛んでくるわけではないので、
 
我々の指先一つの動作の裏には
多くの人が走り回っております。
 
より早く、より安く届ける
 
ことがEC各社にとっても
大事な差別化要因であり
競争も激しく京東は京東物流、
アリババも菜鳥網絡と
自社の物流会社を持っております。
 
中カツ!通信336回 EC格安商品は消えるか?!新ルールが3/1スタート
 
 
以前の記事でも書いたように、
中国で安く買える理由は、
発達した物流網と
時には文字通り
​荷物が飛ぶ(投げられる)ことと
密接な関係があります。
 
今週話題になったのは、
アリババグループの菜鳥網絡と
一時はアリババの株価をも超えた
拼多多との裁判結果

 
浙江省高等裁判所は、
拼多多に対して菜鳥に500万元と
1億円以上の支払いを命じました。
 
さらに、拼多多は自社ウェブサイトで
5日間謝罪声明を続けることと。
 

ことの経緯を簡単に説明します。

アリババグループの菜鳥網絡は、

菜鳥驛站という荷物の受け取り場所を

全国各地に設置していました。

 

中カツ!通信336回 EC格安商品は消えるか?!新ルールが3/1スタート

 

私の住んでいる小区(団地)でも

マンションの一室に菜鳥驛站があります。


この荷物受け取り場所は、

アリババグループ自社運営ではなく

加盟店が菜鳥のシステムを使って

運営しております。

 

自分達で苦労して開拓してきた

加盟店ネットワークは

アリババグループの大事な資産です。

 

拼多多も同じく

荷物の受取り場所を開拓する際に、

既に菜鳥に加盟している人たちを

勧誘していました。

 

代理受取り業務に慣れている人であれば

研修も楽ですし、業務の正確性も

素人よりは高いでしょう。

 

結果、菜鳥驛站の業務をやりながら

同じ場所、同じ人たちが、

拼多多の代理受取り業務も行う

一石二鳥の拠点が増えていました。

 

いくつかの受取地点は

拼多多アプリ上の表示に菜鳥驛站という

名前が表示されており

(実際に同じ場所だけど)

誤解を招いておりました。

 

既存の荷物受取り場所として

認識されている菜鳥驛站を

利用することにより拼多多としては

お客様への通知コストも下がります。

 

日本の戦国時代の武将、

織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の気性を

表す有名な句がありますよね。

 

秀吉が

「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」

 

なのであれば拼多多は

「ないのなら、あいのりしようホトドギス」

 

といったところでしょうか。

 

ちなみに菜鳥は中国語で

「新米」とか「経験の浅い人」

を意味します。

 

ホトドギスは、

他の鳥の巣に自分の卵を産み付け、

その鳥に子育てをさせる

托卵の習性があります。

 

菜鳥からしてみれば自分達が

築きあげた巣(ネットワーク)に

ライバル企業が相乗りしてくるわけで

当然、面白くありません。

 

菜鳥も加盟店との契約で、

「自社以外のシステムの使用禁止」

というルールがあったそうですが、

それを守らない人も多かった。

 

受け取り場所は、利便性の高い場所に

一定スペースの確保が必要です。

 

菜鳥としても不正を発見しても

せっかく確保した加盟店に対して

ルール通り厳しく対処できなかったのかも。

 

またアリババには過去に

独禁法違反で182.28億元

当時のレートで約3000億円を

支払った過去もあります。

 

中カツ!通信 第185号 アリババに独禁法違反で3000億円の制裁金

 

その独占的な地位を利用して

出店者に対しライバルのプラットフォームに

出店したら冷遇するという圧力を

かけていたというのが理由です。

 

拼多多も、この根拠から

菜鳥に訴えられた後も

反論しておりました。

 

ただ今回は、拼多多のホトトギス行為に

 

裁判所も

商業の誠実さと道徳を犯し、

同時に消費者の権利を損なう

不当競争行為として

罰金と謝罪を命じたわけです。

 

また裁判所は、物流業界における

末端拠点の重要性を強調し、

拼多多の行動が菜鳥ビジネスだけでなく

業界全体のサービス基準と効率に

長期的な悪影響を与える

可能性があるとも述べました。

 

この判決に対してネット上では

 

「拼多多は確かにやりすぎ」

 

という反応が多いものの、

 

「500万元なんて意味ある?」

 

というコメントも目立ちました。

 

確かに1億円以上と聞くと多額ですが、

拼多多の2023年の営業額は、

2022年から90%増の

2476.39億元と5兆円を超えています。

 

営業利益だって587億元と1.2兆円以上!

 

500万元なんて0.0085%に過ぎません。

 

365日24時間稼働しているとしたら

たった45分の利益です…

 

確かにアリババの時の182.28億元と

比べたら雀の涙。

 

また謝罪については、

拼多多のホームページをみたところ

それらしき記載は見当たりません。

 


拼多多としては
今回の高等裁判所の判決を不服とし
更に上訴するつもりかもしれません。
 
拼多多の「拼」という字は
 
「寄せ集める、一つに合わせる」という意味と
「なりふり構わず必死にやる」という意味があります。
 
世界最大のEC大国である中国、
大手ECプラットフォーム企業同士の
なりふり構わない競争は続きます。
 
鳴かないホトドギスは誰も待ってはくれません。
 
日本企業も、出展者として
「Early birds catch insects」の心持ちで
ECプラットフォーム間のライバル関係を
うまく活用し有利な条件を交渉していきましょう。
 
 
ただ同時に、鴨になってないかも

気を付けないとですけどね…
今回も、最後までお読み頂きありがとうございます。

*****************

【Wechatでも配信始めました!

メールが迷惑メールに入る、
そもそも届かないという方、ぜひフォローお願いします!
第119回以降のログもご覧頂けます。

中活通信アカウント

野村個人Wechat ID

*****************
【新規メルマガ無料登録

http://eepurl.com/c7GHFL

ご登録頂くことにより、最新号を直接お届けいたします!ブログに来て頂く手間が省け、記事更新の見逃しも防げます。
中カツ!通信 - にほんブログ村 にほんブログ村 海外生活ブログ 上海情報へ
にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ

拍手[0回]

PR