中カツ!通信344回 あいのりで罰金1億円!拼多多のトホホなホトトギス戦略
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こんにちは、中カツ!通信の野村です。
ことの経緯を簡単に説明します。
アリババグループの菜鳥網絡は、
菜鳥驛站という荷物の受け取り場所を
全国各地に設置していました。
中カツ!通信336回 EC格安商品は消えるか?!新ルールが3/1スタート
私の住んでいる小区(団地)でも
マンションの一室に菜鳥驛站があります。
この荷物受け取り場所は、
アリババグループ自社運営ではなく
加盟店が菜鳥のシステムを使って
運営しております。
自分達で苦労して開拓してきた
加盟店ネットワークは
アリババグループの大事な資産です。
拼多多も同じく
荷物の受取り場所を開拓する際に、
既に菜鳥に加盟している人たちを
勧誘していました。
代理受取り業務に慣れている人であれば
研修も楽ですし、業務の正確性も
素人よりは高いでしょう。
結果、菜鳥驛站の業務をやりながら
同じ場所、同じ人たちが、
拼多多の代理受取り業務も行う
一石二鳥の拠点が増えていました。
いくつかの受取地点は
拼多多アプリ上の表示に菜鳥驛站という
名前が表示されており
(実際に同じ場所だけど)
誤解を招いておりました。
既存の荷物受取り場所として
認識されている菜鳥驛站を
利用することにより拼多多としては
お客様への通知コストも下がります。
日本の戦国時代の武将、
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の気性を
表す有名な句がありますよね。
秀吉が
「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」
なのであれば拼多多は
「ないのなら、あいのりしようホトドギス」
といったところでしょうか。
ちなみに菜鳥は中国語で
「新米」とか「経験の浅い人」
を意味します。
ホトドギスは、
他の鳥の巣に自分の卵を産み付け、
その鳥に子育てをさせる
托卵の習性があります。
菜鳥からしてみれば自分達が
築きあげた巣(ネットワーク)に
ライバル企業が相乗りしてくるわけで
当然、面白くありません。
菜鳥も加盟店との契約で、
「自社以外のシステムの使用禁止」
というルールがあったそうですが、
それを守らない人も多かった。
受け取り場所は、利便性の高い場所に
一定スペースの確保が必要です。
菜鳥としても不正を発見しても
せっかく確保した加盟店に対して
ルール通り厳しく対処できなかったのかも。
またアリババには過去に
独禁法違反で182.28億元
当時のレートで約3000億円を
支払った過去もあります。
中カツ!通信 第185号 アリババに独禁法違反で3000億円の制裁金
その独占的な地位を利用して
出店者に対しライバルのプラットフォームに
出店したら冷遇するという圧力を
かけていたというのが理由です。
拼多多も、この根拠から
菜鳥に訴えられた後も
反論しておりました。
ただ今回は、拼多多のホトトギス行為に
裁判所も
商業の誠実さと道徳を犯し、
同時に消費者の権利を損なう
不当競争行為として
罰金と謝罪を命じたわけです。
また裁判所は、物流業界における
末端拠点の重要性を強調し、
拼多多の行動が菜鳥ビジネスだけでなく
業界全体のサービス基準と効率に
長期的な悪影響を与える
可能性があるとも述べました。
この判決に対してネット上では
「拼多多は確かにやりすぎ」
という反応が多いものの、
「500万元なんて意味ある?」
というコメントも目立ちました。
確かに1億円以上と聞くと多額ですが、
拼多多の2023年の営業額は、
2022年から90%増の
2476.39億元と5兆円を超えています。
営業利益だって587億元と1.2兆円以上!
500万元なんて0.0085%に過ぎません。
365日24時間稼働しているとしたら
たった45分の利益です…
確かにアリババの時の182.28億元と
比べたら雀の涙。
また謝罪については、
拼多多のホームページをみたところ
それらしき記載は見当たりません。
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