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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

第146回 コロナ後も展示会に価値はあるのか?

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第146回 コロナ後も展示会に価値はあるのか?

こんにちは。中カツ!通信の野村です。

 

東京都内のコロナ新規感染者数が3日連続200人を超え、日本では引続き3密注意の状況、多くの業界で更なる売上への影響が心配です。

 

通常の年であれば「新規顧客を増やすために、展示会に出展しよう!」と考える企業も多そうですが、現在、日本での展示会はどうなっているのでしょうか?

 

一般社団法人 日本展示会協会(https://www.nittenkyo.ne.jp/)のHPでは掲載されている7月開催予定だった7つ全部が延期もしくは中止という状況。

一番下のヨコハマ恐竜展も分類は展示会なんですね・・・

 

いっぽう中国では2020年7月9日ー11日に美容関係では世界最大(主催者自称)の展示会「中国美容博覧会(CBE)」が開催されました。

昨年2019年実績は40の国と地域から、3639社の化粧品関連企業が出展し来場者延べ数は52.13万人と確かに世界最大規模といえそうです。

 

本来CBEは5月19日からの開催予定でしたが3月下旬に延期通知がだされました。

 

ただ延期時期は「世界のコロナ状況が落ち着いた後」と未定で、そのまま中止になる可能性も否定できない「延期」通知でした。

 

実際に7月9日の開催という日付入りの延期通知がでたのは、中国はともかく「世界のコロナ状況が落ち着いた」とはいえない当初の開催日近くの5月15日。

 

元々、5月開催で申し込んでいた出展者も、この時点で7月日程で改めて出展するかキャンセルするかの確認がとられたそうです。中国国内は既に落ち着いてたとはいえ、海外のバイヤー向けに売りたいと思っている企業にとっては、難しい判断ですよね・・・

 

そして7月9日、新コロナが常態化した後、上海では初めての20万平米をこえる展示会が開かれます。

 

もちろん新型コロナ対策はされており、

 

・事前の実名予約制

・身分証明の持参

・健康QRコード(上海なので随申码)の呈示

・入場時の体温検査

・顔認証ゲート

 

を経てやっと入場することができます。



もちろんマスク着用で来場しているわけですが、更に1つ配られます。

初日9日のお昼前でしたが、想像していた以上に来場者でにぎわっており、

特に日本企業、韓国企業が多く出展している館のいくつかのブースは密接、密集状態でした。

 

とはいえ、全体的には、ところどころに出展すべき場所の空きスペースがみえます。

出展した知人によると、5月に申し込んだ企業でもキャンセル料(出展ブース費用の没収)を払ったうえで出展をあきらめた企業が何十社かあったようです。

 

中国国内の移動制限は、ほぼ無いものの海外からとなると

 

・渡航規制もあり人も派遣できない

・物流も完全でなく紹介したい商品がそろわない

・来場者もどれくらい減るのかわからない

 

この状況であれば効果も半減するのでブースの装飾費用、当日の運営費用を考えてサンクコストを払ってでも出展をやめようという判断をした企業が少なからずあったというわけですね。

 

実際の来場者について、まだ主催者側からの公式発表はされていませんが、あるブースでは数万人が訪れたとのことですから少なくはなかったはずです。

オフラインに加えてクラウドでも展示会を見学できる仕組みも行われており、

 

2日目の7月10日17時で、延べ22万人以上!がみたとのこと。

 

12日時点で中をのぞいてみると、29万6095人目の訪問者とでますので約30万回は閲覧されたことになります。

実際に出展者の一つをみてみると、中には商品の紹介のほかに、「貿易対応」「オフライン参観」のボタンが用意されており確かに目的の商品を効率的に探したいバイヤーにとっては便利な機能です。

 

企業としても、どの商品に注目が集まっているかもわかるし、バックオフィスに人を準備しておけば現場で忙しくて対応が漏れてしまったということも防げそうです。

新コロナ対策でオンラインの活用をしていたのは主催者側だけではありません。多くの出展ブースでもライブ放送(ライブコマース含む)が行われておりました。

 

展示会の臨場感が感じられるようなライブ配信のパターンもあれば、

出展ブースの中にライブ専用のブースをもうけて配信する企業も多数ありました。



やじ馬がライバーの裏でピースして映り込んだりするのを防ぐためなのですかね?

 

ただ、外部影響を受けないようにするためにブースや背景セットまで作りこむんなら展示会場内で配信しなくてもいいんじゃない?とも思ってしまいます…

 

私みたいに通りすがりの人に写真撮られるのも気が散るだろうし…

 

客寄せにしても、商品でなくライブやっているところに注目が集まってもね…

 

プロモーションに詳しい人、どんな理由でブースinブースのライブが行われているのか教えてください!

 

総じて言えるのは、コロナ後はオフラインの展示会においても、オンラインの活用は必須になっていくということ。

 

ただ、オンラインは目的にそって効率的に探したり、伝えたりできる反面、

 

「人だかりができているブースをのぞいてみたら思いがけない商品と出会った!」

「目の前を通り過ぎようとしている人を呼びこんで商談につなげた!」

 

ということは難しいです。

 

例えば、私が今回みつけた人だかりができているブース。

ブースの外にも段ボールがいくつか積まれ周りにおばさんが集まっておりブース内も密集状態です。

近寄ってみると段ボールの中身は全てカップラーメン!

 

別にお昼ごはん用に販売しているわけもなければ、食べるとキレイになったり、太らない美容ラーメンではありません。

スーパーでよく売られている体重を気にする人はあまり食べないほうがよい康師傅の红烧牛肉麺です(笑)

 

出展者のおばちゃんに聞いてみると、白髪染めな等の商品を販売している会社で

 

「なにか商品を1つでも買えばカップラーメンをプレゼントだよ!」

 

「白髪染めを買ったら、今日この場で染めてあげるよ!」

 

とのこと。

実際に、ブース内で白髪染めをしているおばちゃんが数人います。

身なりや持ち物から推測するに美容関係のビジネスをしている女社長だとおもうのですが、まさか世界最大規模の美容展示会に

 

カップラーメンをもらったり、白髪染めを

目的に来たわけじゃないと思います(笑)

 

勝手に白髪を染めるまでの経緯を想像してみると、

 

(女社長の頭の中)

「あら、人だかりができてるけど何だろう?」

 

「なにか面白いノベルティでも配っているのかしら~」

 

「カップラーメン?!」

 

「白髪染めなのね。そういえば最近、忙しくて染めてなかったなぁ…」

 

「この場でできるの?じゃあ、お願いしようかしら」

 

ここから更に染めた後を妄想をしていくと

 

「綺麗に黒く染まったわ~」

 

「染めるのも難しくないし私のところでも仕入れてみようかしら?」

 

「仕入れ値も高くないし、とりあえず最低ロット買ってみよう」

 

ということが起きているかもしれません。

 

このようなUX(ユーザー体験)をオンラインで設計できるでしょうか?

 

ひとまずカップラーメンで集客し、

白髪染めの紹介をした後に、

初回購入と商品トライアルまでさせて、

展示会出展の目的である代理店(会員)獲得

 

というのは、現時点ではオフラインの展示会ならではないかと思います(笑)

 

もちろん代理店獲得後の研修、営業、運営などはオンラインで行われるのでしょうが、OMO(Online Merges with Offline)というように、オフラインでしかできないこともありますし、オフラインの展示会自体も形をかえながらしばらくは残っていくのだと思います。

 

中国の国家プロジェクトである輸入博も、あと4か月もしないうちに開催されます。

2019年は181カ国と地域から3800社以上の出展があり、まさにグローバルに人が集まるイベントです。

https://www.ciie.org/zbh/index.html

 

冬が始まる11月の輸入博

 

・コロナ発生後に世界各国の人が多く集まった初のオフライン展示会となるのか?

 

・それとも更なるオンラインが活用された新しい形の展示会となるのか?

 

 

今後の展示会の行く末も気になるところですが、

目標に対しての自分の売上げの行く末をどうにかしないとなぁ…

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

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