中カツ!通信 第264回 アイドルとコロナ管理の妄想と現実無題
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こんにちは。中カツ!通信の野村です。
国慶節の7連休、その後の7連勤が終わりました。
ただ、まだ終わらないのが、コロナのプチ感染拡大とゼロコロナ政策…
制限されていたとはいえ7連休で多くの旅行者がいた影響で上海でもポロポロと感染者や濃厚接触者がでております。
日本人も多く買い物にいくスーパーのアピタが数日間の営業停止。
また複数の区ではカラオケ、映画、ネットカフェなどの営業一時停止が発表されました。
上海の映画館は7月8日に、5カ月ぶりに再開したばかりなのに、たった3カ月で再度営業停止...
そして娯楽カテゴリー?なのか娘の通っているバレェ教室も休業です。
寄せては返す波のように、強まるオフラインの行動規制は精神的ストレスになります。
ところで皆さんには、心のオアシスといえる場所がありますか?
今も昔も、心に癒しを与えてくれる存在といえば
アイドル!
そんなアイドルに関して面白いレポートがありました。
https://www.iresearch.com.cn/Detail/report?id=4078&isfree=0
タイトルは
「中国バーチャル配信者業界の生態研究報告」
そう!このレポートで取り上げるのはアイドルはアイドルでも、
バーチャルアイドルです!
現在中国のバーチャル配信者の市場規模は約50億元(約1,000億円)
その姿は、アニメのように2次元でデフォルメされたものから、本当にリアルな人と見間違えるような3Dのものまで。
彼らの活動も
・歌手
・ライブコマース
・CM出演
・カスタマーサポート
まで多岐に渡っております。
動画投稿サイトbilibiliには現在3600ものバーチャル配信者(Vup主) 日本でいうVtuberが活躍しているとのこと。
Vtuberを観るユーザーへのアンケートでは
「どれくらいVtuberのライブ配信を観ますか?」に対して
「毎日2回から5回」と「毎日5回以上」の合計が50%を超えています!
次の
「週に平均して、どれくらいの時間をみますか?」に対しては
69.1%の人が週に10時間以上のVtuberのライブ配信をみる
という結果に
このように盛上ってきているバーチャルアイドルの中には、日本語の配信者もいます。
bilibiliで人気のVtuberアカウント 眞白花音_Official はフォロワー数87.6万人で、2021年の外国語部門として優勝したほどの人気。
その内容は独特で、眞白花音(ましろかのん)が、ライブ配信の中で中国語や中国文化を勉強していくという日本語配信。
最近ですと中国の古いドラマである「西遊記」(日本語字幕あり)を見ながら、外国人ならではの感想というかツッコミを入れていきます。
この右下のキャラクターが眞白花音で、発言する時には顔も動きますし、口の開閉、目の瞬きもします。
またライブ配信ですので視聴者との双方向のやり取りもあり、よせられた質問やコメントに対して返答したり、歌を披露する時もあります。
日本語ライブなのに、みんな日本語分かるの?
という私同様の疑問を持っている人への質問に対して
ライブ配信の時に、同時翻訳機能があるとの回答が。
技術の発展で言葉が出来なくても、多言語のエンタメを楽しめる時代になったんですね~
bilibiliの中には、他にも日本人Vtuberが活躍しており、ソニーミュージックエンターテイメントではbilibiliと共同でバーチャルアイドルを展開する「バーチャルシンデレラプロジェクト」も展開しております。
https://www.sme.co.jp/pressrelease/news/detail/NEWS001687.html
どのようなバーチャルアイドルが人気になるかは、もちろん、その造形も大事なことに加え、「中の人」と呼ばれる演者の役割も重要です。
声優のように、決まったセリフを読むだけではありません。
バーチャルアイドルはライブ配信時にファンとのコミュニケーションが多くあり、その時にアイドルの世界観(設定)を守りながらアドリブで対応していく必要があります。
そこにはAI対応ではない、言い間違えも含めた人間らしさがあり、多くのファンは、そこに魅かれてフォローをし、投げ銭をし応援していくのです。
モーションキャプチャー技術の発展で、ライブ配信中も、中の人の表情を読み取り、キャラクターの表情にリアルタイムで反映させていきます。
演者が実際にウインクしたり、首を傾げたり、口を大きく開ける等の生身の人間のしぐさが、そのまま二次元のキャラクターを通じて表現されるわけですね。
このようなスゴイしくみも、bilibiliであればアプリをダウンロードするだけで簡単に使用することができます。
私も中カツ!通信としてVtuber デビューするときのためのアバターをみつけました。
・色白というよりは、少し小麦色の肌色
・カサカサというより少しオイリーな肌の質感、
・つぶらな瞳に、少し小さめの口といった
私の特徴に加えて、「中カツ!通信」を体現したようなピッタリのアバターです。
アイドルには神秘性も必要ですからカツの部分がチキンカツなのかトンカツなのかは秘密のままにしておきたいと思います。
合わせて、もし人気が出てきても「中の人」が私だというのは、今の読者だけの秘密にしておいてください(笑)
なんて妄想していたら、身分証明書がないのでライブ配信する前の実名認証でつまづきました。ホッと一安心ですね。
技術の発展で配信側も、ユーザーも、Vtuberのすそ野が広がってきたことは理解できるものの資本や芸能人事務所まで、この領域に注目するのは何故なんでしょう?
それはアイドル(芸能人)の育成と管理の難しさにあります。
人気が出てきたアイドルが長年所属した事務所から独立するというのは、よくある話。
アイドルの人気の源泉は、どこの事務所に所属しているかではなく、その人の外見であったりキャラクターですから、アイドル本人としては、もっと条件の良いところを求めたくなるのは自然な話。
ただ芸能人事務所からすれば、お金と時間をかけて育ててきて、やっと稼ぎ出したアイドルに独立されるのは大損失ですので、事務所としては独立していかないバーチャルアイドルを育てたくなるのも理解できます。
もう一つはアイドルの行動を完全にコントロールするのは不可能だということ。
熱愛発覚にとどまらず社会的に非難される不祥事を起こしてしまうアイドルは日本でも、中国でもいます。
だって人間だもの
バーチャルアイドルは、そういう意味で、管理する側としては安心なわけです。
とはいえ、この完全にコントロールできているわけではありません。
現在のバーチャルアイドルの主流である、画像として制作されたキャラクターを「中の人」と呼ばれる生身の人間が演じる場合でも芸能活動を辞めていってしまうことがあります。
中国のA-SOULという人気バーチャルアイドルグループでは、「中の人」の1人が「健康と学業」を理由に「休眠」に入ると発表しました。
その後、ファンが「中の人」のSNSアカウントを特定して、生身のアイドルでもあるような、過酷なレッスン、いくら稼いでも労働条件が改善されないというような悩みがあった書き込みを見つけ、一時期はA-SOULを応援しないというボイコットがユーザーの間で起こりました。
やはりいくらバーチャルであっても、「中の人」は現実的です。
そうなってくると「中もAIだったらいいんじゃない?」という発想がでてくるわけで、実際にニュース報道、一部のライブコマースでは既に中身もAI運用が行われています。
ただ人気のライブ配信で、よく見かける雑談など、リアルタイムでの人間らしい機微のあるリアクションは、AIではまだ難しいため、アイドルという領域においては、まだまだ人には、かなわないのが現状です。
今後さらにAIアイドルが改善されていくと、現在のECのお薦め画面のように、同じデザインのアイドルでも、ユーザー1人1人に最適化されたリアクションをしてくるというバージョンがでてくるはずです。
自分以上に自分を理解し、自分の理想とするアイドル像を演じてくれるバーチャルアイドルとのコミュニケーションに耽る毎日。
そんなことしていたら現実の世界に戻ってこれない人が、今以上に続出してしまいそうで、なんだか怖いですね。
リアルな人とのコミュニケーションをする時は、翻訳機を使うような感覚で、互いのAIを通じてコミュニケーションしないと、スムーズに会話ができないなんてことにならなければいいですが…
苦労せずに、安価でコミュニケーション上の快楽を得られるAIサービスが当たり前になってしまえば、今のコーチングやカウンセリングのように、お金を払って話を聞いてもらうだけでなく、
高いお金を払って、人間とストレス溢れるコミュニケーションをとるサービスが出てくるかもしれません。
筋トレやランニングで体を鍛えるように、クレームを言われたりストレスのある会話で心を鍛えるなんていう余暇の過ごし方が、今のキャンプのようなブームになるかも(笑)
私たちのような、コールセンターやチャット対応といったカスタマーサポート業界でもAIの活用が、どんどん進んでいく中で、一周回ったところに新しいバーチャル(というより妄想)ビジネスモデルが見えた気がします!
コントロールできそうで、実際は難しいという点で、アイドル以上のコロナもバーチャルだけになる日が早く来てほしいものです。
今回も、最後まで、お読みいただきありがとうございます!
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