第163号 超大型展示会、輸入博で注目を集めた日本の商品とは?
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第163号 超大型展示会、輸入博で注目を集めた日本の商品とは?
こんにちは中カツ!通信の野村です。
今年で3回目となる中国国際輸入博覧会に7日(土)に行ってきました。
世界でコロナの感染者増加が収まらない中、世界各地の企業が中国に物を売り込むための超大規模展示会です。
第108回 W11と中国輸入博覧会、オンラインとオフラインの2大イベント(前編)
http://chuukatsu.blog.shinobi.jp/shichang/jinbohui
第二回目となる去年は181カ国と地域から3800社以上の出展があり、50万人を越える事前来場登録がありました。
今年は更に展示面積を3万㎡拡大したものの、コロナ対策のため入場量制限をし最大収容数の30%に入場を抑えると発表されています。
輸入博は去年までは中国の高官だけでなく、世界の高官も来てましたのでセキュリティも厳重です。
申し込み完了までに、身分証明書、自撮り写真、会社の営業許可書のアップロード、入場料の支払い(200元=約3100円)など8ステップあり、締め切りも1か月前の10月10日です。
さらに今年は参加者全員に入場7日前以内のPCR検査陰性結果の提出が求められており、その結果を事前にネットでアップロードしないと事前の来場予約ができません。(※来場予約は必須ではないが、人数制限時に優先的に入れる)
こうして、申し込みをした来場予測人数が40万人です。
米国テック展示会で有名なCESでも来場者数が17万人ですから、その倍以上の規模になります。
倍なのは人数だけでなく取り扱い範囲も非常に広いです。
輸入博ですから、輸入できるものならなんでも対象になります。
・サービス貿易エリア
・自動車エリア
・技術装備エリア
・消費品エリア
・医療機器、医薬保健エリア
・食品、農産品エリア
と多岐にわたっており、
GEのエンジン
NACHIのロボット
日立の陽子線、重粒子線ハイブリッドの放射線治療器の模型
と、最先端技術の大型展示品があったほかには、初出展となるユニクロも
進撃の巨人とコラボでもするのか?大型展示品で存在感をアピール
昨年同様、人気のブランドのいくつかで配布されるノベルティに大行列ができています。
1日中配り続けているわけではなく数量限定なので、ひとまず行列ができ始めたら並ぶ人もおり
女性に交じって並んでいる初老の男性人に、
「何のブランドで何がもらえるんですか?」
と聞いてたみたところ
「知らない!ただ、何かいいもんもらえるんだろ。ハハハ」
いくら事前登録、PCRが義務付けられているとはいえ、こういう展示会らしい雰囲気も残っており、他にも、その場で買える実演販売や物産展のようなブースもあります。
実は今回、出展している各国の出展社数(322)、商品数(1328)で日本は第一位です。
そして香港(239出展社)を除くと、第二位はアメリカです。
政治の問題があっても経済の結びつきは、そう簡単には切れませんし、経済の結びつきが友好に大きく寄与してくれると良いのですが…
さて我が日本に目を向けると、貿易といえば、やはりJETRO!
食品館、医療館、消費館にそれぞれブースが出展されており、多くの人を集めておりました。定時で阿波踊りや、和太鼓のパフォーマンスもありSNSで動画がたくさんアップされていそうですね。
食品館の目玉はJapanese Sake
全国各地の日本酒が上海で飲み比べできるという日本でもここまでの品揃えは難しいのではないかと思えるほど壮観でした。しかも無料!
ただ、このように物は移動できても人の移動は制限されております。
商品を味わって気に入ったとしても、どうやって購入してよいのかが分からなければ、輸入することは難しいわけです。
そんな課題を解決するために用意されていたのが、オンライン面談ブース
上海の展示会場と日本全国の出展者を繋ぐことにより、しっかりと商談できる体制が整っていました。
他にも消費品エリアでは、厨房用具などの雑貨がおかれているのですが、珍しいものだと、この商品
素人でもパラっとしたチャーハンができる中華鍋?!ではありません。
数々の食品サンプルまで展示されておりました。
そして横には拍照打卡点(写真スポット)というポップが。
見事に作戦にはまって写真を撮ってしまいました(笑)
現在中国の大食い自粛モードに対する忖度無しの、この大盛鉄火丼は食品サンプルとして引き合いがあったのかどうかは気になるところです。
ヘルスケアのJETROブースでひときわ人気があったのが、NIN株式会社のマッサージチェア。
日本の伊賀に住居を構える責任者の方にお話を聞くと、私が訪れる前日の金曜日には3台、9万元(約140万円)が売れたとのこと。
広い展示会場を歩き回り疲れた時に体験する本格マッサージ、中国人富裕層の方の筋肉と一緒に財布のヒモまでほぐしてしまったのかもしれませんね。
またJETRO以外のブースでも多くの日系企業のブースが人気を集めておりました。その中で目を引いたのが去年に引き続き、中国の国技である卓球の自動マシーンを売りにしていたOMRONのブース
少し嫌味かなぁ と思いつつも
「昨年も同じ卓球マシーンだしてましたよね?」
と聞いてみると予想外に
「去年と同じものは展示しませんよ!実はいろいろと新機能が付いているんです」
という答え。
去年のマシーンは画像識別機能を利用して、正確に球を打ち返してくるだけだったのが、今年は画像認識機能で相手の心拍数と表情を捉え、感情を分析することができるとのこと。
これにより相手が負けこんできてイライラしてきたら、わざと打ち返しやすい球をかえすなどゲームのモードを自動調整してくれる機能が付いていました。
接待ゴルフどころか接待ピンポンができるマシーンに進化していたのです!
もちろん実際の製造現場で使うことを想定した機能です。
人とロボットが同時に作業するような製造ラインで、画像識別によりヒトの感情や状態を見極めラインの流れるスピードを早めたり、緩めたりすることができるとのこと。
ヒト以上に融通が利くロボットと協働する時代は、もうすぐなのかもしれません。
このように世界各地の特産品どころか日本の現在が一か所で体験できると考えると、200元(約3100円)の入場料もコスパが良いと感じます。
そうしてワクワクと満足感に浸りながら休憩で座ってコーヒーを飲んでいる時に、隣に座られた中国地方政府の幹部の方から話しかけられました。
その内容は決して楽観的になれるものではありません。
簡単にまとめると
「昔は海外の製品は、非常に魅力的だった。また中国が成長発展していくうえで必要不可欠なものが多かった。ただ、その時は国民も地方政府もお金が潤沢でなく買うことができなかった」
「今日、輸入博に来てみて確かに各国の商品がでているが、残念ながら今回、地元に必ず導入しなければいけないというモノは見つからなかった。」
「欲しいと思うものは購入するだけの財力ができたのに、今は中国国内で買えるものが増えてきており、個人的な趣味や嗜好を除くと必ず外国のものを買わないと成長できないという商品が減ってしまった。それは嬉しい喜ばしいことではあるのだけど、少しさびしい感じもするんだよね…」
もちろん、この方の個人的な見解であり中国を代表する意見ではありませんが、同じく中国で長年暮らしている身としては一理あるなぁと感じます。
この巨大な市場の隣国であるということは貿易にとっては大きなメリットです。ただ近いだけで買ってもらえる時代は、とっくに終わっています。
中国の人から
「この日本の商品が無ければ、中国の成長が立ち行かない!」
「金に糸目はつけないから、お願いだから売ってください!」
というような、商品をいかに生み出して宣伝していくのか?
この答えは一つではないと思いますが、この問いは常に我々が考え続けていく必要がありますね。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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