中カツ!通信 第259回 世界に日本を宣伝してた〇〇が、迷走で脱日本
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こんにちは。中カツ!通信の野村です。
9月第一週は成都、深センの大部分、大連中心部でも封鎖管理が行われています。
上海のロックダウンに比べると多少、緩やかなものの、地下鉄・バスといった公共交通機関の運営停止、各家庭1日1人のみの外出許可、多くの店舗の営業中止と、日常生活には多大な影響が出ています。
もちろん出勤状況にも影響がでます。
上海ロックダウンを経験したとはいえ「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とういう感覚なのは、私だけじゃないと思います…
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これらの都市封鎖管理は、小売り業にも多くの影響を与えました。
そんな厳しい経営環境の中、意外にも、好決算を発表した日本にゆかりのある?企業があります。
現在では、ニューヨーク証券取引所および香港にも上場している、その企業とは、
名創優品
昔のロゴを見ると思い出す人も多いはず、
そう!
MINISOです!(日本語読みはイウメソではなくメイソウ。)
あの「(無印良品+ユニクロ+ダイソー)÷3」と称された
ある意味、日本のハイブリッドブランド(笑)
中カツ!通信でも2019年3月に3回にわたって紹介したことがあります。
パクリ業態?!のMINISOが5年で79カ国3,500店舗年商170億元(約3,400億円)の謎
そのMINISOが8月25日に2022年度4-6月期の第4四半期および通期の未監査決算を発表しました。
売上は、前年同期比49%増で23.2億元(約464億円)うち海外売上7.9億元(約16億円)、粗利率は四半期ごとでは過去最高となりました。年間の売上は100億元(約2,000億円)を突破!
要因としては海外店舗の売上高貢献があります。
中国国内の売上はコロナの影響を受けたものの、海外売上高がコロナ以降で過去最高を記録しました。
店舗数も4-6月期で
国内は29店舗純増の3,226店舗
海外は57店舗純増の1,973店舗
と、海外が増えているのがわかります。
2019年の中期目標では2022年に
2022年に100カ国で10,000店舗
を掲げていました。
店舗数の合計は6月末で5,199店舗と、半分ちょっとなので目標達成は厳しそうです。ただ既に進出した国と地域は100に達しました!
進出国は増え、店舗数も増えているのに、
あれ?
売上は、2018年と比べてかなり落ちていませんか?
2018年で3,500店舗の際に170億元だったのに、2022年は約5200店舗で約100億元…
2022年の決算も前期と比べてはよいものの、2018年の時には及びませんので、投資家としては、まだまだ安心できないでしょうね。
ただ、この決算以上に、投資家たちを心配させていることがあります。
MINISOは、先月2回の謝罪声明を発表しました。
一つ目は、MINISOスペインのInstagramでの誤表記。
新商品の紹介投稿で、実際の商品はディズニープリンセスのチャイナドレススタイル(旗袍)にも関わらず、タイトルは芸者スタイルとして投稿されていました。
ユーザーから芸者じゃなくてチャイナドレスだろうといくつもツッコミが入ったのに対して、スマイルマークで返信するという謎対応も、運営としてはかなりの失敗です(笑)
これが、スペインではなく中国のSNSでバズり、MINISOは8月9日に謝罪文を出します。
「チャイナドレスは中国発祥であり、長い歴史と華麗な文化は、世界的に有名な中国の宝です。グローバルに展開する中国の小売業として、私たちには世界の消費者に中国文化を伝える責任があります。今後は、中国の伝統文化の伝播を中心に、グローバル代理システムの管理をさらに強化し、このような問題の再発を防止することをお約束します。」
ちなみにスペインの運営会社とは契約を解除したとのこと。
ただ、その謝罪だけではおさまりませんでした。
その後、人民網が
「このような間違いは、してはならない!」
と追い打ちをかけます。
それに対してMINISOも
「日本人デザイナーブランドを押し出しすぎてごめんなさい。2019年末からは、脱日本化を始めており、2020年1月にはロゴの日本語も袋からは消しました。 2023年3月31日までには脱日本化を完成させます」
との謝罪声明を出しました
この謝罪文章では「日本人デザイナーブランド」としか書いてありませんが、初期のころは「日本発のブランド」として商品パッケージにも間違ったオモシロ日本語が溢れていました。
もちろん一部の中国人は「なんちゃって日本企業だ」と、ばれていたのですが、海外に進出する時の調印式には日本の国旗を用意する徹底ぶり
日本風どころか、全力で「日本発」をアピールしていたわけです(笑)
当初の共同創業者として当初はHPに写真が載せられていたデザイナーの三宅さんも、そもそも運営には関わっていないと名前貸しだった疑惑がありました。
今のHPには北欧、韓国、中国のデザインチームが紹介されていますが、三宅さんどころか日本のデザイナーは一切記載されていません。
脱日本かつ中国ブランドを世界に発信していく体制になっているのですね.
もう三宅さんとMINISOの繋がりの痕跡があるのは彼のツイッターくらいでしょうか…
実際の現在のMINISOの商品は、以前と同様に日用雑貨が中心ですが、
IP商品が多く販売されています。
MARVELを含むディズニーのアメリカ系のIPの他にも、ウルトラマン、サンリオや、NARUTOなど日本のIPも多く使われております。
創始者の葉さんも「趣味消費」を通じてブランド価値を上げていくといってます。アニメのキャラクターに交ざって甲骨文字や化石等の考古シリーズの盲盒など渋い趣味もチラホラと
海外進出先でも売上のためには知名度の高いIPが必要です。
そうなると、ブランドとしての脱日本化は進めていったとしても、日本の人気キャラクターは、今後もMINISOの商品として残っていくことが予想されますね。
すでにMINISO業態が飽和気味の中国国内市場はともかく、これからも出店が増える海外の多くの消費者は、MINISOを日本のブランドと認知して買っていたわけですから、その核心価値を自ら放棄するのはリスクがありすぎます。
実際、スペインの「芸者」謝罪文も英語バージョンは
「グローバルに展開する中国の小売業として、私たちには世界の消費者に中国文化を伝える責任があります。」
というくだりはなかったようですので、現時点で海外消費者に「中国発」を過度にアピールする必要はなという考えなのだと思います。
もちろん売上が見込めるような中国発の人気アニメ、キャラクターがでてこれば、MINISOも喜んで積極的に商品開発、販売をしていくと思います。
MINISOが広がり始めた当初、多くの日本人は、
「メチャクチャな日本語表記で、品質も不安なものを、日本ブランドと勘違いされるのは迷惑だ」
と批判的にとらえていました。
ただ、MINISOは100の国と地域に「日本を宣伝してくれた」企業とも考えられますよね?
アフリカ、南アメリカを含む、まだ日本の小売業が進出していない地域に、現地の人が納得できる品質と価格で
「日本(らしい)物を買ったよ。嬉しい!」
と、日本のファンが増えること自体は、日本のプレゼンスを広げることに、大きく貢献してくれているのではないでしょうか。
そう考えると、MINISOが脱日本を推し進めていくのは、少しさみしくもあります。
この2年以上MINISOで商品を購入していませんでしたが、今日はMINISOと系列店のTOPTOYで日本のサンリオのキャラクターの商品を買いました。
可愛い娘たちに、ねだられて断り切れなかったわけではありません。
日本人の一人として、訪れたこともない世界の各地に日本を広めてくれることを応援する気持ちからですよ。本当に。
アートトイ専門で扱うTOPTOYでは、日本推しのブロックが売ってました。桜と鳥居などのモチーフと並んで、たこ焼き屋、たばこ屋もありました。
この”たばこ”の字体には、MINISOらしさが少し残っていて、今となっては愛おしさを感じますね(笑)
がンパレ!MINISO
今回も、最後まで、お読みいただきありがとうございます!
今回も、最後まで、お読みいただきありがとうございます!
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