中カツ!通信 第185号 アリババに独禁法違反で3000億円の制裁金
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こんにちは中カツ!通信の野村です。
今年2月28日に
中カツ!通信 第179号 サイバー裁判でアリババが訴えられた驚きの金額とは?
を書きました。あの時は、まさかの1元でしたが、今回は本当に驚きの巨額の罰金です。
その金額とは182.28億元(約3000億円)の罰金
さて誰に、何を訴えられたのでしょうか?
前回のように消費者か?
それともライバル会社か?
答えは、以下です!
http://www.samr.gov.cn/xw/zj/202104/t20210410_327702.html
今回アリババに罰金を課したのは国家市場監督管理局、罰金の理由は独占禁止法違反。
中国での独占禁止法適用自体は珍しいことではありません。
3月12日にはテンセント、百度、Didi、ソフトバンク等12社に対しても制裁がかされております。
ただ、その時の金額は50万元(約830万円)と、独占禁止法に引っかかるような大企業からしてみたら微々たる金額。
これまでの中国での最高額は2015年クアルコムに対しての60.88億元でしたので、今回の182.28億元(約3000億円)という額は3倍近いぶっちぎりのトップとなりました。
世界でみてもグーグルに対しての制裁金に続く高額となります。
では、今回の金額はどのように計算されたのでしょうか?
中国の独禁法の47条には前年度の売上に対して1-10%の制裁金という項目があります。
今回は2019年の国内売上約7.5兆円(4557億元)の4%相当として182.28億元という制裁金になりました。
しかも、この巨額の制裁金を処罰が決定してから
15日以内に支払う必要があるとのこと。
支払いが遅れた場合、1日ごとに3%の延滞利子という、ナニワ金融道もビックリの高利です。
1日の延滞利子だけで90億円…
アリババは行政決定を「誠実に対応します」と認めましたので、罰金の支払いも滞りなく行われることと思います。
もちろん罰金を支払って終わりでなく、今回指摘された問題を改善しなければいけません。
今回、問題となったことを簡潔に説明すると
「オレか、あいつかどっちか選べ!」
アリババはECの出店者に対して、出店やW11のキャンペーン活動の際に
「オレ(アリババ)のところで商売したけりゃ、あいつ(京東)には店出すな!」
ということを、独占的地位を利用して圧力をかけていた。
出店者が言うことを聞かない場合には店舗の検索表示順位などトラフィックに影響を与えて嫌がらせをしていたと。
この問題はEC業界では常識といわれるほど周知の事実でした。
詳しく知りたい方は下記リンクの文章(中国語)をご確認ください。
国家市场监督管理总局行政处罚决定书国市监处〔2021〕28号http://www.samr.gov.cn/xw/zj/202104/P020210410285606356273.docx
ライバル企業の京東や拼多多、大手出店企業は今後どのように改善されていくのかにワクワクしていることでしょう。
ネット上での世論はというと、
「消費者の選択が限定されるのはよくない。もっとやるべきだ!」
「美団(デリバリー大手)の手数料18%も問題だ!テンセント、DiDi(配車アプリ)にも対象を広げていくべきだ」
といった支持を表明するものばかりです。
マジメに弊害をかたっているものから、ちゃかしているものまで。
中には、
アリババをはじめ大手ECでよく行われる百亿补贴(100億元還元)キャンペーンにかけて
「今回は政府に百亿补贴(100億元還元)だな(笑)」
「アリババは3000億円の罰金を支払う過程をライブ放送すればいい。そうしたら視聴者からの投げ銭で罰金の一部を回収できるでしょ(笑)」
市場シェアの大きい他の企業へも独禁法の対象となることを、揶揄してこのような写真もアップされてました。
阿里(アリババ)が反垄断(独禁法)という注射を刺されているのを腾讯(テンセント)が不安げに見つめる中、
https://weibo.com/u/5931105019?is_hot=1#_rnd1618123612004
ECのライバルである京東とPDD(拼多多)が大笑いをしながらみている。
などなど座布団一枚あげたくなるような投稿がたくさん。
ごくごく一部に、「もっと独占している主体がある」という書き込みも見受けましたが、これ以上は触れませんね…
1月24日の
中カツ!通信 第174号 雲隠れ後の馬の動画が7兆円を動かした!
で書いたように馬雲(ジャックマー)が久々に世間に登場した際にはアリババの時価総額が7兆円動きました。
4月10日(土)に発表されたこの情報は、今回はどれくらい時価総額に影響を与えるのでしょうか?4月12日(月)の株式市場が開くのをドキドキしながら待っている株民も多いと思います。
社名の由来である「アリババと40人の盗賊」の物語の中で、主人公であるアリババは盗賊が財宝を隠していた洞穴の岩戸を開ける合言葉
「開けゴマ!」
を聞いたことにより財宝を手に入れます。
ただ、アリババから話を聞いて洞穴に入った兄のカシムは合言葉を忘れてしまい
「開け、麦!」
「開け、トウモロコシ!」
と間違えた言葉で扉をあけることができず、結局閉じ込められたまま盗賊に見つかって殺されてしまいます。
おとぎ話の時代と違い現代では、定期的にパスワードを変えるのは常識
今までアリババが財宝にアクセスできていた合言葉も変わってしまったのでしょうか?
「開け蚂蚁(アリ)」と合言葉を間違えてから公の場にめっきり出てこなくなった馬雲(ジャックマー)も、今頃必死に扉をあけて出てくるための次の合言葉を考えているのかもしれませんね。
今回も最後までお読み頂きありがとうございます。
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