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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第184号 あの小米(Xiaomi)が日本人に騙された?

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こんにちは中カツ!通信の野村です。

 

現在の世界における携帯の出荷台数ランキングはご存知ですか?

 

アメリカの調査会社Gartnerが2月に発表した、2020年第4四半期の世界スマホ市場に関する調査結果によると、1位はiphone12を発売したApple、2位にはSamsung。

 

そして3位が本日紹介する小米(Xiaomi)となっております。

 

米中関係で話題になったHuaweiの5位を上回る実績です。

 

小米は中カツ!通信でも何度も取り上げてきている私が注目している企業の1つでもあります。

 

2017年11月

「無印良品を目指す」小米(xiaomi)は携帯だけじゃない有品 前編

「無印良品を目指す」小米(xiaomi)は携帯だけじゃない有品 後編

 

2018年7月

世界で一番高い“米”?!小米上場!一杯目

 世界で一番高い“米”?!小米上場!おかわり

 2020年8月

第151回 TikTok、アリババ、小米創業者の最近の発言から思うこと

 コスパのよい携帯から始まり、IoTへと次々と領域を広げ上場を成し遂げました。同時に創業者である雷軍のカリスマ性とファンを大事にする姿勢から好感度の高い企業でもあります。

 

小米の愛用者は中国語でファンを表す粉丝という言葉から米粉(ビーフンと同じ字)と呼ばれています。

 

その小米が2021年3月30日に重大な発表を行いました。

 

初期投資100億元(約1680億円)、10年で100億米ドル(約1.1兆円)をかけてEV(電気自動車)事業を始めるというのです。

 

中国には既にEVメーカーが乱立している競争の激しい市場です。小米自身も小鵬汽車に投資をしていましたが、今回は自社でも立ち上げるということになりました。

 

このような中国の成長を象徴するような企業が日本人に騙された?というのがネットで話題になっています。

 

同じく3月30日に発表されたのが小米のロゴの変更


少し精米度合いが上がったかのように丸くなりました。

 

このロゴの設計を担当したのが、著名な日本を代表するアートディレクターの原研哉さん。

 

そのデザインにかかった金額が200万元(約3360万円)

 

この金額に対してSNS上で

 

「ちょっと角を取っただけで200万元?!小米は騙されている!」

 

「これくらいのデザインだったら、自分でもできるw」

 

と議論が沸騰しております。

 

Weiboでは#小米新logo#というタグで2.3億人が閲覧し、コメントの数も3.2万人とホットな話題になっています。

これくらいの変化では、そもそもSNSのアイコン表示では変化がわからないとか、

200万元も払ったのだから、他のシーンにも利用したほうが良いとロゴを使った視力検査表がアップされたりと盛り上がっています。

新ロゴに対して賛否両論はあるものの、これだけ盛り上がるのは、ひとえに小米のファンが多いからだと思っています。

 

これだけの話題を作ろうと思ったら200万元の広告費では足りないでしょうからデザイン費以上の効果を回収はできているじゃないでしょうか。

 

また素人が変更後のロゴだけをみると簡単におもえますが、この設計には3年間の時間が費やされています。

 

 

原研哉さん自身が語るロゴに込められた意味を語る動画をみると、その奥深さを感じることができます。

https://weibo.com/tv/show/1034:4620748644614171?from=old_pc_videoshow

 

「”Alive”テクノロジーは進化するほど生命体の形態に近づいてくる」

 

「今回のロゴは形というより性質を表している」

 

「東洋哲学との融合」

 

「少女の微笑み」

 

「宇宙のリズム」

 

「人間とは違う生物のジェレ―ションとディジェネレーション」

 

これだけ見て、何についての説明をされているか当てることは困難です(笑)

http://www.mi.com/a/h/19823.html?masid=2701.0122

 

原研哉さんは今回ロゴだけでなく小米にある意外な商品のデザインも提供しています。

 

それは100%再生可能な洗える紙でできたエコバッグ(29.9元)

ここにも小米が単なる携帯やIoT家電のトップメーカーを目指しているわけでないことが伝わってきます。

 

「無印良品を目指す」小米(xiaomi)は携帯だけじゃない有品 前編

 でも紹介したように、小米は

 

「科学技術界の無印良品のようなブランドになる

 

という目標を掲げていました。

 

勘の良い方はお気づきになられたでしょうか?

 

原研哉さんといえば2002 年より無印良品のアドバイザリーボードのメンバーとなり、無印良品のアートディレクションを現在も担当している、まさに無印良品の象徴ともいえる人物なのです。

 

 

ネット上では見つけられませんでしたが、雷軍を始めとした小米の幹部にとって新しい10年というテーマの新しいロゴを、原研哉さんにアートディレクターをしてもらうこと自体に大きな意義があったのではないでしょうか?

 

電気自動車市場への参入の発表会で雷軍は、こう発言しました。

 

「今回は私の人生の中で最後の重大な創業プロジェクトだ」

 

10年後に小米が世間からは何をしている企業と認識されるようになっているのか楽しみですね。

 

また日本での展開も加速すれば、日本での小米ファンも増えていくことでしょう。

 

日本では米粉(ビーフン)は音が違いすぎてピンとこないので、やっぱり米米CLUBかなぁ…

 

今回も最後までお読み頂きありがとうございます。


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