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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第240号 悪用禁止!上海コロナ封鎖中の悪徳?商売の実態

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こんにちは。中カツ!通信の野村です。

今年もゴールデンウィークが始まりましたね。

中国語では「五一労働節」や日本と同じく黄金週(ゴールデンウィーク)とも呼ばれます。

気持ちの良い季節、多くの上海住民が今までなら海外旅行、国内旅行、キャンプなどを楽しんでいたのに、今年は、いまだに封鎖中…

昨年は、ホテル代が値上がりするのが、不満だったのに、

中カツ!通信 第188号 猫も杓子もゴールド値上がりウィーク(2021年5月4日)

今年は、生活物資が値上がりすることに、文句を言うことになるなんて…

ネット掲示板の「知乎」の中の、

「ゴールデンウィークの休暇は、どう過ごす?」

というスレッドを見てみると、上海の人の回答は一目で分かります。


  寝室日帰り旅行、

 リビング日帰り旅行、

 キッチン日帰り旅行、

 ベランダ日帰り旅行、

 トイレ日帰り旅行、

ちょうど5日間。休みが、もっとあっても行く場所がない。



 エイプリルフール(4月1日の浦西封鎖が始まった日)から今日まで、PCR検査と箱舟(感染者隔離施設)の8日旅行以外で外出していません。6月1日の子供の日には、外に出てアイス買えるかなぁ…

 上海に行って、休みを延ばす予定です(封鎖されて出てこれないから)

  今年のゴールデンウィークは、上海封鎖により、コロナが理由で初めてフランス旅行に行けませんでした。 今までの年は、お金が無いのが理由でいけなかったけどね。

 下に降りて小区(団地)内を歩くつもりです。長らく下に降りていない。

労働節の元々の起原は、過剰労働に対しての規制を求めるものです。ただ現在の上海では、飲食業をはじめとして働きたくても働けない人が少なくありません。

2年前の記事で 

”1886年から約130年経った今も長時間労働の問題は無くなっておりませんが、AI、ロボットが更に進んだ130年後の2149年には「毎月8時間は労働させてくれ!」というデモが起きているかもしれません。”

なんて書いたのが、

第136回 5連休、上海の街に人は戻ったのか?(2020年5月2日)

まさか2年後には、コロナのせいで働きたくても、4月の労働時間が0になってしまう人が、こんなに多く出てしまうとは…

ただ、こんな中でも、悪知恵を働かせて儲けている人はいるわけです。

例えば、

「卵20個とカップ麺6つの値段が570元(約10,140円)で配達代は、配達されてから更に値上げで330元(約6,600円)」

「元手0円、運送費0円!政府支援物資を横領して自分の住民に販売!」

「タバコの転売で1日5万元(約100万円)の利益」


「9日間で3000万円の転売利益!(25万元(約500万円)で仕入れた食材が175万元(約3,500万円)」


「食品取扱実績のないペーパーカンパニーが工業用肉など品質の悪い食料も支援物資として政府に販売し460万元(約9,200万円)の粗利!」

なんていうニュースが、ストレスの溜まった上海住民の怒りに油を注いでいるわけです。

最近の注目を浴びている言葉として「国難財」があります。

上海のコロナによる都市封鎖という非常事態に乗じて、このように儲けることを「国難財」を稼いだなんて使われ方をします。

2020年の時も、需給が逼迫したマスクや消毒水を買い占めて、高値で転売するなんてことがありました。

マスクの時は、世界中で需要に対して、生産(供給)が足りなくなったので値段が高騰しました。

でも、今回の野菜、肉、タバコといった生活物資について考えてみると決して生産能力が、大幅に落ちたわけではありません。

もちろん上海の人達が、食べ盛りの高校生のように封鎖前に比べて2倍以上も食べるようになり需要が増えたわけでもありません。

そんな中で、

「常軌を逸した高粗利でも売れる仕組みとは?」

「儲けた人達は、どのようなことをしていたのか?」

を考えることは、今後、不運にも封鎖されるかもしれない人達だけでなく、通常時の今後のビジネスにも使えるかもしれませんよね?

まず、配達費約6,600円の例で考えてみると、早く物を運んでくれる人がいないので配達費が高騰したと考えると、理解はできます。

緊急で日本から中国に必要な部品を飛行機でハンドキャリーしてもらうということは、よく聞く話ですし合法的なビジネスとして成立しています。

https://www.tisk-f.jp/price.html

関空から上海でEMSで送れば1,500円のところをハンドキャリーだと13万円の費用になるのと、

通常はバイクで配達費500円のところが、封鎖状態だと6,600円に値上がりしたこと。

この2つの共通点としては、

「できるだけ早い時間で届けてほしい!そのためには、高いお金を出す」

という顧客を見つけられ、実際に早く配達する手段があれば、封鎖があろうがなかろうが商売として成立するということ。

タバコを500箱仕入れて、100元を上乗せして販売するというのも、仕入れ先から運んでくれる人が中々いないので、高くなるわけで、観光名所の車道のない山の売店で水が高いのと同じ原理ですね。

これは供給される物が減ったのではなくて、供給してくれる人が減ったことによる値段の高騰。

今回の場合、野菜を出荷する人からしても、運んでくれないと悪くなってしまうので、自身の在庫を優先的に運んでもらう(販売してもらう)ために普段より値下げして、渡しているかもしれません。

だから自身の販売単価は増加させても、仕入れ単価を増やさずにすみ、結果的に高い粗利を確保することができます。

こう考えると、生産と顧客を抑えているだけでなく、物を届ける流通を独占、寡占しておくことが利益の源泉になることが分かりますね。

今回の上海でも紙の通行証の偽装が発覚!なんてニュースがあったのも納得です。

次に、9日間で約3,000万円を儲けた事件をみてみると、

・違法に、他人の食品許可書を借りたネット店舗で、

・大量に仕入れた野菜、タマゴ、鶏、鴨等を高値で販売

と書いてありますので、直接の食料の生産者ではないようですし、約3,500万円の野菜を一人で大量に配達していたわけでもないようです、。

品質の悪い食料を支援物資用として政府に販売し460万元(約9,200万円)の粗利の件については、

・会社もない(ペーパーカンパニー)

・仕入れ先もない(まともな食材を用意できていない)

・資金もない(他の人から手当てしてもらっている)

など普通に考えたら無謀すぎるくらい、何も条件がない中でのビジネス参入です(笑)

じゃあ、彼らが何で、こんなことを実行したかって?

「品質や価格に関わらず、確実に売り込める(買ってくれる)と思える顧客がいたから」

今回のオミクロンでは、各家庭に運ばれてくる物資も感染源として懸念されています。

そのため、集団購入や政府支援物資の配給は、小区(団地)や街道(町内会くらいのレベル)という行政単位が大きな決定権を持っています。

そのために、

中カツ!通信 第238号 ロックダウン上海における戦い方は〇〇だ!

でも書いたように、いろんな関係者の取り分が値段にのっかっていくわけですね。

ひどいところになると元々、自分の管轄の住民に無料で配るようの政府物資を横領して、転売するなんていう地区まで出てくるわけです。

「何を買うにしても、自分から買わざる得ない顧客を囲い込んでいる」

わけですから、悪徳せぇるすまんとしては、笑いが止まりません、やりたい放題ですよね。

もちろん多くの既存業者は良心的な商売をしていました。

今回の国難で、信用を失うような商品や価格で、一度、大きく儲けるよりも、封鎖が終わり通常時になった後も儲け続けられるほうが大事だと考える企業が多かったということです。

実際に適正な価格や、一部には利益度外視で商品を提供している企業もありました。

一方で、このようなLTV(ライフタイムバリュー)を考える必要のない、

「一発、大きく儲けて逃げ切りだ!」

という考えの人達が、コネや悪知恵を悪用して上記のような公安局から逮捕されるような悪徳ビジネスをしてしまうわけですね。もちろん、単独犯でなく、上流から下流まで、いろんな利益関係者がいたことが予想されます。

 法的には捕まっていなくても、ご近所ばかりが集まった住所部屋番号まで知られているチャットグループ内で、不誠実なことをして名指しで批判されたりしている例も何回も見かけました。

今後、同じ小区内で暮らしていくのに気まずいですよね。

 昔なら、誰かを騙して信用を失っても、別の場所に逃げて、ほとぼりが冷めたころに、もう一度、やり直すのも可能でしたが、今では難しいです。

「人の噂も75日」どころか、SNS上には半永久的に残ってしまうことも考えると、信用を失うコストは、どんどん上がっています。

先ほど2つ挙げた悪徳商売を実現できる条件を見てみると

・物を届ける流通を独占、寡占しておくことが利益の源泉になる

品質や価格に関わらず、確実に売り込める(買ってくれる)と思える顧客がいたから

ある地域において独占的に水道管や、電線を使用して電気、水を提供しているというのが当てはまります。

だからこそ民営独占企業が、電気代を、どんどん値上げなんてことにならないように公的機関が介入しているわけです。(もちろん公的機関に任せても適正価格とは限らないけど…)

今回の封鎖という非常事態では、水や電気以外でも、

小区という非常に小さな単位でも独占・寡占企業がでてしまえば、

物の値段は上がるし、量は足りないしという市場の失敗が起き、社会的に厚生損失が発生するということが、身に染みて分かりました。

ただ一企業としては、

・生産から流通まで寡占に近づくような参入障壁と

・相対的な品質や価格だけでなく、あなたから買いたい!と思ってくれるファン顧客を

増やしていくことが、日常でも非日常でも大事になってきますよね。

封鎖されている時の顧客心理としては、いつも以上に

「足元を見られているのでは?」

と不安になっています。

そんな時だからこそ、独占的な権限を悪用して短期的に暴利を儲けるよりも、顧客の信用を勝ち取り、顧客の心を独占して長期的に儲けられる活動をしていくべきですね!

欲望に飲み込まれて人の道を外れて

「ドーン!!!」

と、後で懲らしめられることにならないように、中カツ!通信も、皆さんの、

ココロのスキマを埋められ、クスっと笑えるコンテンツを、

コツコツと、お届けしていきたいと思います。

今回も、最後まで、お読みいただきありがとうございます!

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