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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴20年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

第127回 新型肺炎状況8 活きるための欲とは?

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第127回 新型肺炎状況8 活きるための欲とは?


 みなさん、こんにちは。

日に日に増えていく感染者数、入国規制、イベント中止要請。世界経済への影響も増しており株価は下がり各企業からの悲鳴が聞こえてきます。弊社グループも武漢に拠点があり、数百名の従業員を抱えておりもちろん他人事ではありません。

 

前回の中カツ!通信の記事は、特に多くの方々から反響を頂きました。

第126回 新型肺炎状況7 不自由なのは中国?それとも日本?

 

多くの方から休校やイベント中止についても賛同をする声を頂く中で

 

「でも、感染しても死ぬわけじゃないんでしょ」

 

という反応もありました。確率的には確かに低いのですが、数値化された指標だけを見ていると時に感情のない無機質な理解しかできなくなります。

 

例え致死率が低かったとしても、

例え死んだ人が1人だったとしても、

 

その1人があなたにとって大事な人だったら、確率論で割り切れるでしょうか?

 

今回の新型コロナウイルス肺炎が発生してから、ニュース記事を見て涙することが幾度もあります。冷静に判断することは非常に大事ですが、それと数字だけ見て軽んじること、軽んじて他人の自由を奪うことは別のことだと思います。

 

確かにエボラ出血などと比べ新型コロナウイルスは現状、致死率が低い状況ですが糖尿病など持病を抱えている人、免疫が落ちている人は重症化するリスクが高いのも事実です。

 

実際に中国の最前線の現場では多くの医療関係者も命を落としています。「医者の不養生」と割り切れる状況ではありません。ウイルスが蔓延する中、高ストレスの状態でろくに休憩時間も取らずに、30日間連続出勤して治療にあたる医療関係者が数多くいます。

 

2月18日武漢市武昌病院の院長の劉智明さん(51歳)が新型コロナウイルス肺炎で亡くなられました。

 

武漢市の最初の発熱外来指定病院の院長として、新型コロナウイルス肺炎発生以来、劉医師は医療関係者全員を率いて現場で奮闘します。また劉医師の妻である蔡さんは別の病院のICU看護士長を務めており夫婦で疫病の最前線で戦っていたのです。

 

劉医者は患者からは「医術が優れているだけでなく、態度もとてもいい」と評判だっただけでなく、部下からも慕われており、殉職の際に部下たちが泣きながら「来世もあなたの部下になります」と言ったそうです。

(遺体が搬送される時に思わず駆け寄ろうとする同僚を別の医師が止める様子)


「万一の場合でも、救命のためにチューブを挿さないでくれ。」

自分の死を悟った際にもチューブを引き抜いた時に医療関係者への感染リスクが上がる治療をしないよう気を使うような医者でした。

 

2月7日に武漢市第三医院が発表した「医生患肺炎上了呼吸机,做护士长的妻子这样抉择」(医者が肺炎にかかり呼吸器をつけた、看護士長である妻の選択)という文章で夫婦のやり取りが記録されています。

 

1月22日午前4時、蔡さんは夫である劉医師から「着替えを送ってほしい」という電話をもらいます。指定病院になってから、劉医師は家に帰れなくなっていました。

 

蔡さん:「あの時はとても心配でした。こんな時間でまだ休んでいないのかと…」

 

そして翌日には夫が新型コロナウイルス肺炎で重症病棟に入ったことを伝えられます。当時、蔡さんの病院も発熱指定医院に選ばれ3日以内に院内で20名強の重病者を受け入れるための改造に大忙しで2日間は徹夜の業務が続きます。

 

合間を縫って夫である劉医師の様子を看にいくと夫の主任医師からは

「よくない、かなりよくない、どんどん悪くなっている。酸素飽和度が80を切ったこともあり、どうやっても上がらない」

 

これが何を意味するかは蔡さんにとっては明らかでした…

 

蔡さん:

「全てを投げうって彼のそばにいたいと思いました。彼に”私が面倒をみるよ”と何度も聞きましたが、夫の答えはいつも”不要”でした」

 

「私が一度、来てしまったら離れられなくなるとことをわかっていて、彼はずっと受け入れてくれなかったのだと思います。彼も医者です。自身の状態はよくわかっています。自身の主任医師には”万が一の時でも、チューブを挿しての救命医療はしないでくれ”と伝えていたそうです」

 

1月27日からは蔡さんの勤める第三医院でも重症患者の受け入れが始まります。新しく設定された肺炎専門エリアには14台の原産国も型も違う呼吸器が届きます。それぞれの呼吸器に必要な備品も異なるので蔡さんも町の衛生院、メーカーなど自身の知り合いにお願いして何とか使える状態を整えます。

 

重病者の状態は急変することが多いため各患者を1時間ごとに巡回し、酸素飽和度を計測する必要があり、看護士長である蔡さんは同僚が帰った後も残って仕事をしていたそうです。

 

蔡さんが劉さんへあてたWechatのメッセージ

 

「毎日2時に電話して。じゃないと心配だわ。夜も電話でないし」

 

「ショートメッセージは見られるの?」

 

「私は一緒にいられないの?」

 

「あなた、呼吸ができなかったら呼吸器をつけて!そうすれば少し楽になるから」

 

「怖がらないで、怖かったら私がそばに行くから」

 

(一時間後、返信が来ない状況で)

「あなた、頑張って!」

そして劉医師からやっと返信が来ます。

劉医師:

「昨日は一晩中のたうち回ったよ。どうしても酸素が上がらない。死ぬかと思った。酸欠、苛立ち、全身冷や汗。今朝は呼吸器をつけて、だいぶ良くなった。」

 

蔡さん:

「看に行こうか?」

 

劉医師:

「要らない」

 

その後、2月13日に劉医師の容態は突然悪化し14日は酸素チューブの挿入、17日には人工心肺ECMOによる救命措置が行われますが、すでに肺だけでなく心臓内にも多くの血栓ができており18日に逝去されます。

 

 もう一人、最前線で治療にあたり殉職された彭医師は更に若く29歳でした。

 

2020年2月1日(旧暦1月8日)に結婚を控え、すでに結婚写真も撮り終わっておりましたが新型コロナウイルス肺炎という国難の中、結婚を延期し医師として第一線に向かいます。

 

大晦日(1月23日)には、同僚が彭医師に

「大晦日なんだから奥さんと一緒にいてあげたら」とすすめるも

 

「私は若いですから、私が先に働きますよ」と、その他の家庭を持つ同僚に先に休みを取るように断りました。

 

結果、2月20日に彭医師はこの世を去ることになります。

 

まだ話せたときに彭医師は、同僚にこう言いました。

 

「引き出しの中にしまったままで送れなかった結婚式の招待状が、妻に対して一番申し訳なかった」

 

日本で報道されている陽性で自宅待機指示を受けていた男性は、この2人の医師の話を知った後でも

 

「ウイルスをばらまいてやる」

 

と居酒屋とパブをはしごしたでしょうか?

 

致死率という数字だけで「別に大丈夫じゃん」と軽く考えていたのではないでしょうか?

 

そもそも、この50代の男性は居酒屋とパブに行きたいという欲望がどれだけ強かったのでしょうか。

 

学術的な根拠はないものの、人間の三大欲求としてよく取り上げられるのが

「食欲、睡眠欲、性欲」


世界に先駆けて1月下旬から自宅待機指示や不要不急の外出要請がされている中国の人々は、どのように欲求を満たしているのでしょう?

 

まず睡眠欲は、満たされている人が比較的多いと思います。

 

自宅待機、自宅勤務ということがあると通勤時間もありませんので普段より遅く起きても大丈夫ですし、もちろん居酒屋で日を跨いで遅くまで飲むなんてこともありませんので時間的には余裕があります。

 

むしろ時間的制約ではなく、武漢をはじめとする現地の状況や、今後の経営状況を考えると眠れなかったり、昼間の運動不足で寝付けなかったりということは少なからず発生しています。

 

次に食欲ですが、食料の供給網が途絶えることはありませんでしたのでお腹を満たすために雑草を食べたという話は聞きません。ただ現代の先進国の多くの人間にとって食欲とはお腹を満たすだけでなく「美味しいもの」を楽しむこと。

 

その意味では、外出して美味しい料理を食べるという機会は激減しています。今でこそ店内で食事をできる店も増えてきましたが、1か月前は、お店を開く許可が下りていなかったりデリバリー用の料理すら制限されている状況でした。

 

第122回 新型肺炎状況4 今、上海で外出はできるのか?

 

デリバリーは頼めてもできたてを食べたいという食欲は満たされない中、外出もできず時間を持て余していた多くの人が自宅での自炊に時間をかけるようになりました。

 

特に流行っているのがパン、ケーキ、餃子や点心づくり。

 

2月24日の新浪財経のニュースによると、ECでの酵母は通常の40倍の売り上げを記録したとあります。他にも餃子の皮が7倍の売り上げになったりと粉から自身で作る人が増えたようです。

 

疫情期间宅出面点热 新网红酵母粉电商销量增近40倍

https://finance.sina.cn/stock/relnews/cn/2020-02-24/detail-iimxyqvz5284316.d.html

 

酵母が売れているのはオンラインだけでなく夕方に買い物に行ったスーパーでもレジ横にしっかりと置かれていました。

 

日本のクックパッドのように点心のレシピが掲載されているサイトは中国にもたくさんあり、参考にしながら作るのですが、そう簡単に外で売っているようなものはつくれません。

 

私の家内も多分に漏れず、炊飯器で作れるケーキやら、点心を作っては写真が送られてくるのですが、いつもお決まりの「出来は60点。でも味は美味しいよ」というコメント(笑)

 

写真を見てみると

(蒸す前)

 

(蒸した後)

チョコレートをいれる点心はよい見栄えに作るのが難しいそうです(笑)

 

ただ、ネット上を見てみると家内の作品は、まだましで数々の傑作が披露されております。

可愛い雪だるまの饅頭を参考に作ったら

春も間近?溶けかかった雪だるまになってしまったり

 

炊飯器で簡単に作れるはずのスポンジケーキは蓋についたままになってしまったり、

 

みんな大好き焼き小籠包も

油断をすると新メニュー?

地獄の業火焼き小籠包になってしまいます。

 

飽くなき食欲の探求、デリバリーコストが高い日本では中国以上に数々の珍料理がSNS上に溢れるかもしれませんね(笑)

 

自分で手間暇かけて作った料理は美味しさ倍増ということで制限された中でも食欲を満たすために頑張っているわけです。

 

また食欲といえば「中国人は四つ足のものならテーブル以外は何でも食べる」などと称されますが、今回の騒動となった華南海鮮卸市場では生きたコアラも売られていたといった報道もありましたが、あれはコアラではありません。

 

確かに「活树熊」というのは活きたコアラを表すのですが、2018年にオーストラリア領事館も広東で調査をしたことがあり、故意かわかりかねますが翻訳ミスで実際は竹ネズミという昔から食べられていた動物でした。


確かに動物園で、この竹ネズミがコアラとして紹介されていたら大クレームです。私自身はコアラもネズミにも食欲が湧かないことには変わりませんが…

 

更に話が少し飛びますがオーストラリアの動物2大スターのもう一つであるカンガルーは害獣として食用からペットフード用まで数百万頭単位で殺されているのに、容認しているオーストラリアの人から「クジラを食するなんて日本人は野蛮だ」と言われるのは非常に違和感あります。

 

最後に性欲ですが、最近私の親も中カツ!通信を読んでいるので深くは書きませんが、今回の巣ごもり生活で子供が増えるのではと予測されております。

 

コロナ(Corona)とはラテン語で王冠の意味で、今のクラウン(Crown)の語源でもあります。

 

2020年年末には多くのCrown babyが誕生するかもしれませんね。

 

人はいつかは死ぬものだと誰もが分かっていても、それが明日や来年かもと意識している人は少ないものです。

 

この世に生を受けたからには親に感謝し、一緒に過ごしてくれる家族や友人に感謝し、その感謝を子供たちにも引き継いでいってほしいと思います。

 

中カツ!通信はWECHATでのアカウント登記は漢字表記しかできないため「中通信」としております。

 

有名なスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式のスピーチでもありましたよね。

 

「毎日を人生最後の日だと思って生きよう。いつか本当にそうなる日が来る」

 

 治療の最前線で「患者の活きたいという欲求のために」奮闘し人生半ばで亡くなった医療関係者のためにも、そういう医療関係者を増やさないためにも外出時間を減らして、家族と一緒に活きることについて考えて、安全になったらレストランや旅行に出かけて友人と大いに活きることを楽しみたいと思います。


本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
 

※転送、シェアなどは私に確認せずにご自由にどうぞ。丁寧にご確認頂く方もいらっしゃるのですが、私の返信が遅かったりするので…ご意見、ご質問等は直接Wechatやメールでお寄せください!こちらも返信遅かったりしますがご了承ください。

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第126回 新型肺炎状況7 不自由なのは中国?それとも日本?

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第126回 新型肺炎状況7 不自由なのは中国?それとも日本?


 みなさん、こんにちは。

4年に1度の2月29日も過ぎましたがSARSから16年ぶりの新型肺炎は、過ぎ去るどころか中国だけでなく世界で猛威を振るっております。

 

ただ私が暮らす上海では出勤する人の数も増えてきており、オフィスビル内も少しずつ活気を感じるようになってきました。出勤者が増えるのに伴い、朝限定で他飲食店の軒先を借りて販売するお店も今週復活してました。

出歩く人が増えたとはいえ管理が緩まったわけでなく、弊社のビルでは今までの紙の通行許可書に加え普陀区のWECHATアカウントが提供する通行証を携帯画面で提示することが求められるようになりました。

「ここまでやる必要があるのか?」

 

と思わなくもないですが、北京の天通苑というマンションエリアでは紙の通行証が偽造されて使われていたというニュースもありましたので管理側としては必要なのでしょう。

 

このような厳格な管理が1か月以上続いた成果も出てきており、3月1日現時点の感染者の数は減ってきており、とうとう治癒した患者の累計が現状の感染者数を超えました。

 

つまり感染した半分以上の人が治癒したということですね。

医療リソースも初期に比べ充実してきましたし、中国では今後も終息に向かい勢いを増していくと思います。

 

一方で韓国、日本をはじめとする世界では、1か月前の中国のデジャヴを見るような事態に発展していっています。

 

イベントの中止、学校の休校、テレワーク、出張・旅行の中止

 

に加え約50年前のデジャヴ?か日本ではティッシュやトイレットペーパーの買占めも起きているとのこと…

今、街中でポケットティッシュ配りのバイトやったら一瞬で配布終わるのでしょうか?

 

これまで新型肺炎関連で6回の記事を書いてきました。

 

第119回&120回 日本人からみる新型肺炎の状況1

第121回 新型肺炎の状況3 神速!10日間で病院完成

第122回 新型肺炎状況4 今、上海で外出はできるのか?

第123回 新型肺炎状況5 結局、出勤できたのか?

第124回 新型肺炎GoodNews!マスク(口罩)消毒法

第125回 新型肺炎状況6 やっと出勤できました!

 

いろいろなコメントを頂く中で、日本にいる一部の方からは

 

「通行規制、出入り規制とかそっちは不自由で大変だねー。

 

「情報も不自由で困っているんじゃない?

 

という

”日本は自由、そっちは不自由”

”だから、感染も蔓延した状態になっている”

 

という先入観を感じることが幾度かありました。

 

また先日の安倍総理の学校の休校要請に対して、様々な批判を読んでいるなかで中国と日本で政府に対する反応と受け入れ方の違いを感じています。

 

19世紀のドイツの哲学者ヘーゲルの「自由の相互承認」という有名な概念をご存知の方も多いと思います。

 

 自分の自由(欲望)を全部とおそうとすると、他人の自由と衝突することになり、結局互いに自分の自由はかなわなくなる。そのために他人にも自由があるということを相互に認めあうことにより、結果として社会の自由の相和が大きくなる

 

という考え方ですが、

中国では「移動、外出、ビジネスをしたい」と思う人の自由を行政が制限しましたが、一方で「感染者と接触して新型肺炎にかかりたくない」と思う人の「感染リスクを社会として下げてほしい」という自由は尊重されたということになります。

 

どちらの自由がどれくらい承認されるのかを調整するのが国であり、法律なわけですが、今回のような突発事項に対いて民主主義として正当なステップを経てからでないと法が発布できないと、どうしても対策が遅れがちになります。

 

もちろん今回の根回しなし?の休校宣言で当事者としては、

 

「共働きの親は子供の面倒をどうするんだ!」

「せっかく準備してきた卒業式が行えず可哀そうだ!」

 

と、憤るのも理解はできます。

 

ただ国として一部の個人の自由を制限したとしても、それ以外の人の自由を守る必要があるため、個人的には仕方ないことだと考えています。

 

中国ではある障害をもつ子供が親が隔離されている間に家で餓死するという悲しい事件が発生しました。また隔離されたまま両親の死に目にも立ち会えず、感染リスクの削減のため亡くなった後も拝むことができず灰だけを受け取ったということも多く発生しています。

 

それに対して中国では多くの人が同情しますが、「隔離すべきではなかった」という世論は私自身は今のところ見たことも聞いたこともありません。

 

「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉は中国に関わってきた人なら何度も聞いたことがあると思います。政策が出されても、民衆は抜け道を探すので骨抜きになってしまうというネガティブの意味で使われることが多いですが、今回の新型肺炎を通じてこの言葉の本質は”不自由の中の自由”を如何に享受するかという思考の切り替えの早さとたくましさなのではないかと感じています。

 

新型肺炎の外出規制という不自由な中での自由って?

 

全国的に時間はあっても外出できない期間が続きました。最初は携帯でゲーム、映画、ショートムービーなどを見ていても眼ばかり使ってさすがに飽きてきます。運動用具など何か新しい物を購入しても春節休暇、新型肺炎の移動規制、出勤規制で物流が通常に比べて遅いので中々、届きません。

 

そんな中、数々の時間をつぶすための創造性に溢れる遊びがSNS上で拡散されています。

国技の卓球。まさにテーブルテニス

ミニトマトでビリヤード(台球)


春節気分を味わうためにゴミ箱とシーツで獅子舞を踊ってみたり

一人で静かに過ごしたい時は、麺で編み物をしてみたり

大人の趣味、思考にふけりながら釣りを楽しんだり

これ釣れちゃったらどうするんでしょ(笑)

 

そして極めつけがお医者さんごっこ!

 

ただ、そこは大人の遊び。本格的な帝王切開のお医者さんごっこです。

手術大成功、母子とも健康で八つ子が生まれました。

このミカンの帝王切開はSNSでかなり拡散され、全国の多くの家庭でお医者さんごっごが行われました。

 

本来なら新年会の季節、夜になれば語り合いながら一杯飲みたくなるもの。WEB飲み会も今回の新型肺炎の影響で一気にシニア層まで広がりました。

このように不自由な中でも自由を楽しむことができるというのは、人間ならではの素晴らしい知恵ですよね。

 

また現在は上海でも必要な外出(買い出し)をする人の数も増えてきています。この週末は、せっかくなので地下鉄に乗ってスーパーに出かけてみました。

 

地下鉄にはニュースで見た通り、各車両の中にQRコードが貼られております。

これをスキャンして登録しておくと、同じ車両の人が感染発覚すれば連絡がくる仕組みになっています。

自分の移動履歴というプライバシーがばれるから嫌だなぁと思いましたが、そもそも地下鉄乗るときにQRコードで改札通っているので、どうせバレバレです。そもそも今日の午後はガラガラかつ、1駅しか乗っていないのでもし感染したら一緒にいた友人からにほぼ間違いありません…

 

こうして日本人もよく利用するAPITAのある駅でおりると、スーパーへと続く地下通路の飲食店はどこもガラガラ。


 

少し寂しい気持ちになりながらスーパーに近づいて本日5回目の関所(検温)を通過すると、

私の予想外の大盛況!10近くある各レジとも10人以上の行列です。

店内も大賑わいで、桜フェアの前のピンクな親子が春を感じさせます。

こんなに混んでいるなんて、

 

「もしや、まさか?日本同様にトイレットペーパーの買占めか!

 

と思いきや、大量の在庫が余ってました。レジに並んでいる人も誰も見向きもしておりません。中国ではトイレットペーパーやティッシュを買う自由は全く制限されておりません

並んでいる人の買い物カゴをのぞいてみてもトイレットペーパーやティッシュだけでなく、大量に買い込んでいる人は殆どいなく籠城前の買い込み需要という雰囲気も感じられません。多くの人が外出するついでに買い物するという日常使いをしているようです。

 

とはいっても、入り口の数は制限され入場するには検温を受けなければいけないのでしっかりと管理はされており、日常と比べたら不自由です。

自分に欠けているものを嘆くのではなく、自分の手元にあるもので大いに楽しむものこそ 賢者である。(by古代ギリシャ哲学者 エピクテトス)

 

この先、日本をはじめ世界で自由から不自由さへの移行が暫くは続きそうですが、不自由になった側面にばかり目を向けるのではなく、その中でも自由にできることに意識や行動をむけることにより、ストレスで免疫を落とすことなく、この新型肺炎を乗り切りましょう!

 


本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
 

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第125回 新型肺炎状況6 やっと出勤できました


 みなさん、こんにちは。

 

1月22日から休みに入り、ほぼ1か月ぶりにオフィスに出勤してきました。(もちろん在宅で仕事はしてましたが…)今回は、現在の新型肺炎状況下での上海の新型肺炎対策事情について紹介したいと思います。

 

2週間前の2月5日に上海に戻ってくる過程と近所のスーパーの様子を書きましたが

第122回 新型肺炎状況4 今、上海で外出はできるのか?

 

現在も厳戒態勢は緩むどころか、更に体系的に厳しくなっております。

 

例えば、政府の通知では武漢を含む感染重点地域の人は上海に戻った後に14日間の自宅待機という基準ですが、多くの小区(日本の団地のような単位だが壁で囲まれている)では、「外国も含め上海以外から戻ってきた人は一律、14日間自宅待機」というルールが設定されています。

 

ルールを設定するだけなら、いくらでも抜け道がありそうですが、出入り口を一つに絞り(他の門は全て施錠)、小区から出るたびに門でワンタイムの通行券をもらって、小区に戻るときに券を回収されるという仕組みになっていました。

 

ただ、小区を出るときに毎回、身分確認はされていなかったので14日間経っていない人も小区の外に出れてしまいます。私もそうやって出入りしていたのですが、4日前に急に居委会(団地管理組合)から電話がかかってきて

 

居委会:「上から新しい指示が出ました。あなたは上海に戻ってきてから満14日経っていないので、家からも出ないで下さい。14日経ったら居委会(団地管理組合)の事務所に賃貸契約書と身分証明書持ってこれば通行証を発行します」

 

と通知されました…

 

自宅から出るなと言われても、出前も宅配も小区の入口までしか来てくれないし、ごみだって捨てなければいけません。

 

もう上海で見慣れた光景ですが各小区の入り口には、宅配業者が荷物を置くテントと棚が設置されており、そこまで自分で取りに行く必要があります。

私:「家から出なかったら食材の宅配も取りに行けないじゃないですか?」と居委会の電話に文句を言うと

 

居委会:「私たちが小区の入り口から家まで運びます。ゴミも家のドアまで回収に行きます」

 

という驚きの答えが。中国の小区は大きいものが多く、私の小区では敷地内に46棟あります。その中の14日間経っていない人は一定数いるわけで感覚ですが300世帯以上に送り届けて、ゴミを回収するって相当な仕事量です。

 

”ラスト1マイル”問題ならぬ”ラスト500m”問題を無料で引き受けるって、次回の管理費が値上がりしないか心配になってきます。

 

2日後におそるおそる電話して

 

私:「野菜と冷凍食品が届いたので持ってきてもらえますか?あとゴミもあるのでついでに持って行ってください」

 

とお願いすると、

 

居委会:「あぁ、さっきまた新しい指示がきて、武漢などの重点区以外は小区の中は出歩いてよいことになったので、自分で取りに行って。でも小区の外は出ちゃだめよ。」

 

私:「はぁ(笑)」

 

 

この件に象徴されるように今回の新型肺炎対策は各主体(政府、地方政府、区、町、居住単位、オフィスビル)によって朝令暮改が日常茶飯事です。ただ、どこも自身の管轄区から感染者を発生させたという責任を負いたくないので、下に行くにつれて厳しくなる傾向にあります。

 

とにもかくにも、14日間の引きこもり生活を終えて通行証を入手しました。通行証には名前が記入されていて、出入りの時に身分証明書(外国人はパスポート)と一緒に提示します。出るのはともかく、入るのはかなり厳しくチェックしており、同僚は毎日車で帰る際に後ろのトランクを開けられ人が隠れていないか確認されているとのことです。

 

これで晴れて正々堂々と街に繰り出す権利を得て出勤です。

オフィスの前では前回、荷物を届けた時と同様のセキュリティ体制です。まずは携帯で壁に貼られているQRコードをスキャンすると、この14日間上海から出ていないことを証明する画面が表示されます。前回、上海虹橋駅に到着した時にアプリで入力した情報がリンクされているようです

その後に、もう何回目かというお決まりの

「この14日間湖北省に行っていないか?」

「感染者と接触していないか?」

「発熱などの症状は発生していないか?」

「上海に来る前に居た場所」

「乗ってきた新幹線(飛行機)の便名」

 

などの情報と承諾書を2枚にわたって記入させられます。

紙だけだと虚偽申告をする人もいるのでは?と思われるかもしれませんが、虚偽申告は、ばれた時には処罰の対象で街中にもいくつも

「病状を隠した人は信用度(お金を借りる時などに使用される指標)のブラックリスト入り」

という告知がされています。しかもビッグデータがいろいろと把握されているので、万が一に新型肺炎になったときに虚偽申告がされていたらすぐにばれる仕組みになっています。もちろん取締りのためにだけではなく例えば新幹線の便名から同乗者に感染者がでたら、同乗者全員にメールが行くなどトレーサビリティを確保できるようにというのがデータ収集の主目的です。

 

こうして2枚の記入をした後にパスポートを提示して、事前に会社のほうから申告していたリストと照らし合わせて、オフィスビルへの入館許可書がもらえました。

その後は検温の後に、消毒槽に足を入れて、おばちゃんから両手の表裏にアルコールスプレーをかけてもらった後に受付で会社名や名前を登記して、やっとオフィスビルに入れます。

 

検温の際は低すぎてもダメで、後ろの女性は33.7度だったため、

 

警備員から「少し横で立って温度が上がるのを待ってください」と謎の発言をされて「遅刻しちゃうから、熱が低いんだからいいでしょ」と言い返すも、もちろん通してもらえませんでした。

 

エレベーターに乗っても非日常が反映されています。「戦疫」と書かれたこの公告の最後の一文には

 

「あなたが”退屈だなぁ”と感じている家が、まさに私たちが帰りたくても帰れない場所です」

まさに自分のことを言われているようで、2人のまなざしに少し後ろめたさを感じてしまいます…

 

他にもオンラインでの医療相談など、広告までもコロナ色がかなり強めです。

 

エレベータホールを抜けてようやくオフィスにつくと、また冷っとした寒さを感じます。

 

この気温5度の中、エアコンはつけず、窓は開いたままです。これはビル管理業者からの指導で”窓を開けての換気”、”エアコンはセントラルエアコンで他の階と交差感染するから不可”というのが出ているための措置です。

 

ちなみに弊社のエアコンは独自の室外機で他の部屋と交錯しないのですが、付けたところ電気メーターをチェックしていたビル管理の担当者がすぐに上がってきて、切るように強く言われたそうです。

 

エアコン、窓の開閉チェックだけでなく、出勤者全員の体温を午後に一度測りビル側に提出もしなければいけません。ビル側で朝入館する時に登記した名簿と再度照合しているようです。

 

先にも書きましたが、このように自身の管轄下で感染者は出さないという厳戒態勢が形式的な過度になっている例もあるということですね。

 

オフィスの足元にはオイルヒーターを複数台設置しているので、座るとそれほど寒くなく私が持参した湯たんぽは使わなくて済んだのですが、ヒーターを事前に準備していなかったら新型じゃない肺炎になってしまってもおかしくありません。

 

私は湯たんぽと合わせて前回にもご紹介した

第124回 新型肺炎GoodNews!マスク(口罩)消毒法

虎の子のオゾン発生器をオフィスに持っていき、同じ部屋の同僚からは珍しく感謝されました(笑)

武漢の病院でも新型肺炎対策としてオゾン発生器が導入されたらしく、同じくオゾン発生器を扱われている堀内さんも問合せ対応で大忙しのようです。

 

お昼になり久々に外食をしようかと外に出てみると、どこもテイクアウトのみでマクドナルドも含め店内飲食ができなくなっておりました。(弊社付近の状況であり、店内飲食できるお店も上海にはあります)

張り紙をみると、マクドナルドの自主判断ではなくこれもビルを貸す側の規制であることがわかります。

 

コンビニのイートインスペースも椅子が撤去されテーブルには店内飲食禁止の張り紙がされています。

二軒隣にあるスターバックスも当然、店内飲食は不可。Third placeはいつになったら復帰できるのでしょうか…

 

多くの人にとって自宅がFirst place、会社がSecond placeであることを考えると現在、中国の大部分では1から2への移行期であり、3を楽しめるようになるのは、もう少しかかりそうです。

 

もちろん病院というBattle placeで奮闘している方々がいるからこそ、自宅や会社に行けるようになったということも忘れてはいけません。

 

そして疫病との闘いと同時に経済との闘いも始まっております。政府からは対象企業への減税、免税、補助金等の下支え対策が矢継ぎ早に打ち出されていますが、まだまだ景気の悪化が深刻化すると予想されています。

 

最近、携帯のショートムービー広告が2週間前のオンライン教育、オンライン医療に並んで目立つ業界がでてきました。

そう、消費者金融の広告です…

 

中国で経済と同時に心配が増してきているのが日本の状況です。当初は日本から多く寄せられる救援物資に感謝感謝の一色でしたが、

最近では

 

「もう救援物資を送らないでくれ!

 

という書き込みをちらほら見かけます。

決して、十分にあるからもう不要ということではなく、日本でもマスクや消毒液が売切れになっている現状に加え感染者が増えてきている状況をみて

 

「本当にありがたいけど、日本は日本人のために物資をちゃんと残しておいてほしい。もし日本で肝心の時にマスクが足りなくなったら詫びきれない」

 

という思いやりからの発言です。

 

日本は中国からも感謝の対象だけではなく心配の対象になっているわけで、中国以外の国からしたら、ただの心配の対象です。大きなイベントが中止になったりしていますが、やはり個々人の手洗い、消毒、マスク着用が大事です。

 

日本では法律の違いもあり、中国のように大胆な封鎖や制限をすぐに行うのは難しいと思います。

 

日本でお読み頂いている皆様も今一度、自分事として防止対策を行ってくださいね!

 


本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
 

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第124回 新型肺炎GoodNews!マスク(口罩)消毒法

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第124回 新型肺炎GoodNews!マスク(口罩)消毒法


 前回の記事でマスクの消毒再利用は難しいことを書きました。

第123回 新型肺炎状況5 結局、出勤できたのか?

 

N95マスクの再利用は煮沸してもダメ、アルコールもダメ、紫外線もダメ。日本が週次で1億枚のマスクを生産するという発表がありましたが、全部中国に送ったって、そもそも14億人の5%が毎日外出するだけで7000万枚ですから、生産量も足りないですよね。

 

そんな時、中カツ!通信の読者でもある堀内さんから下記のような写真を頂きました。

「マスクに付着したウイルスの消毒に効果ありますよ」

 

このマスクが膨らんだ餅のように置かれているストーブようなものは何だ???

 

ということで、「外出は控えてください」とあれだけ自分で言っておきながらマスクの再利用と、そもそものコロナウイルス対策のために懲りずに新しいマスクをつけて外出してきました。

 

事務所にお邪魔すると、まずは消毒。ただアルコールスプレーではなく、道具箱のような送風機を使って全身にふりかけます。

浅草寺の常香炉のように物忘れが多い頭にもかけてもらいます。

かすかに消毒水のような香りがしますが、浅草寺の煙と違って眼に入っても痛くないです。

 

 

このかすかな香りのする風の正体は何かというとオゾン(中国語では臭氧、活氧)です。

 

何故、オゾンが新型肺炎に効果がありそうと言えるのか、オーニット上海の堀内さんと総経理の邱さんにお話をお伺いしてきました。

 

オゾンというと地球温暖化で出てくるオゾン層を思い出す方が多いと思うのですが、実は日常生活の中では以前から消毒用の気体として重宝されてきました。

 

私が知らなかっただけで「オゾン」「効果」などで検索すると多くの結果がヒットし主に殺菌、消毒、脱臭などで既に広く使われていることがわかります。

 

オーニット上海と関連会社でも既に中国の一部の高铁(新幹線)車両、地下鉄やドイツ系の車会社など多くの公共機関の他にも北京リッツカールトン、上海ディズニーホテル、上海花園ホテル、他多数に出荷されているとのこと。

私も知らないうちにオゾン層だけでなく、オーニット上海のオゾンにも守られていたのですね。

 

でも今回の疫病である新型コロナウイルス関連肺炎は新種のものです。その新型のものに対して何故オゾンが効果があると言えるのでしょうか?

 

そもそもウイルスは遺伝子である核酸(DNAかRNA)を中心にして,その周囲を蛋白の殻(カプシッド capsid)で包んだ構造です。オゾンは、このRNAやDNAを直接破壊し不活性化します。オーニットではインフルエンザウイルスの不活性化試験の結果などもあり、同じウイルスである今回の新型コロナウイルス肺炎にも、一定の効果が期待できるということです。

 

公開できる顧客リストにも食品会社が含まれていましたがインフルエンザ等のウイルスだけでなくノロウイルスや、ブドウ球菌などの細菌にも効果があるとのことが証明されています。

 

自分が知らなかっただけで新型コロナウイルス肺炎が日本でも注目が集まった1月下旬からはプロ野球チームのヤクルトや中日でもマスクに合わせた対策としてロッカー室や食堂などでオゾン発生器が配置されたようです。

中日ドラフト1位の石川選手も自分でオゾン発生器を購入して宿舎に持ち込んだそうです。

 

https://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/202001/CK2020013002100087.html

 

 

ここまで見ていると良いことずくめに思えますが、何でそんなに普及していないのでしょうか?もちろんそれには理由があります。

 

(普及しない理由1)濃度が高いと人体に有害

 

そう!細菌からウイルスから根こそぎ退治できるオゾンですが、人間の細胞にだけ優しいということはありません。中国で販売されているものも多くは「使い終わってから30分後オゾンが酸素に変化してから部屋に入ってください」という表示が。

オゾンは分子記号ではO3ですが不安定な為、少し放置しておくとO2である酸素に大部分が戻ります。ただ高濃度のオゾン環境に一定時間以上いると眼や肺に取り込まれ粘膜が損傷します。

 

またオゾンの発生方法によっては、オゾンO3から酸素O2に戻る時に酸素のOが窒素Nと結びついてしまいNOx(窒素酸化物)という別の有害物質を発生させてしまう可能性があります。中国で売られている比較的安価なオゾン発生器の中には、この酸素以外の不純物を30%も発生させてしまうものもあり、これが有害なだけでなく刺激臭として残ってしまうそうです。(ちなみにオーニットは不純物1%未満と凄いのは特許も取っている独自の低温プラズマ発生体技術があるから)

 

オーニット上海が多くのホテルや鉄道など人がいる場所で採用されているのかというと、純度の高い人体に影響の無い低濃度のオゾンを安定して発生させる機能があるから。どこよりも強力だからではなく、安定した低濃度だから支持されるって面白いですね。

 

確かに車のような密閉された狭い空間で使用するには、消毒できたけど目が痛くて衝突事故を起こしたなんてことは許されませんので納得です。

 

(普及しない理由2)個人で買うには高い!

 

先ほどの中日の石川選手が買ったオゾン発生器は、なんと20万円!プロ野球選手にとってはヒット1本以下の値段でも、我々のような庶民には日本の自宅に家族で1回帰省するのと変わらない躊躇する値段です。

 

オーニット上海の商品もホテルなどでチェックアウトの後に人がいない環境で使われている業務用「剛碗」は11800元と個人で買うには厳しい値段…

 

私の入室時にはオゾンのプロである堀内さんの濃度数値と噴射時間の調整管理という特別な状況で直接殺菌消毒をしてもらいましたが(皆さんは真似しないで下さい!)通常の状況ではそもそも使用したら30分間部屋に入れないので、今の在宅勤務状況としては、あまり実用的ではないです。(飲食店の開店前とかオフィスの退勤後とかは良いかも!)

 

でも、人がいる環境で24時間使える小型タイプは

(写真の消毒中の野村のマスクは商品に含まれていません)

 

日本産の50mgタイプ(75ー150㎡用)のもので6980元(日本では同じものが16万円らしいです…)

 

中国内組み立ての20mg(30-60㎡用)タイプのもので、なんとお値段3680元!

 

1日15元を使い捨てにするのを、7日に1回にしたら1週間で90元の節約

これから12週間は続くとすると1人1080元の節約、家族4人なら(まだ上海戻ってないけど…)4320元の節約!

 

来年別のインフルエンザ流行るかも知れないし!(縁起悪くてすいません)

 

消耗品もないし10年は故障なしで使っている人も多いと言うし

 

「お徳じゃん!」

 

と、自身の脳内では買うことを決めた後に、買う理由を費用対効果が合うまでどんどんと積み上げていきます。

 

皆さんの中にも少し買いたくなってきた人がいるんじゃないでしょうか(笑)

 

ところが、物事はそう順調には進みません…

 

オゾンを知り始めたばかりの私が買いたくなるものは、前から知っている人はとっくに買っているということ。日本にいる中日やヤクルトですら、早々と配備しているわけですから新型コロナウイルス肺炎の発祥地である中国であれば尚更です。

 

つまり売切れです。

 

1個も在庫が無いどころか次の入荷予定の分も、かなり抑えられてしまっていて2月13日の時点で

 

・50mg(75-150㎡用)のもので3月10日頃入荷予定が残り約30個

 

・20mg(30-60㎡用)のもので2月末頃入荷予定が残り約80個

 

 

とのことです。(刻々と数字が変わりますので、今回入荷分もすぐに売切れてしまう可能性がありますことご了承下さい。)確かに私が訪問させて頂いている間も邱総経理の電話は鳴りっぱなしで、4月以降でオゾン発生パーツが桁がだいぶ違う単位で受注されていきます…

 

でもマスク1枚を使って来た私としても引き下がれないので、なんとかお願いして最後の1台のサンプル器を買わせてもらってきました!

 

その御礼というわけではないのですが、こうやってオゾンの普及活動にも一部協力する形で中カツ!通信に記載させて頂いているという事情もあります(笑)

 

オーニット上海ではネットショップも無く、個人が直接オーダーする方法も無いのですが、この中カツ!通信を読んで頂いている読者の方で中国在住の方限定で予約も受けつけてもらえることになりました!

 

しかも、この皆が助け合わなければいいけない特別な時期だということとすぐには納品できないことから中カツ!通信だけの特別割引を頂きました!

 

・50mg(75-150㎡用)6800元⇒6698元(102元OFF)

 

・20mg(30-60㎡用)3580元⇒3498元(82元OFF)

 

また、予約だけでなく私の説明だけじゃ分かりにくい疑問点も堀内さん(日本語)、邱さん(中国語、日本語)に直接ご質問頂いてもよいとのことでグループチャットを作らせて頂きました。

 

質問や予約は上記のQRからWechatグループに入って頂き堀内さんか邱さんに直接お伝え下さい。

 

万が一、Wechatグループに入れないという人は私までWechatかメールで御連絡頂ければ堀内さんのご連絡先を個別にお伝えします。

 

私は一足先に家でオゾンを浴びながら文章を書いているんですが、心なしか家に染み付いていた唐辛子と油の匂いが取れてきた気がします。新型肺炎が収まった後も家内が料理を作る時にはキッチンでスイッチオンにしておこうと思います(笑)

 


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第122回 新型肺炎状況4 今、上海で外出はできるのか?

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第122回 新型肺炎状況4 今、上海で外出はできるのか?

みなさん、こんにちは。

帰省先の湖南省の家内の実家から私一人で上海に戻ってきました。今日は戻る過程の様子と翌日買出しに出た時の上海の様子を紹介します。

 

この時期に私が一人で上海に戻ったのは長期化に向けて自宅にある娘の常備薬や粉ミルクを送る為と10日から始まるであろう仕事の帰省ラッシュを避けるためです。

 

高鉄(新幹線)に乗るには隣の県まで高速道路を通るのですが、都市間の長距離バスは運行を停止しているので、親戚に送ってもらいます。

 

道路が封鎖されていることを心配していたのですが、なんとか無事に通過できました。「なんとか無事に」というのは、封鎖はされていなかったのですが、体温チェックがありました。

高速を下りる車の全ての乗車者に対して体温検査が行われています。ちょうど数台前の人は検温の後に降ろされて臨時の検査所に連れて行かれていました。後ろの人はカメラマンですかね…

 

到着すると駅舎に入る前に、全員体温検査があります。

二週間前とは違ってさすがにマスクの着用率は100%

普段だと新幹線に乗った後は多くの人がお菓子やカップラーメンを食べるためいい匂いが漂ってくるのですが、今回は皆マスクを外したくないのでこの路線で今までにないくらい無臭です(笑)

 

そうすると車内販売なんて買う人がいないはずなのに、多くの人が呼びとめてQRコードをスキャンしています。マスクでも売っているのかなぁと覗き込んでみると、上海に着く人は全員駅に入る前に登録が必要とのこと。

 

実際に開いてみると、職場情報(職がある人のみ)、交通手段、乗った列車や湖北省からの出発や経由でないかなどを記載してきます。




もちろん、全員がスマホでできるわけではないので駅に着いた後に紙の申請表で提出することも可能です。その後にスマホの場合は完了した後に携帯に届くSMSを見せるか、記入した紙を提出し、再度検温をしてから一般エリアに入ることができます。

地下鉄に乗ると更に警戒態勢の人も見かけます。衣服への飛沫の付着を防ぐ為にレインコート、眼にはゴーグル、手と携帯にはビニル袋をかぶせております。

上海市内は地下鉄もバスも全路線運行しております。

地下鉄からDIDIで車にのり自宅のマンションの敷地内に入ろうとすると警備員から降りるように指示されます。24時間体制で入り口でチェックをしているのです。

 

駅で書いたのと同じ情報を記入し、ここでも体温を測られてからやっとマンションエリアに入ることができます。タクシーだけではなく、デリバリーも郵便宅配も門のところまでしか入ることができません。

なので野菜の宅配や荷物もこのように置かれて住民が受け取りに来ます。

荷物を送る時も、この門のところまで持ってこなければいけないので重たい時は大変です。逆をかえせばドアの前まで来てくれる今までの通常生活が便利だったのですが、失ってみて気づく便利のありがたさです。

 

翌朝は、もの凄いノックの音で目が覚めます。居委会(マンションの居住者管理会)のおじさんです。

 

再度、上海出戻り登記手続きをする必要があるので賃貸契約書と身分証明書を持って管理事務所に行くように言われます。

訪れてみるとここにも全身防護体制(レインコートですが…)の管理会の人が待っております。私以外にも何人か登録の人がいますが飛沫感染を恐れてか2m以上間隔を空けて並んでいます。

 

普段はエレベーターや地下鉄でドアが開いたら、いち早くはいるため密着して並ぶことが多いのでこんな時でないと見れない珍しい光景です。

 

登録と同時にマスクの購買予約件も受領できました。ただ、これを持っていけばすぐ買えるわけではなく、入荷されたら電話が来るのでその後にこの紙を持っていくと買えるという仕組みです。一日半経ちましたが、現状電話での連絡はありません。

昔の配給制度や兌換券の時には店頭にものが少ないから、こんな感じで入荷待ちをしていたのですかね。

 

家内の実家への荷物を郵送した後は買出しです。本来は以前にも紹介したことのある生鮮品を最短30分で届けてくれる叮咚买菜でそろえる予定だったのですが、6時10分からオーダー開始で5分後にはほぼ完売。

(「抢光了」は売り切れの意味です)

しかもやっと購入できたものも、30分どころか300分経っても配達に来ません。それもそのはず、聞いてみると自宅近くの小さい配送拠点だけで6時からの30分で250件のオーダーという普段の20倍以上が来てるそうです。しかも買い溜めする人が多いので1件あたりの点数も多く、本来8時に配送するものが12時になってもピックアップ作業が終わらないという状況とのこと。配達員も田舎から帰って来れない人が多いので配送にも時間がかかっております。

 

仕方なく買えなかったものの補充にスーパーに行ってみると野菜を始めとする生鮮品も充実しており、私が苦労して家内の実家から5キロ持ってきた白菜も豊富にありました…

約1週間前に友人から送ってくれた上海のスーパーの様子とは大違いです。

買出しの帰りにファミリーマートにコーヒーを買いに寄ってみると、店内はかなり混みあっています。なじみの店長に聞いてみると「他の飲食が閉まっているところが多いので普段以上に売れている」とのことでマスクの下はかなりの笑みであることが予想される声のテンションです。

 

確かに上海の飲食店は地方の人が働いている場合が多く、春節時に店を開けない路面店が多いです。ただ既に戻ってきていても店が開けられない事情があります。

テナント管理側の自主規制で上海以外に出た場合、戻った際の登録ならびに戻ってから14日間の潜伏期は開店ができないように決めているところが多く、必然的に春節中も閉めなかったレストラン(といっても、利用されているほとんどはテイクアウトかデリバリーですが)やコンビ二に客が集中しているわけです。

 

そして毎回の丁香园からの統計情報ですが、

https://3g.dxy.cn/newh5/view/pneumonia?from=groupmessage&isappinstalled=0

全国で見ると相変わらず増え続けています。

 

しかし増加数が湖北地方でも頭を打ちました!

 

今までは病院施設が不足している為に実際は感染していても感染が確定されない人が多く施設や人員の増加とあわせて感染数が増えていたことが予想されますが、それが一段落したのでしょうか。

死亡率に関しても武漢をはじめとする湖北省とそれ以外の地方で大きな差がありますが、これも診断、収容施設が足りない為に重症になってから病院に運ばれることにより死亡率が高く見えている可能性が大きいです。

適切なタイミングで治療を受けた場合の死亡率が湖北以外の数値に近いとすると死亡率は0.5%以下なのかもしれません。

逆に言えば湖北省の感染者数は統計よりももっと多いということですが…

 

2月10日に多くの都市で予定されている仕事再開に向けて新幹線の帰省ラッシュが始まりますが、密集による感染リスクを懸念し乗車率を抑えるために既に購入されていた一部の切符が取り消しになったりしているようです。

 

移動制限下での終わりの始まりが見えてきたところで、この2月10日からの14日間の潜伏期を全国で乗り切れば、本当の収束に近づきます。

 

10日からの勤務を在宅にしたりなど既に対策を採られている日系企業も多いですが、中国にいる方も、日本にいる方もまずは自己防衛!

 

武汉加油! 中国加油!

 

まだまだ各種のデマが出回っていますが、くれぐれも盲信しないように気をつけてくださいね! 

 

下記は同じく丁香园の昨日のデマランキングから

ある家の子豚がしゃべりだした。これは疫病の前兆か?

 

丁香医生の回答:?????

?????他にも家で9個卵を茹でると、平安が保たれる?????

 

さすがにコレには騙されないですね(笑)
心の平安は卵頼みではなく自分と家族で保ちましょう!

 


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