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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第202回 株価98%減、教育ビジネスは誰のためにあるのか?

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こんにちは、中カツ!通信の野村です。

オリンピックも無事に閉幕式を迎えましたね。
選手や関係者の方、お疲れさまでした!

まだオリンピックの興奮が冷めやらぬかと思いますが
24日のパラリンピックが始まる前にも見逃せないイベントが!

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さてオリンピックに限らず国の政策により
企業業績が影響を受けるのはよくあること。

特に中国では、その傾向が強く注目されています。
 

ただ先月24日発表された政策が、
ある業界に与えたインパクトは驚くべきものでした。

 

ストップ安がないアメリカ市場に上場している業界の代表的企業の株価は

 

GO TO(高途)は2日で66%減

 

好未来は2日で72%減

自身がこれらの企業の株を持っていたら思うとゾッとします…

 

2社以外にも、業界のほとんどの株は2桁以上の減が起こりました。

 

その大激震が走った業界とは「教育」です。

 

えっ、中国の教育業界の株価が暴落するってどういうこと?

 

・二人っ子政策から三人まで産めるようになり教育市場は広がる

・コロナでオンライン化が加速し、地方も含め市場が広がっている

 

など、むしろ中国の教育市場はチャンスじゃなかったの?

 

という認識だった方もいらっしゃると思います。

 

実際、幼児から高校生までの教育を事業とする企業は49万社、去年コロナ時期に8.4万社が増え、21年も5月までで4.9万社増えたとされています。

1年半で業界の企業が約25%も増えるなんて、とてつもない成長市場です

 

さきほどのGOTO(高途)も、つい半年前の21年1月下旬には149ドルという高値を付けていました。

半年ちょっとで98%の暴落… 

では、このように好調だった教育市場にここまでの衝撃を与えた政策とは一体どんな内容だったのでしょうか?

 

今回、発表された

 

「关于进一步减轻义务教育阶段学生作业负担和校外培训负担的意见」

 

「更なる、義務教育中の学生の宿題負担の軽減と課外の塾負担の軽減に関する意見」

 

という文章は通称「双减」と呼ばれています。

 

双減は8つの大項目の中に30個の内容が記載されており、その中で気になった箇所をあげていくと

 

・塾の授業料の監督強化。義務教育段階の塾の学費は政府の指導価格にそって明示する。

 

・学科類科目(数学、英語など学校で教える授業科目)に関わる教育サービス企業、学習塾は一律に上場禁止

 

・外資企業は学科類科目の塾への出資禁止

 

・既存の企業も非営利機構として登録し直し、政府の許可制とする。

 

 

これらをみると株価が暴落するのがよくわかりますね…

上場できないだけでなく、そもそも非営利機構となってしまうのですから、利益目的の人にとっては投資する意味がなくなってしまいます。

 

 

双减の目的は学生の負担軽減、家庭の塾への経済負担軽減なので、学校や生徒に関する

 

・小学校1、2年生は宿題なし、3から6年生は60分以内、中学生は90分まで

 

・オンライン教育は学生の視力保護のため、1授業は30分を超えてはならず、10分間の休憩をとり終了時間は21時を超えてはならない。

 

・宿題をネットで教えてくれるようなアプリの禁止

 

といった項目も含まれております。

 

ただ、我が家にとって一番影響が出そうなのが、

 

・3歳から6歳の未就学児に対してのオンライン教育、就学前先取りクラス、思考訓練クラス等のオフライン学科類(外国語含む)の塾を禁止。

 

という内容。

 

5歳の長女は以前にも紹介した

 

中カツ!通信 第175号 4億人の子供を教えてきた猿とは?

 

このオンライン学習を行っており、先月に秋の英語の講座を申し込んだばかり…

 

「ちゃんと授業は行われるのか?」

「授業がなくなったら授業料は戻ってくるのか?」

 

を、妻がすぐに確認します。

 

現状では

「授業は行われる」

「行えなくなったら返金する」

 

という説明はあったものの、心の中では半分はあきらめモードです…

 

娘の土曜日のバレェ教室の待合室でも前の席のお母さん達が

「幼児向け数学の塾は、もう潰れるね」

「個人の家庭教師を頼もうかと思うけど高い」

 

など、この話題でもちきりでした。

ちなみにバレェは非学科類なので、今のところは制限される予定はありません。

 

影響を受けるのは企業と家庭だけではありません。そこで働いている従業員にもリストラの嵐が吹き荒れています。

 

微博で具体的状況を検索してみようとリストラ(裁员)という文字を入れただけで教育関連の企業名がずらっと検索候補で並びます…

この業界は教師を中心に1000万人以上が雇用されていると言われています。一社が倒産しただけなら他の成長企業に転職できますが、業界が縮小してしまうと同業他社への転職すらできません。

 

「将来、お子様が大人になった時に就職に困らないように」

 

なんてセールスをしていた当事者達が就職できなくなったら笑えないですよね。

 

他にも

 

・海外にいる外国人教師を使った授業の禁止

 

 

という内容もありビデオ通話でフィリピン等の英語ネイティブの先生と会話練習をしましょうというサービスも壊滅的な打撃を受けることになり、失業者は中国国内だけに留まらず海外にも影響しそうです。

 

娘が通う幼稚園にもカナダ国籍の英語の先生がいるのですが、教育機構として許可を得ている幼稚園でオフラインで英語を教えている先生は問題ないとのこと。

 

逆にカナダ人の先生からは

 

「幼稚園以外の英語塾は今のうちに返金申請しておいたほうがいいよ」

 

と心配されてしまいました。

 

このように社会に大きい痛みを与えてでも「宿題の量と学校以外の学費」を軽減させる必要があったのでしょうか?

 

中国は伝統的に子供の教育に対して熱心な家庭が多いです。

 

一人っ子政策となれば一家の将来を背負う、たった一人の子供ですから

 

「人に負けない学歴を」

「そのためには小さい時から遅れてはならない」

 

と各家庭の教育投資が過熱していきます。

 

需要が増えれば供給も増えるもの。

 

近所のショッピングセンターでは20以上の子供向けの教室があります。(数学、英語、プログラミング、ダンス、ピアノ、絵画なども含む)

 

地下鉄駅直結のショッピングセンター内に教室があるくらいですから学費も長女のバレエだと毎週(45分×3コマ)で700元(約11900円)、ショッピングセンターの外でも水泳は1回180元(約3060円)などかなり高いです。

 

オンライン授業は相対的に安いものの、我が家だと次女の分もかかりますので私の月間の飲み代より、よっぽど家計を圧迫してくるわけです。

 

幼稚園の友達のお母さん達の中には

 

「数学オリンピックの授業」

「英語の授業」

「絵画の授業」

「古典楽器の授業」

 

など、
社会人よりも忙しいのではというくらい習い事に通っており
おじいちゃん、おばあちゃんが送り迎えをしている家庭も多いです。

 

経済格差が教育格差を生み、
その教育格差が更なる経済格差を生む


という循環が促進されるのは
確かに国としては見過ごせない状況だと思います。

 

また辛いのは財布だけではありません。

 

競争社会のプレッシャーで
子供も親も、時間も心もすり減らしてしまう状況

があります。

 

同僚は小学生の子供の宿題を教えるために出張の時でも21時頃から1時間近くビデオ通話をしておりました。


・宿題を終えるのが毎日23時を超える
・学校の定期テストの問題が学校の授業範囲を超えているのは普通

という話も聞きます。

 

よい成績をとろうとすると、
真面目に学校の授業に参加しているだけでは無理で、
家庭の経済的、時間的援助がないと成り立たない構造が
都市部を中心に出来上がってしまっているのです。

 

成績不振を苦に自殺をする学生がいたり、精神的に病んでしまう親がいたり、勉強に関してのいざこざで家庭内不和などというのは珍しいニュースではなくなっていました。

 

子供はもう一人欲しいけど、きちんと教育するだけのお金がないから産まないというご家庭も少なくありません。

 

このような悪循環を是正し機会の平等を実現するための政策が「双减」なのです。

 

日本だったら税金を投入して義務教育の学校での授業の量と質を向上させていこうという底上げだけで終わりそうですが、

恵まれている人だけが得られる機会を市場に介入して制限するというパワープレーもついているのはさすが中国といった感想です。

 

「学生の宿題および課外授業の負担軽減、家庭の教育支出と精神的負担の軽減については1年以内に効果が表れ、3年以内には目に見える明らかな成果」

 

という時間目標もついております。

 

これらの政策が現在の学生、娘達も含まれる未来の学生、そして彼ら「ゆとり世代?」が大人になる時の中国社会にどのような効果をもたらすのか当事者としても注意深く見守っていきたいと思います。

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

 

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