第158回 知らないと恥をかく?中国の新居に訪れる時の作法
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第158回 知らないと恥をかく?中国の新居に訪れる時の作法
こんにちは。中カツ!通信の野村です。
大型8連休も折り返し地点、たくさんの人が出かけているようです。
私は嫁方の親戚(いとこ)の引越し祝いに3泊4日で行ってきました。
中国語では「暖房」と言うのですが引越し祝いというよりはハウスウォーミングパーティーの盛大版というイメージでしょうか。
最初に新居のお祝いと聞いた時は
「紅包(ご祝儀)だけ贈ればいいんでしょ?」
と思っていました。
ところが、比較的近くに住んでいる私達が行かないのは失礼だとの義母を巻き込んだ家族会議の結果、泊りがけで行くことになります…
湖南の実家から出稼ぎに来て10数年、念願のマイホームです。数回しか会ったことない親戚とはいえお祝いしたい気持ちはあるものの娘の幼稚園のルールで上海からでたら14日間通園禁止ですので、それなりの決心が必要でした。
いとこが新居を構えた嘉興は上海から新幹線で約30分私たちからは近い場所ですが、湖南の実家の村から車で16時間。10人も集まるのかと毎度ながら家族意識の強さに感心します。
私の仕事の関係で新居に入る儀式には間に合わず、夜はレストランで食事をするとのことで行ってみると、案の定 湖南料理でした(笑)
しかも国慶節にふさわしいような人民公社という名前のテーマレストラン
トイレの名前は解放区です(笑)
案内された小さい個室には子供と女性しかおらず知っている親戚は1人しかおりません。
「あの叔父さん達はまだ来てないんですか?」
と聞くと別の部屋だというので行ってみると4つの個室の仕切りを開けた場所で既に宴会が始まっておりました。
家内もこんなに人が来ているかつ、ほとんど知らない人ばかりとは知らず少し驚いています。
聞くところによると、30年前に龍家の村(苗字ほぼ100%龍)から嘉興に出稼ぎに来た人が成功し、同郷の人(なんらかの血縁関係あり)は、その先人を頼って次々と嘉興にでてきたため、龍家とその血縁のコミュニティが100人単位でできているとのこと。
日本人ということで珍しがって紹介されるのですが、苗字が龍のおじさん、おばさん出現率が異常に高いのと、親戚関係が
”嫁の父方のいとこの、父親のいとこの、娘の、旦那”
とか遠すぎて、日本の自分の親戚関係に当てはめてイメージすることもできず全く頭に入ってきません。
さらにほとんどの会話が、故郷の方言ですので定期的に行われる
「乾杯」
が聞えてきた時にお酒を飲む以外は、何が話されているかは表情を見ながら想像していることしかできません。
ビール、ワイン、白酒と続く怒涛の乾杯に、家の主人が酔いつぶれてしまい我々は1日目は新居を訪問することはできませんでした…
2日目は朝から5A級の観光地である南湖に連れて行ってもらいます。
整備もされていて気持ちの良い緑も広がっており散歩にはうってつけの場所です。
公園だけなら無料で散策できますし、湖の中の島に行ける船も20元と安いので、もし嘉兴にいって時間があればお薦めです。
さて、やっと新居に到着です。
新居を祝う対聯が貼られています。
真ん中の「新居大吉」
左:喜進新居千年旺
右:宅地生輝幸福長
漢字で縁起の良い言葉が並んでいるのがわかります。
家に入ってみて気づくのが植物の多さ。
不自然なほどの自然の存在感。
新居に活気を取り込むために植物、特に縁起の良い物を多く置いているのだそうです。
大きいのの横に小さいの
大きいの横に小さいのときて
なんか変な柵みたいなものを発見。
福の気を取り入れる門か何かかと思って、尋ねてみると
「湖南の実家から刈ってきた柴」
とのこと、触ってよいのか尋ねると
「担いでもいいよ」
との返答。
風水的な気の門ではなく担いで使う道具だったようで、足にぶつけると痛いので部屋の隅に置かれていただけでした(笑)
この道具が使われるのは新居に入る儀式のとき。
占ってもらった縁起の良い時間(今回は朝7時58分)に親戚一同(今回は20人)が一人ずつ家に入っていくのですが、2つルールがあります。
1)入る際に良い言葉を唱えること(说好话)
2)手には必ず縁起の良いものを携えること、つまり手ぶらで入ってはダメ。
1)のは特別な呪文などではなく、
「恭喜発財」など新年のあいさつで使うような縁起の良い言葉を口にしながらドアの境界線を越えるそうです。
2)は空の新居(冷たい存在)に運気、活気をもたらすため縁起の良い物、暖かいものをもちいれます。
最初に持ち込まれるのは、火のついた炭、その後に例の柴、その後は油と塩、魚、など続くそうです。
残念ながら、その実際の写真はありません。なぜなら皆、両手が埋まっていて写真がとれないから…
仕方がないので話を元に再現写真で紹介します。
まず火のついた炭が入ったナベをもって家に入ります。(火は野村が後から描いたもの)
その後に例の柴や油をもって入ります。
他には米花といわれる祝いの場で食べる赤く着色したお米
他には鏡なんかも持って入るそうです。
ではお爺さんが山で柴刈りしてきた薪はどういう意味があるかというと
财源滚滚というお金がどんどん転がり込んでくるという発音にかけて、柴(chai)を丸めた(圆)棒(棍)の縁起ものとのこと。
桃太郎の時代の柴刈りが現代まで続いている歴史の長さを感じます。
写真を撮りながら遊ぶのも束の間、夜の宴が始まります。
新居ではないものの、緑あふれる農家荘というマイナスイオン溢れるところでお酒を飲みます。
今年は国慶節が中秋節と重なったこともあり月餅は欠かせません。
料理と一緒にタバコも廻ってきます。
3日目の昼も宴会ですが、ここでも月餅がでてきます。
とにかく月餅がでてきます。月餅の消費量がなぜ増えるのか不思議だったのですが
中カツ!通信 第157号 ボッタくり?月餅それでも市場が拡大する理由とは
この3日で5個は月餅を食べて市場が拡大していることが分かりました。月餅を食べなくてもよい時までついつい頼んでしまいます。
嘉兴の旅を終えて上海に戻ってくると、娘の友達の誕生日会で、また月見酒です…
月餅は円満の象徴。
そして家族、親戚、友達との円満な関係は幸せの源です。
でも、毎日飲んで食べて円満になるのは精神的な繋がりだけでなく、顔やお腹もどんどんまんまるに膨らんでいくのが悩みどころですね…
食欲の秋は満喫したので、次はスポーツの秋を頑張らなければ!
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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