中カツ!通信 第170号 中国の流行語で振り返る2020年
中国で勝つための、
ちょっと活力を得られる情報をお届け!
メルマガ無料登録URL
http://eepurl.com/c7GHF
□■□■□■□■□■□■□■□■□■
第170号 中国の流行語で振り返る2020年
こんにちは中カツ!通信の野村です。
2020年の最終号となりますので、恒例の
「今年の中国流行語」
で1年を振り返りたいと思います。
【過去3年の流行語は以下からご参照ください】
第115回 中国の流行語と猫で振返る2019年と2020年の予測
流行語の発表は雑誌「咬文嚼字」が発表するものと、国家語言資源研究センター他で組織する汉语盘点が発表するものがあり、今回は「咬文嚼字」が発表したものを紹介します。
さっそく12月4日に発表された10の言葉を見ていきましょう!
一、人民至上,生命至上
新型コロナの流行は中国国民の生命と健康にも重大な脅威をもたらしました。
5月22日第13期全人代の第3回会議で習近平総書記が発したのがこの言葉。「国民の命と健康を第一に考える」という意味ですね。
二、逆行者
2020年の新型コロナが爆発的に広がる中、一般市民は感染を避けるためにステイホームが求められました。一方、多くの医療従事者、警察、技術者などはウイルスと戦うべく発生地である武漢を始め最前線に向かっていきました。
逆行者とは彼らのことをさす言葉です。
発生当初の武漢は、まだ新型コロナへの理解も少なく、医療従事者の中にも命を落とす方が少なくありませんでした。中には結婚式をひかえて、招待状を送れずに、この世を去った若き医師も
今、こうして上海で日常生活を送れているのも、そういった逆行者がいたからこそ。改めて感謝をしたいと思います。
三、颯
颯爽の「颯」で、元々は風の音を表現する言葉です。今年は爽やかな見た目を賛辞する形容詞として多く使われました。
対象は多くの場合、女性の医療従事者です。統計によると、医師の約5割、看護師の9割以上が女性です。
新型コロナの最前線で戦う女性を「勇ましく、美しい」と表現する報道が多くされました。
四、後浪
5月4日青年の日の前夜にBiliBiliに投稿された「后浪」が注目を集めました。俳優の何冰は、新世代の若者を「後浪」と呼び称賛、激励しました。
主に90年代以降、00年代以降の若者を指しており、元々は「反抗的」「ろくでもない」と否定的な見方をされることが多かったのですが、多様な個性、自身の興味あることの追求、自由を選べる権利などの賛辞。
多くの共感する意見とともに、「若者にこびているのでは?」といろいろな議論を巻き起こしました。
五、神獣
新型コロナによるオンライン授業は多くの親を悩ませました。
学校の閉鎖により在宅で授業を受ける子供達は素直に授業を受けてくれる子ばかりではありません。システムの不完全なところをついてサボったり、オンライン授業のAPPに悪い評価をつけ、ダウンロードできなくしたりと可愛くも、手ごわい子供たちを称したのが、この「神獣」という言葉。
学校が再開され、「神獣」が檻の中に早く戻ってくれることを祈っている親が多くいました。
子供だけでなく大人も外出できない時間をどのように過ごすかは、いろいろな方法が流行りましたね!
第126回 新型肺炎状況7 不自由なのは中国?それとも日本?
六、直播带货(ライブコマース)
ライブコマースは今までのEC店舗の販売手段の一つという位置づけから、新型コロナでの移動制限、既存商流が麻痺した中で地方の農家や工場の生き抜くための頼みの綱として一気に普及しました。
数多くの生産者だけでなく、Ctripをはじめ有名企業のCEOや地方自治体の長などが次々とライブコマースを行い話題になりました。
しかし、良いことばかりだけでなく、同情を誘う作り話、宣伝と違う粗悪品、アフターサービスがおいつかないなど問題も起きており、効果的な規制や対策が急がれています。
七、双循環
第14期国家経済社会発展5カ年計画と2035年ビジョン目標の策定に関する中国共産党中央委員会の提案でも提唱されたのが、この言葉。
新型コロナ、米中対立などの外部要因もあり、中国の長期的な発展と安全保障のためにも内循環(国内市場)を強化し外循環(海外市場)との二重戦略的展開をしようというもの。
この双循環は、今後もキーワードになっていきますね。
八、打工人
打工とは仕事をするという動詞なので、打工人は直訳すると「働く人」とです。特に肉体労働者や地方から出てきて働く人をさす言葉として使われていました。
9月にネット上に投稿された
「働き者はすでにクレーン作業を始めようとしているのに、まだ毛布の中でぬくぬくしているのは、自分の生活を大事にしていない、 "おはよう!打工人" 」
という動画が注目を集めました。「働かざる得ない人」として自虐的に使われたりすることが多く、ホワイトカラーも含め社畜などに近い用法で使われました。
九、内巻(化)
元々は人類学などで用いられる「内巻化(involution)」という、農業開発が一定程度の発展に達した後に生産量が停滞するものの、時代にあわせて変化していくことができないことを指しています。 学生の間での非合理的とも思える熾烈な内部競争を指す言葉として流行語になりました。
時間を惜しんで自転車に乗ってる時も本を読む人、パソコンを使っている人、ベッドの上に本の山を広げている人などが「巻王」と呼ばれてました。
学校で良い評価をもらうために5000字のレポートという課題に対して8000字、1万字と多く書くというような本質的でない内部競争が起きてしまっている時などに「内巻化」を使います。
社内での出世競争のためだけに意味の少ない仕事をしている状況なども内巻にあてはまると思います。
十、ベルサイユ文学
日本の漫画、「ベルサイユのばら」からきた言葉で「さりげなく見せびらかす」という意味で使われます。
SNS上にはブランドもの、高いレストランなど自身の優越感をしめす投稿が溢れています。それを直接的に表現するのはいやらしいので、表面的には不満を漏らしながら、しっかりと自慢しているみたいな表現方法です。
例として、
「夫がランボルギーニを買ってくれたんだけど、色がダサい。本当にセンスが悪いんだから…」
のように、さりげなく、何気なく見えてすごく自慢しているのがベルサイユ文学の特徴です。
「この11カ月、毎週心と時間を込めて書いている中カツ!通信のWechatフォロワー数が、やっと410人まで来ました!皆様ありがとうございます。まだの人は是非フォローしてくださいね!」
も、ベルサイユ文学風にかけば
「好きなことを適当に書いてたら、少しだけど見てくれる人が増えてきてね。まぁまだ11カ月だけど、たったの410人しかいないから超恥ずかしいんだけどね(笑)」
という感じになるのでしょうか?
あれ?
フォローしてくださる方、1人1人が私の誇りであり、410人は嬉しいんですけど自慢できる数字ではないかも…
嫌味な感じはするものの、あまり良いベルサイユ文学の例ではなかったですね…
でも、フォローしていない人は是非、下記のQRからフォローお願いします(笑)
ということで、一部宣伝も入りましたが、今年の流行語はいかがでしたでしょうか?
やはり1年前には予想だにしなかった新型コロナに大きく影響された2020年だったと思います。
そして新型コロナの影響は2020年と共に去ってくれるわけでなく、2021年の私たちの生活にも大きな影響を与え続けます。
中カツ!通信としては、
・Wechatでの配信開始
・オンラインサロンの開始
など新しいチャレンジも行い、中カツ!通信がきっかけで復旦大学、交通大学でお話する機会や上海TVへの出演という昨年にはなかった経験ができました。
・いつもお読み頂いている皆様
・ご意見、ご感想を頂ける皆様
・様々な新しいチャレンジのきっかけをくださる皆様
そして週末の時間を中カツ!通信の取材や制作に充てることに協力してくれている家族
本当にありがとうございます!
来年も中国でカツ(勝)ための、日々ちょっとカツ(活)力を得られる情報を届けられるよう頑張ってまいりますので、引き続きご愛顧のほどどうぞ、よろしくお願いいたします。
本年も最後までお読み頂きありがとうございます。
*****************
【Wechatでも配信始めました!】
メールが迷惑メールに入る、
そもそも届かないという方、ぜひフォローお願いします!
第119回以降のログもご覧頂けます。
中活通信アカウント
野村個人Wechat ID
是非、ご登録ください。