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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第233号 ウクライナ、オミクロンよりも怖いリスクとは?

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こんにちは。中カツ!通信の野村です。

上海も春入りし20度を超える日がでてきました。

ポカポカとした陽光、街中の花だけでなく、新商品の中にも春の香りが濃くなってくるのを感じます。

”桜”の名前が入ったものも増えてきました。

スタバの桜ラテや

グリコの桜にちなんだ商品が入った、カゴ付きのセットが売られ

「ピクニック行きたい!」

という家族の言葉に思わずポチってしまいました。

ただ、この可愛らしいカゴ

しばらくは娘たちの自宅でのママゴトにしか使えなさそうな気配が濃厚になってきました…

理由は、もうコロナは終わったと思われていた上海でも感染が出始め、防疫態勢が強化されているからです。

3月12日の新規感染者が14名、新規の無症状陽性者が65名

中国在住以外の方は、この感染者数だけをみると、

「こんだけ少なくて、問題なの?」

と思われるかもしれません。

ただ中国はゼロコロナ作戦で、感染者の隔離だけでなく、

感染者との濃厚接触者、二次濃厚接触者(濃厚接触者との濃厚接触者)まで含めて隔離措置(自宅または指定施設)が実施されます。

下記の図のように感染者が14日以内に訪れた場所も地図上で確認することができます。

この隔離措置はスピードが命なので、感染者が立ち寄った場所や住居が分かると迅速に一時封鎖が行われます。

そのオフィス、商業施設、マンションの中にいた人は、全員がPCR検査を受け陰性がでるまでと観察期間を含め最短でも48時間は外に出ることはできません。

外出していた場合でも、電話がかかってきて直ぐに自宅に戻ってPCR検査を受けるよう指示がされます。

私の友人知人でも、すでに両手両足の指では足りないくらいの数が、この48時間封鎖をされております。

あちこちの会社で、朝に出勤して普通にオフィスで働いていた社員が

「今、連絡が来て自宅マンションが封鎖されるので、戻ってPCRを受ける必要があり早退します」

ということが発生しています。

もう

「どこどこで〇〇さんが隔離されたらしいよ」

というのが日常茶飯事になりすぎてSNS上には

「友人に隔離されている人がいないのは、あなたの友達が少ない証拠」

なんていう投稿が出回っている状態です。

この48時間隔離、自宅はまだしもオフィスでなされる場合は、かなり辛いとのこと。

食事は、デリバリーで頼めるものの、お風呂も入れなければ、寝るところも全員分ありません。

例外として

「IKEAで隔離が決まった時に、我先にベッドに人が集まった。」

「入浴施設で14日間隔離となり逆に毎日お風呂に入れる。」

なんていうのはありました(笑)

最近は会社のリスク対策として、食べ物、寝袋などの備蓄をするだけでなく、感染リスクおよび封鎖される人数をおさえるために毎日の出勤人数を半分にするなどがとられています。

テントや寝袋の売上を押し上げるのはアウトドアのキャンプブームだけでなく、一切の外出が許されないハードモードのインドア48時間へのリスク対策というのは、なんだか皮肉ですね…

実際に学生が教室で全員寝袋で寝るなんていうことも上海市内で起きています。

不謹慎かもしれませんが、子供は楽しいことを考える天才なので

消灯時間の後に

「ねぇねぇ、張くんって好きな人いるの?」

「えっ?!陳くんから先に言えよー」

「・・・。実は僕は今日PCR検査してくれた、あの人が好き」

「マジで!?そっちか!」

なんていう、この環境ならではの楽しみ方をみつけて、この48時間の辛い隔離期間の中にも良い思い出を作ってくれているといいなぁと思います。

こんな警戒態勢なので、人が集まるようなイベントは中止。

11日からは上海市内のレジャー施設、博物館、そして12日からは市内の104個所の公園が休止となりました。

そして12日からは上海市内の幼稚園、小学校、中学校もオンライン授業に切り替えとの通知が11日に発表され、昨日12日は市内の幼稚園児も一斉PCR検査をうけることに…

昨日、PCR検査実施場所として指定された中学校の前に指定された時間に行くと、もうそこは人だかりです。

幼稚園の先生が立札を持っているからと聞いていたものの、大学生時代に新宿や渋谷の主要駅での新歓コンパの待ち合わせくらい全然見つかりません。

集合指定時間が早かった次女を連れて先に行っていた妻に連絡すると、校門前は人が多すぎるので少し離れたショッピングセンター前のマクドナルドに集合場所が変わったとのこと。

やっと辿りつくと、そこにも既に人だかりが…

出欠確認をして、子供と二列に並んで再度、中学校への行進が始まります。

ディズニーランドもビックリの数百メートルを30分以上かけて進んでいくと、検温をし健康コードを提示してやっと校内に入れます。

图片

ただ入ってからも、すぐに検査ではありません。

ディズニーランドと同じで待つ場所がアトラクション外からアトラクション内に変わっただけです。

幼稚園の各クラスごとに校庭に整列をし、自分達の番が来るのを待ちます。

「疲れている人は、座って待っていてください」とスピーカーを通じて案内がされます。

校庭に並ぶのも久しぶりで、なんだか新鮮ですし、グリコのピクニックセット持ってこればよかったなぁ、なんてことが頭によぎります。

ただ25度を超える気温で、顔の汗が気持ち悪く無意識的に拭おうとマスクを外すと、すぐに注意され遊びに来ているんではないことを再認識します。

やっぱりピクニックセット持ってこなくてよかったです。

そしてやっと自分たちのクラスが呼ばれ、学校の建物内に入れると、ここでも行列…

「こういう3段階の風景が変わりながら続く行列もディズニーにあるパターンだ!

なんのアトラクションだったけなぁ?」

と熱気と、元気すぎる子供たちの大きな声で麻痺してきた脳みそに、エレクトリカルパレードの音楽まで聞こえてくる気がします。

やっと体育館の中に入ると、事前にスマホで予約しておいた子供のPCR検査QRコードを提示し、10人1組でPCR検査が進んでいきます。


PCR検査はあっという間に終わり、やっと学校の別の門から出ることができました。集合と言われてから約3時間

これを上海市内各地でやっているのかと思うと、本当にゼロコロナ作戦にかける意気込みと実施体制の強さが伝わってきます。

我々はボーっと並んで、口を開けているだけですが医療従事者の方、幼稚園の先生や自治体の方は、休みなくこの作業を続けているわけで、本当に頭が下がります。

このような上海の状況をみてネット上では西安のように都市自体をロックダウンするのではという噂も出ています。

ただ上海では、むしろ経済を完全に止めないために早めに検査をし、小さいブロックで封鎖をしているという報道がされています。

SNS上では、そういった上海の状況を伝えるような動画もアップされており、多く拡散されるものは感傷的になると同時に、上海の住民として一体感が高まっていくのを感じさせます。

この下の投稿は13日13時40分で約540万人の人が閲覧しています。

11日の夜に見たときは350万人だったので、すごい伸びです。

ユーラシアグループは2022年の初めに

「2022年の世界10大リスク」

の1位として中国のゼロコロナ政策の失敗を挙げました。

もちろんゼロコロナ政策は圧倒的な検査と細かい封鎖を繰り返しますので経済的な影響は伴います。

例えば13日からは私が住んでいる上海市普陀区内のレストランに対して店内飲食が中止となる通知がでました。(闵行区は既に出ていた)

デリバリーは可能なものの、配達員は48時間以内のPCR検査陰性結果を持っていないと食事を受取りに店内に入れないという制限付きです。

いくつもの商業施設も臨時の休業を発表しています。

これらの業界は大きな影響を既に受け始めております。

ただ、「世界のリスク」も「政策の失敗」も

誰の立場で、何を優先基準として判断するかで、かなり変わってきますよね?

こちらも当事者、関係者で悲しい思いをしている方には申し訳ないですが、事実として現在の上海で私の周辺の会話でウクライナ問題が話題にあがることは、ほとんどありません。

離れた戦火よりも、目の前の食事と寝床の問題が優先順位が高いリスクだと感じる人が多いからです。

また失敗についても、どの立場にいるかで判断基準が違います。

乱暴ないい方をすれば自国民が失敗だと判断しなければ、それは成功への乗り越えるべき過程なんだという国内認識で、海外の人に成功か失敗かの判断を決めてもらい、政策が変換されるようなものでもありません。

それは現在のロシアをみても感じることですよね…

ありきたりな言葉でいってしまえば、

現在の政策の評価は当事者と歴史(未来の当事者)が決めるもの

そうなると1人の上海に住んでいる人間としての私は、ここに住むと決めている間は上海市の政策に協力しながら行動していきます。

そして2人の娘の唯一の父親としての私にとっての最大リスクは

将来に

「パパは、別にいなくても、どうでもよかった。むしろ、いなくなって」

と、言われてしまうゼロパパ作戦が勃発することです。

明日からは娘2人とも自宅でのオンライン授業、私は現状は通常勤務の予定ですが、それもどうなるかは分かりません。

妻もポッキーだけでなく、いろいろな食材を買いだめしているみたいなので食べ物で娘たちの歓心を買うのは難しそうです…

さて、どうしたものか…

最大のリスクであり、最大のチャンスでもある家族との時間を、どのように過ごすかの作戦を考えなければいけないので、今回の中カツ!通信は、ここまでとさせていただきます。

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

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