中カツ!通信 第232号 3日で200開店!スタバに勝つのは運(Luck)でなくマナー(Manner)?
■□■□■□■□■□■□■□■□■
中国で勝つための、
ちょっと活力を得られる情報をお届け!
メルマガ無料登録URL
http://eepurl.com/c7GHF
□■□■□■□■□■□■□■
こんにちは。中カツ!通信の野村です。日本にいる方から
「上海の街なみで、ここ数年の大きな変化って何ですか?」
という質問をされました。
その方は数年前の色とりどりのシェアサイクルが街の風景だった印象が強いとのこと。
最盛期には30社近くが参入していましたので、街中で下記のような
「本当にエコなのか?」
と問いかけてくる、現代アートのような光景をあちこちで見かけることができました。
それが現在の上海では基本的に黄色(美団)と白(哈罗)に統一されてしまい量も減ってしまいました。
「逆に増えたものは、なんだろう?」
と考えたときに、真っ先に思いついたのがコーヒーショップ!
増えたコーヒーというと、当然でてくるのがLukin coffee。
過去の中カツ!通信でも何度か取り上げてきた打倒スタバのコーヒーチェーンです。
++++++++++++++++++++
①半年弱で500店舗以上の店舗を一気に展開
②鹿は本当に「安くて」「便利」なのか?!
2019年5月19日
④ジョウジョウの奇妙な冒険~ビールおばちゃんとラッキンコーヒー
++++++++++++++++++++
創業から1年半でNASDAQに上場し、店舗数も中国国内ではスターバックスを抜き1位の5,671店舗(2021年第3四半期時点)となりました。
ただ上海のコーヒーショップは、もうLuckinとスタバだけじゃないんですよね。
あのブルーボトルコーヒーも2月25日に上海に中国1号店をオープンさせて5時間の大行列ですし、
2021年1月には上海のコーヒーショップは6,913店に達し、世界で最もコーヒーショップが多い都市となりました。
数が増えるだけではシェアサイクルと同じように数年後には激減し、苦みの強い教訓だけが残るのではと心配にもなります。
ただデロイトの2021年の発表によると、中国の大都市圏でコーヒーを飲む習慣が定着した人の割合はお茶と同程度の67%に達しているとのことで供給と需要が同時に増えていっているようです。
しかも個性的な店も、どんどん増えてきております。
以前紹介したHINICHIJOUの熊爪コーヒーとか
中カツ!通信 第217号 輸入博が常設展に!上海の新スポットOPEN
中国って甘いコーヒーしか飲まないんでしょ?という10年前の定説をぶち壊す唐辛子と青花椒があるCene Coffeeとか
もうコーヒー文化の習慣化と多様化が同時に花咲いている感があります。
そしてカフェインで興奮しているのは文化だけでなくビジネスも同じ。
Luckin coffeeの短期での大躍進、上場、財務不正発覚、そして最近の復活の兆しというのはカフェインによるアドレナリンというより、ギャンブルと同じドーパミンのような興奮を一部の人に与えました。
そのLuckin coffeeだけでなく、投資家から注目されているチェーンもいくつも出てきています。
先日、友人に紹介されて行ってみたM Standは店舗ごとに異なるオシャレなデザインのスペシャルティコーヒーの店で、
ショッピングセンター内の店舗でも、こんな感じでやはりオシャレです。
香りがよく、美味しいアメリカンコーヒーだけでなく、インスタ映えするようなクランチチョコでカップを作ったラテなんていうメニューも、そろえています。
2021年1月の10店舗の時点、企業評価額7億元(約127億円)で1億元(約18.1億円)を調達し、
同年7月には店舗数約40店舗で企業評価額40億元(約725億円)で5億元(約90億円)を調達しました。
1店舗の価値が1億元(約18億円)ですよ…
そして、もう一つのチェーンは最近、私も、お気に入りの
「その店が開くと隣のスタバの売上が30%落ちる?!」
といわれているManner Coffee
2015年に上海で小さなコーヒースタンドとして始まり、
街角コーヒーとして人気だったManner Coffeeは2018年に8000万元の出資を受けた後、2020年、そして2021年には美団、字节跳动(バイトダンス)からも出資を受け、 現在は200店舗を超えております。
支持される理由はシンプルで
「安くて濃い目で美味しい」
アメリカンコーヒーで15元とスタバ27元、Luckin23元と比べても安いです。
(Luckinは、たいてい30%オフくらいの割引は入るので実質的には16元くらい?)
しかもエコ推進で使い捨てでないマイカップを持っていくと5元引きになり実質的に10元とコンビニコーヒーと同じような値段になります。
なので私のようにスタバのカップをもってManner Coffeeに行く人も少なくない(笑)
隣のスタバの売上が30%落ちるというのも分かる気がする。
そして、この値段にも関わらず全自動のエスプレッソマシーンではなく、よりおいしいコーヒーを出せると言われている半自動マシーンで各工程をバリスタが1つ1つやっています。
給与もスタバの各店のバリスタ募集要項金額と比べても、倍近く高いです。
そしてミルクも高級牛乳の朝日唯品
エスプレッソだけでなくハンドドリップコーヒーも、用意されています。
でも、「安くて、美味しい」ってビジネスとしては儲かるんでしょうか?
それを可能にしているのが販売杯数の多さ。
バリスタが高かったとしても、商品単価が安かったとしても、もちろん粗利はきちんと確保できる値段ですので、たくさん売って儲ける。(今では単価を上げるためパン等のフードも増やしている)
テイクアウトやデリバリーの小さい店舗がメインなので、家賃も抑えられます。
(ショッピングセンター内に広めのイートインスペースを設置している店も増えてきています)
サードプレースを売りにしているスタバとは、スタートから売りにしているものも、費用をかけているところも異なっているのですね。
数値は公表されていないものの純利益率は10%を超えていると言われており、luckin coffeeとは違い、一店舗でも、コーヒーだけでも利益を出せるビジネスモデルであり、コーヒー市場は更に伸びていくということで香りを嗅ぎつけた投資家から、これだけの資金が集まっているんでしょう。
この2社以外にもSeeSaw、Tims、时萃NOWWAなど続々と投資がされています。
ただ資金が集まれば、当然それだけのプレッシャーもかかってきます。
3月1日Mannerから、そんな期待に応えるような発表がありました。
3月8日から10日の3日間で全国10都市で200店舗以上を同時オープン
(10都市は上海、杭州、重慶、武漢、南寧、海口、北京、深セン、成都、蘇州)
しかも、この3日間はマイカップを持っていくとコーヒーが一杯無料!
(※3月6日20時にコロナ対策を理由に無料コーヒーイベントは延期されることになりました)
もう、なんと表現してよいか言葉見つかりません…
ちなみに創業者がMannerという名前にしたのは
「コーヒーを習慣化させたい」
いう意味でつけたものの英語のMannerには習慣という意味はありません。
我々の世代に分かる表現でいうと
「白でもない、黒でもない」といって、グレイというバンド名のスペルがGreyでなくGlayになってしまったようなもの(笑)
ただ英語のMannerには「方法・やり方」といった意味はあります。
Manner coffeeのような小さい店舗で安く美味しいコーヒーを出すビジネスのやり方は実際に他の企業にも模倣され始めています。
なので大量の資金を集めて模倣者が追い付かないくらいのスピードで、上場までもっていってしまうという方法(Manner)を、Manner Coffeeも他の中国スタートアップからマナんで実践中なのかもしれません。
ただ、カプチーノの多めの泡(バブル)が時間と共にポソポソと消えていくように上場後に、さえない業績や株価になってしまうのはマナんでほしくないですね。
とはいえ、消費者としては安くて、濃いめで美味しいコーヒーショップが増えるのはよいことです。
とりあえず、お時間がある人は3月8日ー10日の間にマイカップを持ってManner Coffeeに行って無料コーヒーを飲んでみましょう!
(※3月6日20時にコロナ対策を理由に無料コーヒーイベントは延期されることになりました。3月8日ー10日のイベントはございません)
私もスタバのカップをもっている人が何人いるかを数えながらマナーを守って行列に並んでみたいと思います。
*****************
【Wechatでも配信始めました!】
メールが迷惑メールに入る、
そもそも届かないという方、ぜひフォローお願いします!
第119回以降のログもご覧頂けます。
野村個人Wechat ID
【無料メルマガ登録】
最新号を直接お届けいたします!
是非、ご登録ください。
メルマガ無料登録URL
******************