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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信342回 EV業界の米騒動?!小米が自動車販売開始

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こんにちは、中カツ!通信の野村です。

アップルが電気自動車の開発を断念という

ニュースが伝えられたのが2月末、
 
3月21日に上海の静安寺に新しい
アップルの店がオープンしました。

当日はティム・クックCEOも店舗に現れ
開店前から行列をなしていた
アップルファンは熱狂に包まれました。
(みんなiphoneで撮影してるのかなぁ…)

そして3月28日
「アップルを抜く!」と言っていた
あのメーカーのファン達も
熱狂に包まれました。
 
ただ抜いたのは、
スマホではなく電気自動車
 
そう!
 
小米初の自動車SU7の
販売が開始されたのです。

発表会の会場には、
メディアやファンだけでなく、

中国を代表するEVメーカーである
NIO(蔚来)、理想、小鹏の創業者、
李斌、李想、何小鹏まで列席し
 
1メーカーの新車発表会というより
中国EV業界の重大セレモニーのよう。
 
雷軍の演説は2時間以上にわたり
SU7の性能が語られていきます。
 
開発の際のベンチマークとされた
テスラのModel3との比較は
特に詳しく開発され
 
「勝っているところも多いし
 かなりイイ線いってるよ!」
 
という印象を植え付けていきます。


 

自動車メーカーとしては
圧倒的に後発の小米。
 
これまで中国の新興メーカーは
売れ筋で車内空間が広いSUVを
最初の車としてきたのに、
小米はセダンを選びました。
 
雷軍は小米が作りたいのは
テスラやポルシェに匹敵する車であり、
ブランドイメージをつくるために
セダンから始めたと言っています。
 
また他の新興メーカーと大きく違うのは
米粉(粉はファンの意味)と呼ばれる
スマホなど小米商品ユーザーの存在。
 
メイン顧客は30歳以下の若者たちで、
独身か既婚でも子供がいない人が多く
SUVの広い空間よりも、デザインや
スマートな体験を重視しているため
セダンが選ばれたのだと思います。
 
2023年時点で、
スマホユーザー数(MAU)は6.41億人!
 
IoTプラットフォームは6400種類以上、
6.55億台のデバイスを接続しており、
小米IoTデバイスを5台以上持っている
ユーザーは1300万人もいます。
 
小米がユーザーを魅了してきたのは
 
そのデザインと圧倒的なコスパ!
 
今回の自動車においても、
ファンや市場関係者の注目は、
 
「いったい、いくらなの?」
 
ということに集まりました。
 
 
実は価格以外の商品情報は
昨年の12月末の技術発表会で
多くが説明されていました。
 
肝心の価格に対しての質問では、
雷軍自身が、
 
「価格は、まだ最終決定していません。
小米SU7は確かに少し高価です。」
 
と回答したので、
その時から3月末の発表会まで、
3ヶ月間にもわたって、
 
「20万元で買えるか?」
 
「いや、そんなに安くない」
 
「30万元くらいが妥当?」
 
など様々な憶測が飛び交います。
 
情報を小出しにして
潜在顧客の興味を煽っていく
ティザー効果を期待してただけでなく、
 
SNSでの反応を見ながら、
本当にギリギリまで価格設定を
調整していたのだと思います。
 
とうとう価格が発表されると
会場には、どよめきが起こります。
 
他のEVメーカーもこの価格を見て
自社も更にコスパを求められると
プレッシャーを感じたはずです。
 


 


もちろん発表しただけで終わりません。
怒涛のセールストークが続きます。
 
「なんと今なら、冷蔵庫、豪華音響、
本革座椅子16,000元分をプレゼント!
さらにソフト18,000元分もつけます!」
 
ライブコマースというより
テレビショッピングを観ているよう。
 
そして、
 
「とうとう注文電話の時間!」
 
ではなくアプリでの注文受付開始!
 
気になる予約状況は…
 
27分で50,000台突破!
 

 

24時間で88,898台!

 
一番安いモデルでも
21.59万元と450万円以上する車が
こんな速さで予約されていくとは…
 
今回の予約に必要なのは、
手付金5,000元(約10.5万円)とはいえ
ものすごい注文量です。
 
もちろん通常のライブコマースと同様に
お祭り騒ぎに乗っかって、
ノリで予約して、
後からキャンセルする人もいました。
 
なかには、
 
「小米の車、予約した!」
 
とSNSで自慢した後に
キャンセルするつもりだった
確信犯もいたと思います(笑)
 
ところが、翌日には
 
「騙された!キャンセルができない!」
 
という書き込みがSNSで
注目を集めます。
 
これには事情があります。
 
アプリ内では予約後7日間は、
キャンセルできるようになっています。
 
 

 
手付金支払い後7日間(168時間)は、
いつでも車両の変更ができます。
 
7日間が過ぎると注文は確定されます。
早めに自主的に確定もできますが
車両は生産予定体制にはいり、
手付金は返金されません。
 
つまり、
とりあえず予約して7日間は
 
・買うか、買わないか?
・どのモデルにするか?
 
を考えてもいいけど、
 
「もう決まっているから
 早く作って早く納車して!」
 
というなら確定押してもらえれば
7日間短縮できますよ。
 
でもファイナルアンサーだから
キャンセルしても手付金返さないよ
 
ということですね。
 
この説明をよく見ずに、
自主的に注文確定した人は
キャンセルできないことに気づき
 
手付金を没収されるか、車を買うかの
選択を迫られることになります。
 
無料でお祭りに便乗するつもりが
5,000元の乗車料金を払うか
20万元以上の車に乗るか(笑)
 
 
第一財経によると4月2日深夜で、
小米SU7の確定注文数は
4万台に達しました。
 
 
一方あるブロガーは、
キャンセル率が40%に達したという
記事を投稿しております。
 
公式発表はないものの、
4月2日時点で予定納車時期が
 
・スタンダード版20-23週後
・Pro版19-22週後
・Max版28-31週後
 
 
となっておりますので、
相当数の注文が入っていることは
間違いありません。
 
快調な走り出しの小米自動車、
ここからも快進撃は続くのでしょうか?
 
ただ、道のりは簡単ではありません。
 
一つ目はスマホと比べても
継続的な資本投下が必要となる点。
 
蔚来(NIO)の創始者である李斌は
以前に
 
「自動車製造には400億元は必要」
 
と発言しており、
実際にアメリカで上場してから
6年経った今でも累損は
860 億元を超えています。
 
テスラも黒字になったのは
創立から17年目。
 
電気自動車は、
米作り以上に収穫までに
長い期間が必要です。
 
また市場環境も変化しています。
 
EVに対する補助金も終わる中、
世界最大のEVメーカーであるBYDは
2024年モデルほぼ全ての車種で
大幅値下げを行いました。
 
デザインとコスパで
ユーザーを獲得してきた小米にとって
自動車でも、勝ちパターンを
再現できるかは未知数です。
 
また小米ファン以外を取り込む場合には
この「コスパ」というイメージが
足を引っ張る可能性もあります。
 
中国でも車はスマホ以上に
社会的ステータスの象徴です。
 
ポルシェっぽいデザインの
コスパのよい小米SU7が、
小米のファン以外にも
受けいられるのでしょうか?
 
 
コメの収穫時期である
秋頃に納車のピークが始まります。
 
その時には、
街中でどれくらい実っているのかを
見ることもできれば、
 
SNS上で実際の新米(SU7)の品評も
見ることができます。
 
私も乗ってみたいけど、
そもそも免許ないしなぁ・・・
「納車されたよ!」という人がいれば
ぜひ便乗させて下さい!
今回も、最後までお読み頂きありがとうございます。

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