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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴20年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信383回「プレゼントするので住所、教えてください」は時代遅れ?!

こんにちは、中カツ!通信の野村です。
もうすぐ2025年2回目のお正月ですね!
今年は1月29日が春節初日、
日本のお正月飾りを片付けたと思ったら
今度は春節用の飾りです。
 
娘たちは
会社で配った中国結を組み立て、
福の字も準備しました。
 
今週は地下鉄の中でも
多分帰省されると思われる、
スーツケースを持った人を
多くみかけました。
以前、都市で働く人は
春節の際にたくさんのお土産や
贈り物を持って帰省するという
習慣がありました。
 
私も10年前、妻の実家に帰省の際は
親戚あいさつ回りで渡すための
日本のクッキー詰め合わせ10箱を
苦労して運んだなぁ…
 
今では EC の発達で、
必要なものは直接送れるので
便利になりました。
 
この贈り物需要が増える春節前、
EC各社が新しいプレゼント機能を
追加し注目をあつめています。
 
微信(Wechat)を最新版では
友人との会話ページの下にある
「+」マークを押すと、
“红包” と“转账(送金)”の間に
“礼物(プレゼント)”という
ボタンが増えています。
この“礼物(プレゼント)”の特徴は
 
「相手の住所を知らなくても、
 自分の選んだプレゼントを送れる」
 
ということ。
「なんだ、そんなことか」
と思われたかもしれませんが、
けっこうニーズあると思います。
 
例えば、
付き合っていないくらいの仲の
女性に贈り物をしたいとして、
 
「住所おしえてくれない?」
 
というのは少しハードル高いですよね。
 
お客様や上司に贈り物をしたいが、
会社に直接送るのは都合が悪い場合にも
 
「住所おしえてくれない?」
 
というのは、相手も住所までは
知られたくないだろうし気が引けます。
 
今回の微信(Wechat)では、
受取人の住所の記入が不要です。
 
贈り物のリンクをもらった後に
受取人が自分で住所を記入します。
 
一度、贈り物を送信すると、
送り手側は相手が、
すでに受け取ったかにかかわらず
キャンセルはできません。
 
ただ受け手が24時間を超えて
受け取らなかった場合、
注文は自動的にキャンセルされ、
送った側に返金されることになります。
 

実際の例を見てみましょう。

先ほどのボタンを押すと、

下記のように商品選択の画面

つまりECサイトに飛びます。

 

“朋友送过”(友達が送ってます)

 

という、自身がWechat上で

つながっている人が贈ったことのある

商品が優先的に表示されます。

 

これこそ普段から、

コミュニケーション手段となっている

Wechatならではの強みですよね!

 

せっかくですので、

いつも苦言を呈してくれる妻に

感謝の気持ちをこめて、

 

私の知り合いの誰かが

5回も贈っている甘くない

ブラック濃いめコーヒーを

贈ることにします。

贈り物の画面には、

住所記入欄はないものの、

プレゼントンらしくメッセージを

記入する箇所があります。

 

余計なことを書くと、

新年の贈り物としては、

蛇足になりかねないので

デフォルトメッセージのままに。

その後、お金を払うと、

チャット上に青い画像で

プレゼントを送ったことが

表示されます。

現金が红包なのに対して

プレゼントは蓝包(青い包)と

呼ばれています。

 

相手が受け取ると、

メッセージが表示され

私が贈った蓝包も色が変わります。

 

受け取り側としては、

蓝包を開くと

何が贈られたのかが
この時点でわかります。
 

“填写地址并收下”

(住所を記入して受け取る)

というボタンを押し、

住所の記入画面となります。

 

「24時間以内に受け取らないと

 自動的に無効になります」

 

というメッセージが

下にかかれております。

 

「とりあえず権利だけ受け取って

 後で、どこに送るか考えよう」

 

ということはできず、

住所を記入しないと「受取り」が

完成しません。

 

そしてもらった蓝包のリンクを

別の友人に転送することもできないため

権利の横流しは不可ということです。

 

つまり一度、商品を受け取ることなく

転売はできないということですね。

 

でも、今までの状態でも、

 

红包で現金を渡すという

直接的な方法があったのに

プレゼント機能は広がるんでしょうか?

 

红包でなく贈り物の方が

良い場合とは、どんな時でしょう?

 

まず思いつくのは、

红包がふさわしくない相手に

何かを送りたい時。

 

例えば上司に対して

贈り物をすることはあっても、

红包を渡すというのは、

結婚式のご祝儀以外では

普通はありません。

 

中国で仕事をしていると

新年や節句の際に部下に

红包を配ることはあっても、

部下が上司に配ることはないですよね。

 

同様にお客様相手でも、

红包を配るというのは、

特殊な状況や目的を除くと

あまりありません。

 

次に贈り物の方が、

红包より良いと思うのは、

 

「あなたのために選びました」

 

という心を込めた感が

伝わる可能性があること。

 

これは贈るものによっては

額面以上の価値を感じてもらえそう。

 

先ほどの受け取り画面でも

価格が表示されていないことに

お気づきになられましたか?

同じ商品を
自分が他の人に送れる
“送朋友”というボタンを押せば
価格は分かってしまうものの

受取るだけであれば、

価格が表示されないのは、

現在のご時世にあっていると思います。

 

中国で贈り物を渡す時に、

値札をつけたままだったり、

レシートを入れたまま

相手に渡すということが

よくありました。

 

これは「うっかり」ではなく、

もらった人に、贈り物の金額を

知ってほしいというアピール目的です。

 

ただ、おサイフ事情が厳しくなると

絶対金額でアピールするのは

難しくなってきます…

 

先ほどのコーヒー、

39.8元という価格です。

 

もし同じ金額を红包で渡した場合に、

 

「こんな多くもらってよいんですか!」

「ありがとうございます!」

 

という反応は、

まず得られないと思います。

 

ただコーヒーであれば、

 

「コーヒー好きって言ってたよね?

 このコーヒー友達の間でも、

 人気だから試してみて」

 

というメッセージがあれば、

100元の红包よりも喜んでくれる

可能性は高いですよね!

 

「選びました」感がある商品は

実際にプレゼント需要をとらえており

 

元予備校カリスマ教師のライブ配信で

人気となったEC店舗、東方甄選は、

1月20日の売上100万元のうち80%が

ギフト機能によるものだったとのこと。

 

東方甄選ではサンザシジュース、

チェリー、イチゴなどの自社厳選商品が

ギフトとして特に人気だったそうです。

 
Wechatというと、
コミュニケーションツールであり
割り勘など友人間の送金では
よく使われていたものの、
 
EC決済手段としては
アリババの支付宝(アリペイ)には
かなりの差があります。
 
ただ今回のプレゼント機能で
Wechat上でのEC店舗でも
物が売れていくとなれば、
出店者としてもWechat上で
広告など投資を増やしていく可能性も。
 
こんな状況でEC各社も、
次々と同様のプレゼント機能を
追加しています。
 
オンライン红包で一気に
WechatPayを普及させたのが
2014年のちょうど春節の時期。
 
今年2025年の春節は
オンラインでも红包よりも
プレゼントを贈るのが
個人間で広まる起点になるかも。
 
そして企業間では、
EC分野でもWechatが成長する
起爆点になるかもしれませんね!
 
コミュニケーションツールとしての
Wechatの特徴を考えると、
Amazonのウイッシュリストを
公開する機能もでてきそう。
 
というのも、
たくさんの友人やフォロワーがいれば
贈り物リンクをもらうのは嬉しいけど
自分が欲しくないものもあり、
 
「気持ちは嬉しいけど、受取れない」
 
という状況もでてきます。
 
であれば、最初から
 
「こんなものだと嬉しいです」
 
というのを公開しておけば、
贈る方も気が楽ですよね。
 
ただ重複して同じものをもらっても
それは困るので、
 
「あと何個必要」
 
という逆在庫が表示され
定期的に自分で更新していけば、
同じスマホケースが10個も
届いたということを防げます。
 
ただ、ここまでくると
 
「あなたのために選びました」
感はなくなり
 
「じゃあ、红包や投げ銭でいいじゃん」
 
と、また戻ってしまうかも。
 
贈り物の目的は、
相手に喜んでもらうことですが、
 
相手の喜ぶ顔や反応を想像しながら、
贈り物を選んでいる時間は、
 
相手とのつながりを感じられる
自分にとって喜びの瞬間でもあります。
 
贈り物をもらうのは嬉しいけど、
贈り物をしたいと思える人がいることは
もっと幸せかもしれません。
 
相手への贈り物を考えて
ワクワク、ドキドキしている時間は
相手から自分への贈り物
 
なんだか若かりし頃の
甘酸っぱい記憶と感情が
こみ上げてきました(笑)
 
やっぱり妻にも、
苦いコーヒーだけでなく、
甘酸っぱいヨーグルトでも送るかなぁ。
 
あなたが、
もし送る人が思いつかないけど、
Wechatのプレゼント機能を
試してみたければ、
ぜひ私と友達申請したあとに
贈ってみてください!
 
「プレゼント贈るのは
 お金かかるし気が進まない」
 
という人は、
無料で1秒から1分で
贈る方法があります!
 
ぜひスマホのWechat内で
記事を開いて頂き、
 
下に表示される
「いいね」、「お気に入り」を
押してください。
あなたが想像している以上に
私は喜んだ顔をしています(笑)
 
またWechatでなく、
Emailでお読み頂いている方は
ぜひ、ご感想を贈ってください。
 
1分もかけずに
 
「今日のオチは切れ味よかった」
 
という13文字の内容でも
贈ってもらえると非常に嬉しいです!
 
あっ、もちろん投げ銭も
大歓迎ですよ(笑)
 
住む場所が離れていても、
どこに住んでいるかすら知らなくても、
贈り物ができる時代。
 
来年も世界中で心が触れ合う
贈り物が増えるとよいですね!
 
それでは良いお年をお過ごしください!
今回も、最後までお読み頂きありがとうございます。
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