中カツ!通信383回「プレゼントするので住所、教えてください」は時代遅れ?!
もうすぐ2025年2回目のお正月ですね!





実際の例を見てみましょう。

先ほどのボタンを押すと、
下記のように商品選択の画面
つまりECサイトに飛びます。

“朋友送过”(友達が送ってます)
という、自身がWechat上で
つながっている人が贈ったことのある
商品が優先的に表示されます。
これこそ普段から、
コミュニケーション手段となっている
Wechatならではの強みですよね!
せっかくですので、
いつも苦言を呈してくれる妻に
感謝の気持ちをこめて、
私の知り合いの誰かが
5回も贈っている甘くない
ブラック濃いめコーヒーを
贈ることにします。

贈り物の画面には、
住所記入欄はないものの、
プレゼントンらしくメッセージを
記入する箇所があります。
余計なことを書くと、
新年の贈り物としては、
蛇足になりかねないので
デフォルトメッセージのままに。

その後、お金を払うと、
チャット上に青い画像で
プレゼントを送ったことが
表示されます。

現金が红包なのに対して
プレゼントは蓝包(青い包)と
呼ばれています。
相手が受け取ると、
メッセージが表示され
私が贈った蓝包も色が変わります。
受け取り側としては、
蓝包を開くと

“填写地址并收下”
(住所を記入して受け取る)
というボタンを押し、
住所の記入画面となります。
「24時間以内に受け取らないと
自動的に無効になります」
というメッセージが
下にかかれております。
「とりあえず権利だけ受け取って
後で、どこに送るか考えよう」
ということはできず、
住所を記入しないと「受取り」が
完成しません。
そしてもらった蓝包のリンクを
別の友人に転送することもできないため
権利の横流しは不可ということです。
つまり一度、商品を受け取ることなく
転売はできないということですね。
でも、今までの状態でも、
红包で現金を渡すという
直接的な方法があったのに
プレゼント機能は広がるんでしょうか?
红包でなく贈り物の方が
良い場合とは、どんな時でしょう?
まず思いつくのは、
红包がふさわしくない相手に
何かを送りたい時。
例えば上司に対して
贈り物をすることはあっても、
红包を渡すというのは、
結婚式のご祝儀以外では
普通はありません。
中国で仕事をしていると
新年や節句の際に部下に
红包を配ることはあっても、
部下が上司に配ることはないですよね。
同様にお客様相手でも、
红包を配るというのは、
特殊な状況や目的を除くと
あまりありません。
次に贈り物の方が、
红包より良いと思うのは、
「あなたのために選びました」
という心を込めた感が
伝わる可能性があること。
これは贈るものによっては
額面以上の価値を感じてもらえそう。
先ほどの受け取り画面でも
価格が表示されていないことに
お気づきになられましたか?



受取るだけであれば、
価格が表示されないのは、
現在のご時世にあっていると思います。
中国で贈り物を渡す時に、
値札をつけたままだったり、
レシートを入れたまま
相手に渡すということが
よくありました。
これは「うっかり」ではなく、
もらった人に、贈り物の金額を
知ってほしいというアピール目的です。
ただ、おサイフ事情が厳しくなると
絶対金額でアピールするのは
難しくなってきます…
先ほどのコーヒー、
39.8元という価格です。
もし同じ金額を红包で渡した場合に、
「こんな多くもらってよいんですか!」
「ありがとうございます!」
という反応は、
まず得られないと思います。
ただコーヒーであれば、
「コーヒー好きって言ってたよね?
このコーヒー友達の間でも、
人気だから試してみて」
というメッセージがあれば、
100元の红包よりも喜んでくれる
可能性は高いですよね!
「選びました」感がある商品は
実際にプレゼント需要をとらえており
元予備校カリスマ教師のライブ配信で
人気となったEC店舗、東方甄選は、
1月20日の売上100万元のうち80%が
ギフト機能によるものだったとのこと。
東方甄選ではサンザシジュース、
チェリー、イチゴなどの自社厳選商品が
ギフトとして特に人気だったそうです。





