第161回 中国人のうち4億人は南極人だった?!
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第161回 中国人のうち4億人は南極人だった?!
こんにちは。中カツ!通信の野村です。
前回、30名限定募集させて頂いたオンラインサロンですが、おかげさまで2日で33名のお申し込みを頂き満員となりました!
お申し込みを頂けた方、今回は間に合わなかった方、ご検討中の方ありがとうございます。テスト運営をしてみて順調であれば2021年の春節には拡大募集をしたいと考えておりますので、その時はまたどうぞ、よろしくお願いいたします。
10月も下旬になると、世間ではちらほらと
「今年は何を買うつもり?」
という話題が出始めてきます。
そう中国最大のECセール11月11日が近づいてきているのです。
10月20日にはアリババ系のTMALL(天猫)の会見が行われ、昨年の1.4倍の1400万商品がセールに参加すると発表されました。
またセール本番が11月11日だけから3日間(11月1日―3日)増えて)2つの部分に分かれた「独身の日(光棍節)からヌンチャク(双节棍)に変わる」と。
京東に関しては、そもそも11月1日からセール本番でしたし、TMALL(天猫)の発表により日本メディアの報道でみられた「独身の日ECセール」という表現方法も「いわゆるヌンチャクセール」に変わるかもしれないですね(笑)
これから11月11日にむけて街中の広告がW11体制になり購買心を煽られていき、私も今年も何か買うんだろうなぁ…
そして広告といえば最近気になっているものがあります。
会社のエレベーターホール、エレベーターの中でヘビーローテーションされている、その広告とは
南極人 4億人の選択 私のファミリーブランド
動画が載せられないので下の4枚の画像を見て何を売っている会社だかわかりますか?
数々の食品
数々の衣服
数々のホビー用品
そして数々の美容関連商品。
このCMと「4億人」というのだけみると南極人はECプラットフォームだと思われた方も多いのではないでしょうか?
「南極人」をECプラットフォームである、タオバオと京東で探してみるとそれぞれ旗艦店がみつかります。
京東旗艦店のカテゴリーをみてみると、靴下や下着といったものが並んでいます。
TMALL(天猫)の旗艦店の方は寝具がいろいろとならんでおります。
あれ?衣服関係と寝具しかないですね…
それではさっきのCMは誇大広告だったのでしょうか?
ところが、南極人で「店舗」を検索してみると
2つめに南極人食品旗艦店が出てきます。
更に下の方に行くと便座カバーを販売している南極人居家日用旗艦店など続いていき、
結局、店舗の名称に「南極人」という名前が入っているECショップだけで3066店舗あることが分かりました。
オフラインの飲食チェーンではありません、EC店舗上に3066店舗です…
気になって南極人について調べていくと、私が想像していたのとは別の「南極人」のブランド像が浮かび上がってきます。
百度百科の情報によると
https://baike.baidu.com/item/%E5%8D%97%E6%9E%81%E4%BA%BA/10267804?fr=aladdin
南極人は1997年に売り出した保温下着で一世を風靡します。(2003年ユニクロのヒートテックよりも早いですね)冬の必需品として誰もが持っているブランドだったそうです。
ところが、その後の価格競争が厳しくなってきた中で2008年に思い切った決断をします。
なんと「南極人」というブランドだけを残し生産ラインと販売ラインの両方を売却してしまうのです。
中国新聞网のネット記事によると
10万元の保証金を支払えば、一つの南極人のブランドタグごとに約8元のブランド使用料を払うだけで1万元近いマッサージチェアから0.5元の使い捨てマスクまで南極人ファミリーに入れるとのこと。
提携サプライヤーは1113社で販売代理店は4513社、授権店舗は5800店舗にまで達するとのこと。
一つの商品あたり8元のブランド使用料というとアパレルなど単価の安い商品にとっては割高な気もしますが、知名度のない中小メーカーにとってはそれでも利益が増えるようです。
自社のEC店舗で2本で79元のジーンズが、南極人のブランドをつけると2本で129元の値段で売れるようになり(どちらにしても安いなぁ…)16元のブランド使用料を払ったとしても34元粗利が増えるというように。
幅広い商品領域でブランド使用権を渡していくのは良いのですが、南極人のブランドを使うにふさわしい商品かどうかの品質保証ができるのでしょうか?
実際には、やはり品質に対する担保は行き届いてないらしく、元々本業の下着とアパレルに関しても品質に対するクレームが少なくないようです。
ましてやこんなナイフとか、金庫とか元々、保温下着の技術と何の関係もなさそうものまで
「南極人の名前つけたら売上増えるんじゃない?」
と考えて申し込んだ社長がたくさんいるんだから不思議なもんです。
この社長達は、多分自社商品以外の南極人ブランドは買わないんでしょうね。だって最低でも8元以上の売価が添加されている自社ブランドでは販売できない商品なんですから。
南極人の本部としても、商品領域と商品数が増えればブランド使用料の収入は増えてきますし知名度も維持、もしくは向上するかもしれません。
ただ費用対満足度が低ければ、
「4億人に使われているが品質は、いまいちなブランドです」
という負のブランド認知、口コミが広がってしまい、ブランドを使用したくなる人も、南極人のタグがついた商品の売上もどんどん減少していってしまいます。
このタイミングでの広告費の投下は、
品質が上がってきたからゆえの再起のためなのか?
それとも良いブランド認知が残っているうちに刈り取ってしまおうという最終決戦なのか?
南極大陸の氷が急速に溶けて減少していく一方で、
南極人の5800店舗と4億人のユーザーの数がどうなっていくのかについても関心を持ってみていきたいと思います。
ちなみに南極人ブランドでのヌンチャク(双棍节)は、まだ売ってませんでした。
自社ブランドの知名度の低さに悩んでいるヌンチャク屋のあなた!
今ならまだ間に合うかもしれませんよ(笑)
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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