中カツ!通信384回 Deep seekは既にパクられていた?!















「中カツ!通信」は中華圏歴20年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。




















実際の例を見てみましょう。

先ほどのボタンを押すと、
下記のように商品選択の画面
つまりECサイトに飛びます。

“朋友送过”(友達が送ってます)
という、自身がWechat上で
つながっている人が贈ったことのある
商品が優先的に表示されます。
これこそ普段から、
コミュニケーション手段となっている
Wechatならではの強みですよね!
せっかくですので、
いつも苦言を呈してくれる妻に
感謝の気持ちをこめて、
私の知り合いの誰かが
5回も贈っている甘くない
ブラック濃いめコーヒーを
贈ることにします。

贈り物の画面には、
住所記入欄はないものの、
プレゼントンらしくメッセージを
記入する箇所があります。
余計なことを書くと、
新年の贈り物としては、
蛇足になりかねないので
デフォルトメッセージのままに。

その後、お金を払うと、
チャット上に青い画像で
プレゼントを送ったことが
表示されます。

現金が红包なのに対して
プレゼントは蓝包(青い包)と
呼ばれています。
相手が受け取ると、
メッセージが表示され
私が贈った蓝包も色が変わります。

受け取り側としては、
蓝包を開くと

“填写地址并收下”
(住所を記入して受け取る)

というボタンを押し、
住所の記入画面となります。

「24時間以内に受け取らないと
自動的に無効になります」
というメッセージが
下にかかれております。
「とりあえず権利だけ受け取って
後で、どこに送るか考えよう」
ということはできず、
住所を記入しないと「受取り」が
完成しません。
そしてもらった蓝包のリンクを
別の友人に転送することもできないため
権利の横流しは不可ということです。
つまり一度、商品を受け取ることなく
転売はできないということですね。
でも、今までの状態でも、
红包で現金を渡すという
直接的な方法があったのに
プレゼント機能は広がるんでしょうか?
红包でなく贈り物の方が
良い場合とは、どんな時でしょう?
まず思いつくのは、
红包がふさわしくない相手に
何かを送りたい時。
例えば上司に対して
贈り物をすることはあっても、
红包を渡すというのは、
結婚式のご祝儀以外では
普通はありません。
中国で仕事をしていると
新年や節句の際に部下に
红包を配ることはあっても、
部下が上司に配ることはないですよね。
同様にお客様相手でも、
红包を配るというのは、
特殊な状況や目的を除くと
あまりありません。
次に贈り物の方が、
红包より良いと思うのは、
「あなたのために選びました」
という心を込めた感が
伝わる可能性があること。
これは贈るものによっては
額面以上の価値を感じてもらえそう。
先ほどの受け取り画面でも
価格が表示されていないことに
お気づきになられましたか?



受取るだけであれば、
価格が表示されないのは、
現在のご時世にあっていると思います。
中国で贈り物を渡す時に、
値札をつけたままだったり、
レシートを入れたまま
相手に渡すということが
よくありました。
これは「うっかり」ではなく、
もらった人に、贈り物の金額を
知ってほしいというアピール目的です。
ただ、おサイフ事情が厳しくなると
絶対金額でアピールするのは
難しくなってきます…
先ほどのコーヒー、
39.8元という価格です。
もし同じ金額を红包で渡した場合に、
「こんな多くもらってよいんですか!」
「ありがとうございます!」
という反応は、
まず得られないと思います。
ただコーヒーであれば、
「コーヒー好きって言ってたよね?
このコーヒー友達の間でも、
人気だから試してみて」
というメッセージがあれば、
100元の红包よりも喜んでくれる
可能性は高いですよね!
「選びました」感がある商品は
実際にプレゼント需要をとらえており
元予備校カリスマ教師のライブ配信で
人気となったEC店舗、東方甄選は、
1月20日の売上100万元のうち80%が
ギフト機能によるものだったとのこと。
東方甄選ではサンザシジュース、
チェリー、イチゴなどの自社厳選商品が
ギフトとして特に人気だったそうです。


消費心理の調査に基づいて、
毎年トレンドレポートを公開しており
今年2025年、
消費トレンドのキーワードは、
「本物追及(求真)」と「実践重視(向实)」
どこかの会社のスローガンのような
この言葉だけはピンきませんね…
若者の消費観念を表す
以下のような表現がありました。
「3日考えて本当に買うべきか確認する」
「お金を使わないと楽しくないけど、
使いすぎるともっと楽しくなくなる」。
さて、どういことなのか?
1、品质觉醒(品質覚醒)
理性的な消費が広がる中で、
実利的な消費者たちは、
機能と価格の安さの追求だけでなく、
幸福感、快適、満足感といった
感情価値も含めた品質を含め
コスパが高い商品やサービスに注目。

知萌の調査によると、消費者のうち
64.3%が盲目的に消費したり、
流行に乗ったり、衝動的に
買い物をしたりしない
61.9%は購入前に商品評価を
慎重に確認する
61.1%は購入前に実用性や必要性を
より多くの時間をかけて考える。
とのこと。
言い換えると
35%以上は盲目的に
衝動的に買っているというのは
けっこう多くないか?!
と思いましたが、
私も拼多多で衝動的に、
面白そうという直感で
周囲に理解が得られにくいものを
そこそこ買っているので、
人のことは言えないですね…
先週紹介した、
ダイソー上海2店舗閉店も、
衝動買い減少が関係しているかも?
一方で、
2、心界重塑(内面世界の再構築)
消費者は、
他人にどう見られるかより
自身の内面に目を向けるように。
趣味、瞬間的な癒しなど、
物理的な商品ではなく
「心の栄養」を得られる
商品・サービスが人気に。
内面世界の再構築という
トレンドの証拠として、
知萌の調査によると、
84%の消費者が商品やサービスに
サプライズを求めており
77.8%の消費者は
感情的価値を満たすためには
少し高くてもよいと考えています。

このトレンドの代表といえば
こちらも先週紹介したIP経済。
盲盒(ガチャガチャ)や
IP商品の購入動機として

64.4%が「ストレス解消のため」
61.0%が「自分へのご褒美」
と回答し
59.9%「好きなコンテンツだから」
を上回っています。
先ほどトレンド1の品質覚醒の結果と
合わせて考えると、
IP系の商品は、機能性は低くても
感情価値が高い商品といえますね。
27.5%が
「たまに衝動買い」と回答しているのも
トレンド1の調査結果と合致しています。
調査報告書には出てこないものの
宝くじの購入が増えているのも、
現実を一時忘れるための
「ストレス解消」だったり、
夢を見るという点で、
「自分へのご褒美」なのかも。
(2023年8月の記事)
日本の二次元関連の
谷子(グッズ)市場は
今後も成長が期待できそう!
3、线下新生(オフライン新生)

またアウトドアスポーツが
新しいライフスタイルに。
今年88%の消費者が
アウトドアスポーツに参加し、
43.9%の消費者が
昨年と比べて頻度を増やしたと
回答しました。
単なる身体の運動というより、
内面的な満足を感じる手段として
市場が拡大しているとのこと。
ただ私が個人的に
誤解してはいけないと思ったのは
「脱オンライン」ではないということ。
オフライン商品やサービスに
誘導するにはオンラインが必要ですし、
「オンラインというベースがあって、
更にオフラインで高付加価値の
期待を超える体験を提供する」
というのが大事ですよね。
「対面コミュニケーションを通じて
4、味蕾探险(味覚の冒険)
生活リズムが速くなる中、
消費者は多様な感覚的癒しを
求めています。
異なる文化背景を持つ
食材や風味を探索、試すことで、
新しく独特な感覚的刺激を求めています。
このような味覚体験は、
消費者にとってストレスを解消し、
新しい体験を求める手段となっています。
知萌の調査によると、
48.9%の消費者は
「機会があれば新しい味を試してみ」
28.9%の消費者は
「積極的に新しい味の体験を求めている」
と回答しました。
新しい味というものの、
実際には感情消費の側面もあり
SNSでバズっているものを
自分も体験したいという
欲求を満たしています。
今日コンビニで見かけた
トゲトゲが刺さりそうな
パッケージのドリアンチップス。
視覚的にも刺激的ですね(笑)

5、功效主义(実用主義)
情報量が増えた現代において、
消費者は製品の実際の効果と
科学的根拠をますます重視。
効果が科学的に検証されている
成分が明確に表示されており、
迅速に効果実感がある製品を
選びたいという傾向にあります。
特に、スキンケア、日用品、
家庭清掃用品などの業界では、
この傾向がさらに顕著です。
「成分党」という言葉が
広く使われだしたのは、
2020年頃でしょうか。
SNS上で特定成分について
専門家のように解説する
記事はとても多いです。
「有名ブランドだから安心」
「きっと効くはず」
という認識から、
「実際に効くのは?」という
消費者の関心の変化は、
中国の新興化粧品ブランドの
爆発的成長の要因の1つですよね。
一方で個人的には、
「成分が入っている、入ってない」
への過度な反応も感じます。
本来は成分濃度や、
他の物質との相互作用も含めて
考慮されるべき問題が、
単純化されてしまうことも…
日本の水産物の輸入が
早く再開されるといいですね!








スマート認識、スマートオフィスなど
ソフトウェア分野から、
スマートホーム、自動運転、
ロボット技術などハードウェア分野まで
AIの応用シーンは拡大し続けてます。

知萌トレンド調査によると、
消費者の65.5%は
AIの言語処理機能を使用し、
消費者の72.6%は
AIスマートアシスタントを利用して
スマートホームのコントロールを行っています。
消費者の45.7%は
AIを活用した教育・学習を行っています。
教育に関しては我が家でも
英語や算数の答え合わせは、
スマホで写真をとっておこないます。

簡単な計算とはいえ、
200問もあれば見るのに
それなりの時間もかかるので
助かりますよね!
また最近地下鉄でも、
デュオリンゴをやっている人を
以前より見かけるようになりました。

これもAIを活用して効果的に
学習をアレンジしてくれます。
最近、娘たちは語学だけでなく、
算数や音楽もデュオリンゴで
勉強(遊んで?)しています。
また最近では寄り添い型の
AIサービスも普及してきており、
単なる話し相手になるだけでなく
恋愛AIなども出てきており、
課金する人も増えています。

Lovekey键盘、蜜小语、Love键盘は
中国AIアプリ月間アクティブユーザー数で
12月はそれぞれTOP20にランクインしてます。
全て2024年にリリースされたものですが、
と数億円レベルにまで達しています。
中カツ!通信377回 あなたはAIに選ばれる人間になれるか?
ソフトバンク孫さんの講演でも話された
パーソナルAIが普及していけば、
今後はAIを活用するというより
AIがないと生活が成り立たない
依存してしまう人が
増えていきそうですね…
さて2週にわたって
2025年10の消費トレンド予測を
紹介してきました、
あなたの感想は如何でしょうか?
私は2024年のトレンド予測と
今回も、最後までお読み頂きありがとうございます。
【オンラインサロン第4期募集中】
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今年も大変お世話になりました。
日中友好促進を目指す
中カツ!通信の野村です。
中カツ!通信も2024年の最終号、
今年一番
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「いいね」がついた記事?
投げ銭人数が多かった記事?
は文末にて紹介しますね!
2024年も残すところ数日、
あなたにとって、どんな1年でしたか?
11月30日から日本人向けの












それでは、良いお年をお過ごしください!
【オンラインサロン第4期募集中】
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