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中カツ!通信

「中カツ!通信」は中華圏歴19年を超え、湖南省出身の妻と娘と上海で暮らす野村が「中国で勝ちたい人」のために、「日々ちょっと活力を得られる情報」を、お届けするブログです。

中カツ!通信 第279回 強い血縁社会は本当か?中国新年の変化の兆し

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新年好!兔年大吉!
中カツ!通信の野村です。

中カツ!通信 第278回 中国のアザーサイド、農村の年末は?
前回、少し紹介したように
今年は3年ぶりに妻の実家で
年越しを迎えました。
農村の新年は、とにかくにぎやか。

日付が変わると各家庭が
花火や爆竹で新年を祝います。
車の音もしない静けさの中に
突如おとずれる、四方からの爆音と光に
寝ていた鴨たちもビックリして
グゥアグゥア鳴きだします。
上海市の中心部では、既に禁止の爆竹。
この騒音を聞くのも3年ぶりです。
この億万富豪という45発入りの花火、
一箱110元と予想以上に、お買い得です。

ただ、花火は一回だけではありません。

・正月朝、ドアを開ける時に开门红(開門紅)で点火
・新年挨拶に伺う時に、持参し点火
・1月5日は財神を迎えるといって点火

と、新年期間中に爆竹と一緒に
昼夜とわず打上げるので
最初に見たときの感動も、
ダンダンと薄れてきます。


图片
しかも、新年初日は、
福を家から出さないように、
掃きそうじ禁止、ゴミ出し禁止という
習わしがあります。

そのため各家庭の入り口には、
惨劇の後のような光景が
広がっているわけです。
そして新年が明けると
挨拶回りが始まります。
基本的に年下が年上の人を
訪問するルールのため
私達が子供たちを連れ、
義父母の兄弟姉妹といった
親戚の家を1軒1軒、
訪ねていきます。
手ぶらではなく、
新年手土産を持参します。
手土産の鉄板としては、
・油(5リットル瓶)
・牛乳(250ml×24本)
・新年お菓子パック
・お酒(白酒)
・果物
+必需品で爆竹や花火
2018年の年越しにあった
ホース爆竹は健在です!

中国、もう一つのキャッシュレス社会(農村のキャッシュレス)衣食住

相手の家につくと、
まずは門で爆竹を鳴らして、
到着したことを伝えます。
日本でやったらカチコミと
勘違いされかねません(笑)
その後は、家に入り用意されている
お菓子、お餅、甘酒などを頂きます。
時間帯によって、ご飯を頂くことも。
お年玉も、この訪問で頂きます。
うちの実家のルールとしては、
年齢に関わりなく、
・結婚していない
・仕事をしていない
は、全員みなし子供として、
お年玉をもらえます。
以前は歩いて訪問できる親戚も
数軒ありましたが、
今では、多くの親戚が、
車で約30分の街に
引越してしまいました。
中カツ!通信 第278回 中国のアザーサイド、農村の年末は?
新年だと
タクシーを村まで配車するのも難しく、
仕方なく訪問する先のいとこに、
先に迎えに来てもらいます。
約30分の山道をゆられ街につくと、
ここも新年の雰囲気に溢れていました。
まだ半分近くのお店が正月休み中です。
一方、開いている店の多くが、
新年挨拶手土産を店頭販売しています。

やはり、爆竹も含め、
定番品がならんでいます。
ただ、聞こえてくるのは
車のクラクションばかりで、
爆竹の音は聞こえてきません。
聞いてみると街では、
大晦日、正月一日、二日のみ可能で
その他の日は、禁止とのこと。
この日は、正月三日なので、
もう鳴らすことはできません。
売られている爆竹も、
これから周辺の農村に
挨拶回りに行く人が
買っていく用なんです。
家に着いたら、
カチコミではないので
普通にインターフォンを押して
部屋の中に入ります。
この日は受け入れ先の負担も考えて
6家族が一緒に訪問することにしました。
そのため、各自持参した
新年の贈り物が一気に
廊下を占領します。
子供たちは新年の挨拶をすると、
お菓子の場所にまっしぐら。
普段だったら「食べ過ぎない!」と
怒られそうな量を、わしづかみしても
お正月だから大丈夫(笑)

ちなみに一番前の漬物は、
生姜の甘酢漬けで、お口直しに最適です。
大人はコタツに入って、
落花生やヒマワリの種を食べながら
久々の世間話に花を咲かせます。
日本のコタツとは違って足元が暖まるタイプ

村では、炭で暖を取っていたので
形式は同じでも安全かつ衛生的ですね!
そして、子供達待望の紅包(お年玉)!
今回、下は6カ月、上は14歳まで総勢10名
一人200元としても、なかなかの出費です。

子供がいない大人にとっては、毎年出費のみ、
「早く結婚、子供を作って回収しよう!」
という動機に少しだけなるとか。
前回の記事でも触れたように
人口が減っていくステージに入った中国
中カツ!通信 第278回 中国のアザーサイド、農村の年末は?
「新年紅包(お年玉)の義務化」を
少子化対策として実行する、
地方政府でてこないですかね(笑)
ただ挨拶回りが難しい、
離れた土地に住んで、帰省もしなければ
新年紅包(お年玉)を配らずに済みます。
その都市から若者が減ってしまう
逆効果になってしまう可能性が高いかも…
この日は、
街に引っ越した4軒の訪問予定ですので
世間話も、そこそこに、次の家に向かいます。
親戚のおじさんは家に残し、
おじさんの息子である、いとこも加わり
別の親戚(いとこの父母)の家、
つまり、いとこの家に行きます。
結果的に、いとこの互いの家を
訪問し合っていることになります。
ハロウィンの時に、
クラスメートの親同士で
事前に取り決めて子供達が互いの家を
訪問してるのを思い出しました。
ただ新年の場合は、
お菓子だけじゃなく、お金もあげないと
帰ってくれないですが(笑)
それにしても、どのいとこの家も
奇麗で、こじゃれています。

ただ、新居の儀式に使う薪は、ちゃんと置かれていました!

中カツ!通信 第158号 新居に入る際の注意点

キッチンもオシャレで、
換気扇は触れなくても手をかざすと、
自動で、せり出しスイッチが入ります。
村の時の、指をいれたら、
血が吹き出す、むき出しのハネの
換気扇とは大違いです。

円卓の上の台は、
自動で回るだけでなく、
中央部は電磁調理器になっており
火鍋もできます。
周辺部分も料理が冷めるのを防ぐ
保温機能がついています。


まだ新しい冷蔵庫の中を
お願いして、のぞかせてもらうと、

そこには一羽丸ごとの鶏や
自家製の白菜の漬物といった
村の冷蔵庫と似たような光景で
少しホッとします。
图片
食事の時間になると、
何を飲むか聞かれました。
「赤にしますか?白にしますか?」
まさか帰省中にワインを
飲めるなんて思ってもいませんでした!
唐辛子のフライ、唐辛子まみれの鶏の足
辛い湖南料理とワインも悪くないですね。

ちなみに、白は白ワインではなく
アルコール度数42度の白酒です…
ワインを1本飲んだ後は
「ここからは白ですね!」
と、有無を言わさず白組に強制参加…
普段は私に気を使って
標準語で話してくれていても
お酒が入ると、方言メインなので
何言っているか、ほとんど分かりません。
居酒屋で、
スゴイ騒々しい、外国人のテーブルに
一人で相席させられて
ひたすら乾杯に巻き込まれる場面を
想像してみてください。
案の定、男性だけのテーブルで
続く乾杯に耐え切れず途中退場、
ソファーで30分の休憩です。
それでも不思議なもので
酒を酌み交わすと、親戚としての
実感が湧いてきます。
おっさん達が、
大声で酒を飲んでいる一方で
子供たちの世代は、
黙々とスマホをみています。
抖音をみたり、ゲームをしたり
それぞれが自分の世界。
妻の実家では、
家族が集まらなければいけない
イベントがいくつか決まっています。
・冠婚葬祭
・新居を建てた(買った)時
・節目の誕生日(40歳、50歳とか)
・新年
特に上の2つは、
伝統的には人手が必要でした。
家で結婚式を挙げるのが普通だった時、
親戚や近所の助けを借りなければ
200人分の料理なんて、
とても用意できません。
家関連も
村には大工専業の人はいないので、
互いに助け合いでした。
(逆にいうと、皆それなりにできる)
2018年に帰省した時は、
隣の家の解体作業を、
親戚やご近所で手伝っていました。

中国、もう一つのキャッシュレス社会(農村のキャッシュレス)②「食」

また誕生日や新年で
定期的に親戚が集まるのは
情報交換をするための
大事な機会です。
こういった場では、
お年玉、贈り物、身なり等から
誰が儲かっているのかも
分かりやすいです。
親戚間で、
お金の話はタブーではなく、
むしろ積極的に開示が求められます。
私の場合は、妻が
「日本人は、そういうのを非常に嫌がる」
と、事前に強めの布石を
打ってくれたおかげで
質問攻めからは何とか逃れています。
出稼ぎから戻った親戚から
労働条件が良い工場の情報を聞けば
年明けに、親戚数人で
働きにでたり
子供が上海に進学するとなれば
遠い親戚や、同じ村の人など
頼れる人がいないかを確認したりと
これらの親戚の集まりは
儀式的な意義だけでなく
実利的にも価値があるから
今まで続いてきたんだと思います。
ネットとスマホが普及した時代。
今の若者にとって、
分からないことがあったとき
相談する相手は、年上の親戚ではなく
スマホの中の専門家というのが普通。
見ていて、気分は良くないですが
嘆きたいわけでも、
心配しているわけでもありません。
日本でも
血縁、地縁を核とした社会から
終身雇用の会社での付き合いが
中心となりました。
そして終身雇用も崩壊する中で、
「無縁社会」
なんていう言葉も生まれています。
親戚の子供たちは、
農村生まれであっても、
全員がスマホネイティブ。
住む場所は違えど
同じゲーム、同じスポーツチームなど
共通の趣味や志向をきっかけに
新しいネットワークを
作り始めています。
多分、本当に
心配しなければいけないのは
血縁、地縁、社縁も中途半端なのに
新しいスマホ文化についていくのも
面倒くさがっている私達かも…
どの縁も、良し悪しがあります。
中国のカレンダーでは、
春節休みも今日で終わり、
明日1月28日から出勤日。
今年2回目の新年。
気持ち新たに、新しい縁の根を
伸ばしてみては如何でしょうか? 
どんな縁がよいか迷い中の方、
「中カツ!通信オンラインサロン」も
ぜひご検討ください(笑)
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本日も、最後までお読み頂きありがとうございます。

本日も、最後までお読み頂きありがとうございます。
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